学院編:第二十四話:星々を貫く
テミスは絶えず召喚魔法を使用し、氷晶から凝り固まった聖騎士たちを召喚する、彼らの手には絶えず氷の弓が握られており、前方の年老いて弱った竜鰐に向けて射撃を続ける。
ダメージは微々たるものだが、竜鰐たちの注意を引きつけることには成功し、彼らは振り返ってテミスに襲いかかる。
ティロは片足を地面に踏みしめ、全身を半空で数回転させる、火魔力が足首に纏わりつき、さらに重力魔法を足に付与する、片足を真っ直ぐに伸ばし、もう片方をわずかに引き寄せ、蹴りの姿勢をとる。
その動きは極めて速く、多くの冒険者は彼女が飛び去る炎の尾だけを目撃した、狂風が彼女のスカートの裾と淡い金色の長い巻き毛を絶えず揺らし、小麦色の太腿が露わになる。
ドン! この一撃は、テミスに襲いかかろうとしていた竜鰐の頭部を真っ直ぐに貫く、竜鰐は一声嘶き、頭頂と下顎の二つの血洞から血水が噴き出す。
ティロの姿は貫通した後、さらに別の竜鰐の腕に向かって突進し、その腕を真っ直ぐに蹴り折る、炎がその全身で燃え上がり、絶えずその体を焼き、次第に肉の焼ける香ばしい匂いを放つ。
ティロはようやく動きを止める、全身はまだ蹴りの姿勢を保ったまま、体外へ向かって数百メートル滑走し、地面には深い溝が一筋残される。
テミスは足を上げて高空に飛行し、最前方で絶えず空に飛び上がる竜鰐を見つめる、それは竜鰐たちが飛行魔法を使っているのではなく、強大な力によって絶えず跳ね飛ばされているのだ、彼は振り返って背後にいる冒険者たちを見る。
「今が好機だ! ベランドたちが既に主要な竜鰐の注意を引きつけている、我々は今、火力を集中し、彼らの後方に奇襲を仕掛ける!」
冒険者たちの体には既にかなりの雪が積もっていた、他の者たちもかなり狼狽しており、体には多くの傷と魔力消耗が増えている。
テミスは手の中の長剣を掲げ、後方でベランドたちの攻撃に専念している竜鰐たちを指し、攻撃を続行する。
その中で、一人のエルフの冒険者が頭のフードを引き下ろす、金色の髪が乱れて舞い、その翠の目は厳しさに満ち、尖った耳は微かに赤くなっている。
彼女の口から一筋の霧が吐き出される、片手で背中の黄金の弓を取り外し、その場にいる二十数人の方を見る。
「皆さん、これから私は魔力の矢を一発、溜めて凝縮します、皆さんは遠慮なく魔力をその上に付着させてください、多く付ければ付けるほど、破壊性と轟撃範囲はより巨大になります。」
テミスと残りの冒険者、貴族の学生たちは互いに目を合わせ、心の中で了解し合って互いにうなずき確認し、それぞれ準備を始める。
エルフの冒険者は弓を正面に立てる、彼女は静かに弓弦を引き絞る、その動作に伴い、一本の翠の矢がゆっくりと弓弦と彼女の指先に凝縮される、彼女は竜鰐の群れの後方に向けて狙いを定め、他の魔力の付着を待つ。
一人の貴族の学生が率先して手を上げる、土魔力と火魔力が織り交ざり融合し、二つの元素銘紋となって矢の周囲をゆっくりと流れながら纏わりつく、テミスは小半の魔力を消耗し、風魔力と血魔力が互いに絡み合い、矢の周囲を巡る。
エルフの冒険者が非常に苦しそうなのを見て、さらに誰かが彼女に力増強魔法、魔力增幅魔法、その他の祝福や增幅魔法を施す……
他の者たちも躊躇しない、エルフの冒険者の状態が最適に達したのを見て、空間魔法を施して翠の矢をさらに巨大にする者、雷魔法を使用して狂暴な雷電を矢に加持する者もいる。
光魔法と暗魔法を使用する者もいる、二つの魔法の加持の下で、翠の矢は次第に形態を変える、全身翠色だったものが、白い矢先、翠の矢身、黒い矢尾へと変わった。
まさに彼らの加持によって、この矢には金、木、水、火、土、雷、風、氷、血、空間、時間、死亡、毒、光、暗など、数十もの魔法と元素魔力が付着された。
漏れ出る恐怖の魔力だけで、法則級の強者でさえも手こずると感じるほどだったが、まだ彼らを脅かすレベルには達していない、ローの視線も彼らの方に一瞥をくれ、その後再び戻される。
エルフの冒険者とテミスたちの頭上では、天候が瞬時に激変する。
ゴロゴロ! 暗雲立ち込める空の雷鳴は厚く低く、まるで彼らに向かって咆哮する竜のようだ、この地域の天候さえもこの一矢の影響を受け、天から降り注ぐ雪は消え去る。
天色は暗く沈み、全てのものは光彩を失う、ただこの一矢だけが戦場全体を照らし、ただこの一矢だけが神罰の宣告のようである。
戦場後方の竜鰐たちは、骨髄の奥底から湧き上がる寒気を感じ取る、彼らは恐怖を覚え、中には魔法や魔力を掌握している者もおり、彼らに向かって狂ったように各種の元素魔力や魔法を轟撃する、また、身を顧みずに飛びかかってくる竜鰐もいる。
一道の金魔力が一頭の竜鰐に加持される、それは体を丸め、下顎を上げて自分の尾をしっかりと噛み、円環を形成する、その傍らの二頭の竜鰐が尾を奮力して一振りすると、円環の竜鰐はまるで馬車の車輪のように、テミスたちに向かって突進してくる。
氷面にはそれが突進してきた痕跡が残り、無数の恐ろしい坑洞が点在し、極めて鋭利に見える、テミスは眉をひそめ、半空から飛び降りる。
足を上げて重々しく地面を踏みしめる、一双の風魔法で凝縮された緑色の巨手が彼の前に浮かび上がる、その風は非常に強烈で、全員の髪と衣袍を吹き上げる。
その巨手は絶えず回転しながら突進してくる円環の竜鰐を押し留める、氷層は一つの巨坑を削り出され、風が水氷を巻き上げて飛び散らせる、危うく自分に当たりそうになり、テミスは思わず口元を引きつらせ、全身が絶えず押し潰されながら後退する。
その時、一道の岩石で凝縮された盾が天から降り立ち、回転する竜鰐を氷面に叩きつける、その力は重厚感に満ちており、円環の竜鰐をその場で肉餅に叩き潰した。
テミスが目を上げて見ると、その巨大な岩石の盾の上には、黄色いスカートの女が立っていた、彼女の口元は吊り上がり、琥珀色の瞳はテミスをからかうような目つきで見つめている。
テミスは反射的にティロの視線を避け、非常に気まずそうだった。
その後も様々な攻撃が、テミスとティロ、そして手の空いた冒険者たちによって辛うじて防がれた。
エルフの冒険者の顔には疲労が浮かんでいる、彼女の視線は、自分のために魔力を空にした仲間たちを見渡す、彼らが全ての元素魔力と魔法を安定させるのを助けてくれたのだ、彼女の声は嗄れている。
「ご苦労様でした、皆さん!」
彼女の指が矢尾を離す、シュッ! 矢は空を裂き、比類なき勢いで飛翔する、この一矢の威力は、魔法段階における最強の一撃と言える!
【この一矢の威力……星辰をも貫く!!!】
ゴロゴロ! この一矢が放たれるのに伴い、天空の雷電が絶えず矢身に轟撃する、矢の力を弱めるどころか、かえって雷魔力と魔法の強大さを增幅させる。
ガアアア! 数条の雷電の長竜が矢身の周りを旋回し、全ての元素魔力と魔法を伴って轟撃していく、それが掠めた場所では、空気が抹消され、空間には亀裂が走る、ほとんどの竜鰐はその場に呆然と立ち尽くす、この瞬間、天地は既にあらゆる色彩を失っていた。
「まずい!」
ジャスミンは眉をひそめる、彼女は戦場を包囲していた障壁を撤去し、代わりに一人ひとりを包み込む独立したバブルの障壁に変更する、しかしこの選択により、少女の法則魔力の大半が直接消費された。
全ての人の視界は一片の空白に満たされ、耳元にはブーンという音が響き渡り、何の音も聞こえない。
世界は彼らの目には一張の純白の紙のように映る、しばらくして、徐々に視界が回復する、戦場全体の氷層はほとんど全てが割れており、ただローと法則級の竜鰐の首領のところだけは全くの無動だった。
その他の場所の氷層には、八十数条もの断肢欠片の竜鰐の死体が横たわっている、体には各種の元素が残した傷跡が満ちている。
パタリと、一塊の黒赤い物体が冒険者の一人の足元に落ちる、彼が顔を上げて見ると、空一面から竜鰐の体組織の碎肉が降り注いでいる、空気中には血腥さと焦げた匂いが満ちている。
ジャスミンはバブルの障壁を解除する、今回の魔力放出で彼女はほぼ大半を消耗し、体内の法則魔力は小半しか残っていなかった。
「はあ、はあ、はあ……」
少女の白い額からは絶えず汗が滑り落ち、鼻先にも汗の玉が浮かんでいる、銀色の髪は汗で濡れ、彼女の横顔にぴったりと貼りつく、少女の口からは絶えず荒い息が漏れ、全身の状態はかなり悪い。
危急の瞬間、ジャスミンはそれでも全ての人をしっかりと守り抜いた、レオンにかけられた護盾は数重にも及び、残りの五十数隻の船も毫も損傷していない。
ジャスミンにとって、他の人々の安危は重要だが、レオンの前では彼らはあまりにも劣る。
血の川と化した戦場で、まだ動けるのは五、六十条だけになっていた、残りの百数十条は既に重傷を負い、口から絶えず血水を溢れさせ、肢体にはそれぞれ欠損があり、ほとんど行動能力を失い、散らばった碎氷の上に這いつくばって微動だにしない。
カチカチという凍結音とともに、砕けた氷面が再び静かに回復していく。
戦場の状況は一変した、その場に残った二十数人のうち、まだ立っているのはティロとテミスだけであり、他の者の魔力はほとんど枯渇していた。
テミスの手配により、ティロが彼らを護送して甲板に戻り休養させることになり、自分はベランドの支援に向かう準備をする。
甲板上で、ティロは冒険者と貴族の学生とその従者たちを連れ戻す、彼らの体には多くの傷があり、魔力はほぼ枯渇している、ヴェロシアはこの光景を見て、少しの躊躇もなく治療魔法を使用する、淡い緑の柔らかな光が輝き、彼らの傷を治療し始める。
ベランドはジャスミンの方を一瞥し、その後手の中の剣をさらに強く握りしめる、彼は視線を戻し、眼前の岩石の竜鰐と、その後ろにいる数条の竜鰐を見つめる。
背後にある雷電の長槍が一斉に飛び出し、岩石の竜鰐の後ろにいる数条の竜鰐に向かって飛んでいく、ゆっくりと真っ直ぐに半空に立ち、一つの円形を形成して彼らを中心に包囲し、その後氷面に突き刺さって一道の雷電の牢獄を形成する。
一条の刀疤のある竜鰐が逃げ出そうとするが、電撃を受けて数メートル後退させられる、この牢獄の中では、彼らは魔力さえも封じられている。
ベランドは既に準備を整えていた、岩石の竜鰐が振り返り始めた時から、彼は既に感知鈍化魔法、偽装魔法、そして禁魔法陣を使用していた。
「これで、もう少し時間を稼げる、テミスもすぐに来るはずだ。」
ベランドは一息吐き出し、瞳を深くする、彼は岩石の竜鰐に向かって人差し指を曲げて招き、軽蔑に満ちた口調で言う。
「さあ来い、お前の力を見せてみろ。」
岩石の竜鰐は激昂する、眼前の小さな人間が何を意味しているのかは理解していないが、その顔を見るだけでさらに憤怒と怨毒を感じる、何しろ自分の母親を殺した仇なのだ。
ガアア! 岩石の竜鰐はベランドに飛びかかる、体の岩石は極めて重厚に見えるが、それに付着しているにもかかわらず全く負担感がない、それは巨口を開き、体内の魔力が小半減少し、一道の炎が噴出される。
ベランドは炎の燃え盛る長剣を掲げる、彼の身長と同じ高さの炎の壁が、竜鰐の噴き出す炎を辛うじて防ぎきる、その後ゆっくりと消え去り、彼は手を上げて奮力に一斬りし、一道の炎の剣気を岩石の竜鰐に向かって放つ。
岩石の竜鰐は体を反転させ、片方の鉤爪を氷面に叩きつける、数十本の氷の槍が体躯の周囲に現れ、凛冽な寒気を放つ、シュッシュッ! 数十本の氷の槍が素早くベランドに向かって突き刺さる。
ベランドは逃げない、彼は静かに左手の親指の表皮を噛み破る、一滴の明るい赤い血珠が指先を伝い、パタリと氷面に滴り落ちる。
青年は自身の魔力を駆動する、その一滴の血珠は魔力に催動されて、一面の巨大な血の盾に変わる、血の盾の表面は絶えずさざ波を立て、彼を包み込む。
ドドド! 氷の槍が血の盾に突き刺さる、絶えず流動する血の盾にさざ波が立つが、実際の破損は一切生じない、そして血の盾の後ろのベランドの目つきは陰鬱になっていく。
彼は手の動作を止めない、岩石の竜鰐が攻撃する隙に、彼は側方に一滴の血珠を投げ出す、魔力が再び動き、血珠は一振りの血色の長剣に凝縮され、殺戮の気を放つ。
「今だ!」
ベランドは血色の長剣を制御し、側方から岩石の竜鰐の視線を迂回させる、空気を裂く音を伴って急速にその目に向かって突き刺さる、鋭い血剣がその左目から右目へと貫通する。
彼は血の盾を撤去し、後方に連続して百メートル後退する、体を安定させ、口からは荒い息を必死に喘がせ、広い胸が絶えず上下する。
「くそっ、今や魔力は小半しか残っていない!」
岩石の竜鰐は完全に視力を失った、両目には漆黒の血洞だけが残り、絶えず血水が眼窩から流れ出る、しかしこの竜鰐は意外にも賢い。
それは土魔法を駆動する、二つの岩石が眼窩の空洞に嵌め込まれる、粘つく音を伴い、二つの岩石が無理やりその眼窩に押し込まれ、血水の流出を止める。
ドクンドクン! 心臓の鼓動が速まる、言葉にできない異様な感覚がベランドの脳裏に浮かび上がる、彼は片手で自分の目を覆い、視界がぼやけ、考えることさえ難しくなる。
「血魔法の副作用か……くそっ……」
ベランドは突然はっとする、彼は目を覆っていた左手を下ろし、その目は驚愕に満ちている、自分の身の下を見ると、自分の脚部が一本の荊棘に絡みつかれていた、脚は既に黒く変色し始め、絶えず黒い血水が流れ出ている。
「ぶはっ!」
ベランドの口から一口の鮮血が吐き出される、体の魔力は剣身に付着した炎を維持するのが難しくなり、次第に消散し始める、彼は長剣を氷層に突き刺す。
左手の痛みを顧みず、それらの荊棘を全て引きちぎって地面に投げ捨てる、魔力の支えを失った荊棘は一道の緑色の魔力の霧となって消散する。
「麻痺魔法と毒魔法か……まったく……狡猾な奴め。」
岩石の竜鰐は目を失ったものの、荊棘が引きちぎられた時に解放された魔力波動が、ベランドの位置を露呈させる、それは無分別に突進し、四肢を氷面に叩きつけて鈍い音を立てる。
たとえ目の前に自分の仲間がいても、それを全く気にせず、真っ直ぐに相手を横に弾き飛ばす、弾き飛ばされた仲間は氷層の上で数回転がってようやく止まる。
仲間はそれに向かって一声咆哮するが、岩石の竜鰐は振り返らず、依然としてベランドの方に向かって牙の生え揃った巨口を開き、相手を引き裂こうとしている。
距離はますます近づき、ほとんど数メートルまで迫っている、ベランドは岩石の竜鰐の口の中の白い舌、刃のように鋭い歯、上顎から絶えず滴り落ちる涎、粘液が捻じれた蜘蛛の巣を伸ばし、半空で引きちぎられ、再び循環するのをはっきりと見ることができる。
五十数隻の船の人々はガラス越しに、眼前の危険な光景を見つめる、心臓は絶えず速く鼓動し、頭はくらくらと感じられる。
「ベランドに危険が!」
「どうしよう! 彼が竜鰐に食べられてしまう!」
「待て、あれは何だ?!」
遠くで、寒冰で凝縮された七十メートル級の巨船が半空を飛翔している、船身は全体が淡い青色で、表面の構造は一号船の外見と大差ないことが見て取れる、ただ船身には氷霜の印が刻まれている。
テミスは無表情で船首の甲板に立っている、背後には一排の寒冰で凝縮された聖騎士たちが立っている、彼らの目は光を放ち、体の鎧からは白い寒気が発せられている。
「ここまでだ!」




