学院編:第二十三話:みんなの駆け引き
白金色の火浪と、黒霧の中で電弧を閃かせる竜鰐の首領が激突する、ドン! 一発の炸裂音とともに、竜鰐の首領が空中から火浪を破って現れる、体に纏っていた雷電法則と暗之法則は消え去り、落下の衝撃力を利用して、野蛮にローに噛みつかんと襲いかかる。
ローは微かに眉をひそめる、彼は一脚を氷面に踏みしめると、氷層から次々と百を超える巨大な氷の拳が凝り固まり、彼の周囲に浮遊する、氷拳は全身透き通り、白い冷気を放ちながら、竜鰐の首領に向かって轟撃する。
ドドド! 鈍い轟音が響く中、氷拳はその体に当たって砕け散る、竜鰐の首領は打たれて口から血水を絶え間なく溢れさせる。
その頭部は絶えず左右に打ち据えられるが、打たれるたびに体勢を立て直し、再びローに向かって真っ直ぐに突進する。
ローは竜鰐の首領が目前に迫ったその時、ウィーン——眼前の空間が波動する、するとローはその空間に向かって一跳ね、その場から消え失せる。
竜鰐の首領が激しく叩きつけた碎氷は百メートルも飛び散り、他の冒険者たちや竜鰐たちに襲いかかる、彼らは慌てて避難を余儀なくされる。
中には反応が間に合わなかった冒険者もおり、その場で押し潰されて死んだ、氷塊の周囲には猩紅の血の華が飛び散り、極めて異様な光景を呈している。
ローの姿は遠くに現れ、再び全ての氷面を凍結して修復する、彼は戦場の状態を維持しなければならない。
視線を竜鰐の首領に向ける、しかし竜鰐の首領の傷は再び生命法則によってかなり治療されており、その気迫はさらに凶悪さを増していた。
その前肢が氷面を叩く、三体の、本体と全く同じ分身がその体から分裂し、本体と合わせて四つの山のような巨体がローを中央に包囲する。
四つの山のような巨体が自分をしっかりと包囲しているのを見ても、ローは恐怖を感じない、次の瞬間、彼の体はその場から消える。
チン——ローがそのうちの一頭の竜鰐の首領の前に現れる、氷の剣が鱗甲を斬るが、かすかな白い傷跡を残すのみ、竜鰐の首領の防御力は通常の竜鰐を遥かに超えており、ローのこの一撃はその鱗甲を破れなかった。
四頭の竜鰐の首領が猛然と体躯を捻る、四本の太い尾がローに向かって薙ぎ払われる、空気を裂く呼嘯音を伴い、逃げ場はない。
ローは右手の氷の剣を氷面に突き立てる、四面の氷の盾が地面から立ち上がり、彼をその中に包み込む。
ドン! 尾が氷の盾を激しく打つ、氷の盾は音を立てて砕け散り、ローはその巨力に震動されて口元から一筋の血線を流す。
彼は体勢を立て直し、右手の砕けた氷の剣を見る、そして四頭の竜鰐の首領を見る、竜鰐の首領も動きを止め、体躯を低く伏せ、金色の縦瞳で彼を凝視し、喉の奥から低い嘶き声を発している。
互いに次の攻撃を急いでは出さない、彼らは探り合い、評価し合い、相手の隙を探っている。
ガアアア! 竜鰐の首領が再び一声嘶く、数百条の百メートル級の竜鰐の群れが完全に暴走し始める、彼らは勢いよくベランドの部隊の方向へ狂ったように突進してくる。
戦線全体が震動する、見渡す限り、数里の氷面にびっしりと詰まった黒い斑点が絶えず突撃する、竜鰐大軍の暴戻と凶悪が会場全体に満ち溢れる。
氷結された戦場はたちまち大混乱に陥る、竜鰐の咆哮と氷面を叩く鈍い音、冒険者たちと貴族の学生たちの叫び声と天を衝く戦意が溢れかえる。
ドワーフの冒険者が一脚を氷面に踏みしめる、氷魔力と土魔力が互いに融合し、彼の手の中の戦槌に凝縮される。
元々一メートルほどの戦槌は数十メートルにまで伸長する、巨大な槌頭には岩石と寒冰が纏わりつき、奮力して竜鰐の頭頂に槌を打ち下ろす。
ドン! 一発の巨音とともに、巨槌がその頭を瞬時に打ち割る、血漿が四方に飛び散り、竜鰐は数回もがいた後、ぴくりとも動かなくなる、ドワーフの冒険者は口元を吊り上げ、髭を興奮させて絶えず震わせる。
「来い! この命知らずの畜生どもが!」
巨槌が絶え間なく振るわれる、ドワーフの冒険者にとって、魔力をまだほとんど掌握していないこれらの竜鰐の大半は、彼にとっては手軽に屠れる鼠同然だった。
ガアア! 一頭の竜鰐が彼に飛びかかる、彼は両手で巨槌の柄をしっかりと握りしめ、全身の筋肉が緊張する、背後にあった巨槌を上方に一振りする。
その一撃は確実にその竜鰐の下顎に炸裂し、その骨格と歯を全て粉砕する、全身が半空で数回転した後、氷面に落下し、ぴくりとも動かずに死んだ。
カタリ学院の装いをした黒袍の少女がそれらを見つめる、その目つきは真剣になり、彼女は手にした魔導杖を掲げる、体内の魔力が小半減する。
魔力が彼女の周囲に漂い、七条の黒い鱗を持つ毒蛇と化す、それらの口には毒魔法が含まれており、そのうちの一頭の竜鰐に向かって襲いかかる。
七条の毒蛇は数十メートルもの細長い体を引きずり、竜鰐の体躯に絡みつこうとする、竜鰐は攻撃しようとするが、それらは器用に回避し、竜鰐の体躯に絡みつく。
たちまち毒蛇たちにしっかりと制圧される、そのうちの一条の毒蛇が竜鰐の開いた下顎からその口の中に滑り込み、柔らかい舌に思い切り噛みつき、自身の全ての毒素をその中に注入する。
他の六条は竜鰐のデスロールによって引き千切られる、最後の一条は自爆を選択し、黒い液体となって竜鰐の口内で炸裂する、もがき苦しんでいた竜鰐の体躯が猛然と停止する。
ゲップ〜 それは絶えずげっぷをし始める、鼻孔からは一つ一つの黒い泡が漂い出て、半空で炸裂する。
ゲップ〜 それはまだ絶えずげっぷをしている、体躯は絶えず震え始め、ついにはその口から大量の黒い水と白く泡立つ泡が溢れ出る、両目がひっくり返り、体躯が瞬間に真っ直ぐに硬直し、彫像のように横向きに仰向けに倒れる、軽く数回揺れた後、白く柔らかな腹部を空に向けて、完全に生命を失った。
黒袍の少女は眼前の竜鰐に意識を集中させており、別の方向から襲い来るもう一頭の竜鰐に全く気づいていなかった、それは大きく口を開け、鋭い歯がびっしりと並び、腥気の混じった涎が周囲に飛び散る。
「まずい!」
黒袍の少女の目は恐怖に満ちる、しかし次の瞬間、ドン! 山腹ほどの大きさの巨石が竜鰐の頭部に激しくぶつかる、その頭部全体が瞬時に氷層にめり込み、四肢は無茶苦茶にもがき、尾は絶えず揺れる、その頸部に、一人の白袍の少年が立っており、厳しい口調で言う。
「プーヤ様、戦いで最も禁忌なことは、眼前の敵だけに集中することです、周囲をよく観察しなければなりません。」
白袍の少年は軽く一跳ね、プーヤの前に立つ、プーヤは一瞬呆け、顔の蒼白さがまだ引いていない、彼女は歯を食いしばり、声はとても小さかった、彼女は少年の厳しさに既に恐怖を感じていた、戦闘中に油断するたびに、彼に叱られるのだ。
「分かりました……ありがとう、アリット……」
アリットは軽くため息をつき、プーヤの肩を軽く叩き、口調を和らげる、彼は再び振り返って竜鰐に向かって突進する、片手を上げると、一振りの数メートルもの雷電の巨剣が天から降りてくる。
雷魔力が空気に微かな痺れ感をもたらす、巨剣は雷電の狂暴な力を帯びて落下し、押さえつけられた竜鰐の首をはねる。
彼は横向きに少女を見る、表情には大きな動きはなく、ただ微笑んだだけだった。
「プーヤ様、今は竜鰐に意識を集中してください。」
一匹の蜥蜴人の冒険者が、数頭の竜鰐の打撃と噛みつきを絶えず回避している、その動きは異様で、絶えず彼らの間を遊泳する、体躯の優位性により、彼は非常に余裕を持っていた。
「今だ!」
彼は続けて流れるようなスライディングを決め、整列した数頭の竜鰐の腹部に沿って滑り込む、最初から彼は位置と立ち回りを絶えず調整しており、全ては彼らを自分の望む配置に並ばせるためだった。
滑走に合わせて、手にした黒い短剣の鞘を握る、蜥蜴人の冒険者が抜刀した瞬間、捻じれた黒い霧が立ち込める、一振りの紫色の短剣が抜き放たれ、彼は空間魔法で增幅させた剣気を振るい、竜鰐の腹部に激しく斬りつける。
カカカ——鱗が崩壊し始める、露出した鮮紅色の表面の血肉に、一つ一つの黒い膿疱が現れ始める。
侵食の速度は速い、数息の後、竜鰐の鱗は粘っこい黒赤色の粘液とともに全て脱落し、全身に膿疱が生い茂る、最後に一つ一つが炸裂し、吐き気を催させる腥臭を放つ。
連続して放たれる剣気は、彼の魔力も絶えず消耗させる、蜥蜴人の冒険者は頭痛と呼吸困難を感じ始める、何しろこの短剣を使用するには代償があるのだ、五頭の竜鰐を処理した後、彼は一角で一旦息を整えることを選んだ。
遠くで、ベランドは竜鰐の頭骨に突き刺さった長剣を抜き放つ、剣身からはまだ黒赤色の血水が滴り落ちている、彼は軽く外側に一振りし、飛び散った血水が氷層を一面の赤色に染め上げる。
耳元に感知魔法の清冽な音が響く、それは危険到来の前兆だった、ベランドは眉をひそめ、右足を氷面に踏みしめて数十メートル跳躍する、そして彼が跳躍すると同時に、一頭の竜鰐が氷層を破って彼に噛みつかんと襲いかかる。
ベランドは空中で手を上げて雷魔力を回転させる、体内の魔力が小半抽出される、紅黄色の雷電の長槍は、覇道の雷電威力を内包している。
電弧が空気中で閃光を放ち、パチパチと炸裂音を立てる、するとその一振りの雷電の長槍がさらに九振りに分裂し、ベランドの背後に整列する、電光が非常に眩しく輝く。
ベランドは素早く手を上げる、そのうちの一振りの雷電の長槍が彼の手に来る、彼は奮力して一刺しし、長槍は竜鰐の体に向かって注ぎ込まれる、速度は極めて速く、ベランドでさえはっきりと見ることができない。
パン! 雷電の長槍が竜鰐の口内に刺さる、強大な電流が竜鰐の体内で炸裂する、続けて天空からも一道の雷電が打ち下ろされ、再びその体に轟撃する、竜鰐はその場で絶えず痙攣し、体には絶えず電弧が現れる、最後に頭部を氷面に叩きつけ、ぴくりとも動かなくなる。
ベランドは背後の八振りの雷電の長槍を伴って地面に降り立ち、体勢を整える、ちょうどテミスの方を見ようと振り返ったその時、一声の悲鳴が響き渡る、彼の視線は即座にその発生源に向けられる。
その時、数頭の竜鰐が集まって何かを低頭して咀嚼している、破れた衣服が口元に掛かっているのを見て——冒険者が食べられてしまったのだ。
彼らは頭を回してベランドを見る、そのうちの一頭の竜鰐の縦瞳は憤怒に満ちており、その歯の隙間からは多くの赤い血液が流れ出ている。
その一頭の竜鰐がベランドに向かって一声咆哮する、体には一塊一塊の岩石が浮かび上がる、それらの岩石は堅固で厚く、彼を完全にその中に包み込み、怨毒に満ちた二つの縦瞳だけを露出させる。
「この野郎……」
ベランドの目つきは警戒心を帯びる、手の中の長剣には炎が燃え盛っている、それは火魔力で凝縮された不滅の火であり、使用者の魔力が尽きない限り、持続的に燃え続け、目標を灰燼に帰すまでやめない。
ベランドは慌てず、さりげなく、こっそりと軽く指を鳴らす……
「危ない!」
ノエロアが声の方向に向かって叫ぶ、一頭の竜鰐が木魔法を使って蔦を召喚し、彼女に向かって突き刺さんとしている、ノエロアは不意の攻撃に驚き、一瞬反応が遅れる。
しかし次の瞬間、一双の幅広い腕が彼女を抱き寄せる、危うく蔦の攻撃をかわす、彼女は目を上げて相手を見る、相手はただ彼女の頭を撫で、穏やかな口調で言う。
「気をつけろよ、無理はするな……」
「うるさい……でも……ありがとう……」
ノエロアはポントの腕を引きはがし、不満げな小さな目つきでポントを一瞥する、その後、竜鰐の方に視線を向け、手を上げて金魔力を使い、五十メートルサイズの金属の獅子を凝縮する、しかしこれで彼女の魔力の大半が消耗された。
金属の獅子の体躯は全体が金属で作られている、龐大な体躯は非常に頑強で、頸部の鬣は一本一本の太い針金である、ガアア! その咆哮に伴い、鬣と頸部の摩擦が耳障りな金属の衝突音を発する。
青白い光を放つその目が竜鰐を注視する、背後で尾がゆっくりと揺れ、口の中の金属の歯は光沢を放つ。
ポントはノエロアを見る、彼女のあの薄っぺらな体躯は少し震えている、それは魔力を消耗しすぎた兆候だった、しかし彼は少女の魔法発動を邪魔することができなかった、それが彼女の選択であり、自分は彼女の掩護をする必要があるからだ。
ポントは体内の半分の魔力を消費し、金属の獅子に加持してその形態を維持する、さらに彼がほとんど使ったことのない死亡魔法を使用する、死亡魔法は一団の黒い霧に変わり、金属の獅子の牙と鉤爪に絡みつく。
その鉤爪と牙は漆黒に変わり、死亡の気配に満ちる、金属の獅子の攻撃は死亡侵食性を帯びることとなり、一度攻撃を受ければ、肉体は徐々に腐敗し死に至る。
百メートル級の竜鰐に対して、金属の獅子は少しの恐怖もなく、竜鰐に飛びかかる、一頭の竜鰐と一頭の金属の獅子が組み合って戦う、体型に大きな優位性はないが、堅固な体躯に依存して、竜鰐の攻撃と噛みつきはその体にほとんどダメージを与えられない。
逆に金属の獅子にチャンスを掴まれ、尾部に噛みつかれる、その尾部は黒ずみ変色し始める、竜鰐は苦痛を感じ、金属の獅子を数十メートルも弾き飛ばし、生命魔力で徐々に萎縮する尾部を治療し始める。
「回復する時間を与えるな!」
ノエロアは焦りを見せる、ポントはうなずき、手の中の長剣を竜鰐に向けて軽く一振りする、ドン! 竜鰐の体の下方に、土魔力と炎魔法が融合した岩の峰が下から上へ、急速に突き上げる。
ドン! 鈍い衝突音が響く、炎の岩峰が竜鰐を半空に打ち上げる、しかしまだ終わらない、岩峰はさらに上に突き刺さり、反応する暇を与えない。
プスリ——岩峰が半空の竜鰐の腹部を貫く、背中で最も堅固な鱗でさえ刺し砕かれる、全身が半空で必死にもがき、口からは悲鳴を上げる。
ガアア! 金属の獅子が一声咆哮し、素早くその方に駆け寄る、その間、半空の竜鰐に向かって牙を開く、淡黒色の死亡の霧が絶えず金属の獅子の口の中に集まる。
ドン! 一団の淡黒色の球体が金属の獅子の口から噴出される、尾を引きながら竜鰐に向かって突進する、しかし意外にも静かで、目標に命中した時でさえ、一切の反響音がない、しかし次の瞬間、もがき続けていた竜鰐は全身が腐敗し爛れ始める。
竜鰐の肉体の組織は急速に枯骨と化す、ジュージューと、血水が炎の岩面で一陣の黒煙を上げる、空気中には刺激的な腐臭が漂う。
一号船の甲板には、レオン、ジャスミン、そしてヴェロシアだけが残されていた、手すりのそばで、レオンは片手をその上に載せ、指先で手すりの鉄縁を摩りながら、非常に淡々とした口調で言う、彼は視線をジャスミンに向ける。
「どうだ? 魔力の消耗は?」
ジャスミンは手を上げた姿勢を維持している、その瞳にはレオンの姿が映っている、汗が鬢のあたりから少女の白い頸部を伝う、少女は淡く微笑み、その口調はとても穏やかだった。
ジャスミンにとって、これは自分にとっては確かに大きな消耗とは言えなかった、主に戦場で努力しているあの勇士たちこそ、その消耗が大きいのだ。
「問題ありません、レオン様、私の魔力はまだかなり残っています。」
ジャスミンの言葉を聞いて、レオンはうなずく、彼はベランドやノエロアなどの方角から視線を外し、瑠璃色の瞳をヴェロシアが見つめる方向に向ける。
そこは竜鰐の群れの後方に位置していた、先頭に立つのは、あのテミスという名の聖騎士だった……




