学院編:第二十一話:推理と顕現
太陽がゆっくりと海面へ沈んでいく、海平面は淡い金色の紗衣を敷いたように輝き、時折巻き起こる波が絶え間なく踊る、カァカァカァと、カモメたちが船団の上空を旋回し、鳴きやまない。
遠くの海面には、巨大な鯨の魔獣が姿を現していた、鱗甲に覆われた身躯と墨緑の瞳、頭頂の呼吸孔から噴き上がる水柱は、その先端が五十メートル近くにも達する、舞い散る水滴が夕日に映え、風に舞う金砂のように輝いている。
ジャスミンはその景色を眺めていた、ノエロアとティロが彼女の傍らに立ち、優しい夕風が彼女たちの頬を撫で、髪を揺らす、まるで風までもが彼女たちに惹かれ、その頬を撫でずにはいられないかのようだ。
ジャスミン、ティロ、そしてノエロアは、鯨の尾びれが波を打つたびに浮かび上がる、極めて淡い虹の幻影を見つめていた、ノエロアがその虹のような影に気づき、指を差す。
「ジャスミンお姉様、姐さん、あれって虹ですか?」
ジャスミンは彼女の指す方へ目を向ける、極めてかすかな弧光がひっそりと浮かんでいた、それは雨上がりの虹のように鮮やかではなく、むしろ夕焼けに染まった薄絹のように、かすかに、あたかもあるかのように海面に浮かんでいる。
色はとても淡く、次の瞬間には消えてしまいそうだ、ジャスミンは微笑み、とても穏やかな口調で言った。
「あれは確かに虹ですね、ただ、こんな状況で見られるのは、本当に珍しいことです……」
「そうだな、本当に、俺たちは幸運だ。」
ティロは再び麦酒を一口含み、夕日の中の虹を見つめながら、思わず感慨を漏らす。
貴族、冒険者、商人たちもこの状況に気づき、足を止めて手すりのそばに立ち寄る、驚く者、美しいと感じる者、心にこの風景を刻む者もいた。
しかし、片隅で一人の少年が船壁に寄りかかっていた、その目は平静で、少しの興味も示さず、ただ次第に血のように赤くなる海面を淡々と見つめ、カップを掲げて温かいミルクを一口含む、一言も発さない。
食堂区、今やほとんどの乗客がここに集まっていた、彼らは心地よい音楽を楽しみ、席に座って食事を味わい、様々なことを話し合っている、笑い声、議論の声、真剣な口調がここに響き渡る。
その中で最も話題になっているのは……おそらく、甲板で声をかけたあの濃い緑色の短髪の青年のことだろう、彼らが食堂区に入ってきた時から、その視線は暗黙のうちに一つのテーブルに注がれていた。
ヴェロシアはステーキを軽く一口かじる、柔らかい牛肉はとてもジューシーで、独特のソースと相まってとても美味しい、彼女はナイフとフォークを置き、横目で無数の視線が自分たちに注がれているのを感じ、少し困惑した。
「ベランド、これは……何かあったのですか?」
少女の隣に座るローは無表情だが、その目には微かな冷淡さが宿っている、それにより、向かいに座るベランドとテミスは沈黙に陥った、ベランドはためらい、テミスを一瞥してから、うつむいて説明した。
「ヴィロ様、テミスと私は何もしておりません、ただ彼が女性に声をかけて、断られただけです。」
「声をかけた? 女性に?」
ヴェロシアの表情は複雑で、困惑を帯びている、彼女はローを見るが、ローは首を振る、そして再びテミスに視線を向ける。
テミスはためらったが、それでも本当の理由を話すことにした、彼としてはこれは問題ではない、単なる個人の選択であり、ローに叱られるほどのことではないと考えたからだ。
「あの……ヴィロ様、私はただあの女性たちがとても美しかったので、簡単に言葉を交わしただけです、私とベランドは確かに何もしておりません。」
「そういうことでしたか……」
ヴェロシアはうなずく、確かに大したことではない、彼女はローを一目見る、ローはその意を汲み、それ以上何も言わず、赤ワインを軽く一口含んだ、ヴェロシアは少し考え、テミスに視線を向けて言った。
「私は貴族の令嬢を一人知っています、紹介しましょうか?」
ヴェロシアの言葉を聞いて、ベランドは危うく笑い出すところだった、彼は自分の最も辛い出来事を全て頭の中で思い浮かべたが、それでも口元が上がるのを抑えきれず、テーブルの下の手でこっそり自分をつねって、どうにか平静を保った。
テミスは慌てて手を振り、幾分やむを得ないといった口調で言った。
「い、いいえ、結構です、ヴィロ様! 私はむしろ自力で成功を掴みたいと思っています。」
「ええ、分かりました。」
ヴェロシアは再びナイフとフォークを手に取り、少量ずつ食事を口にする、ベランドとテミスはそれには関心がなく、むしろ他の人々の視線をどうにかすることだけを考えていた。
何しろ常に見られているのは、ヴェロシアに迷惑をかけることになりかねない、二人は目を合わせ、テミスはベランドの意図を読み取った、彼は立ち上がり、ヴェロシアに向かって真剣な口調で言った。
「ヴィロ様、私はここにいると目立ちすぎます、あなたの安全のため、ここを離れます。」
ヴェロシアはうなずき、テミスを見て言った。
「お腹は空いていないのですか?」
「もう十分に頂きました、ご配慮ありがとうございます、では、失礼します。」
そう言って彼は展望区へ向かう、他の人々の視線も引き揚げられ、再びそれぞれの話に戻る、何しろこの騒動の主役が去ったのだ、ずっと他人を凝視するのは、非常に無礼な行為だからだ。
月明かりはとても美しく、海面には月の影が映っている、五十隻を超える船が海の上で静かに揺れ、まるで銀河を航行しているかのようだ、波の唸り声以外には、一切の雑音もない。
船の上では、キュウプと水夫たちを除いて、全ての人がとっくに夢の中にいた、レオンの部屋では、彼はベッドに寄りかかり、ガラスの向こうの月明かりと無数のさざ波立つ海面を見つめている。
ジャスミンは別のベッドで眠っている、月明かりが彼女の横顔に降り注ぎ、とても神聖に見える、長い時間が過ぎ、彼女は朦朧とした目を開け、体を起こしてレオンの方を見る。
「レオン様……こんなに遅くまで、お休みにならないのですか?」
「ただ、天気が変わると思ってね。」
レオンは軽く笑い、ジャスミンを見ずに、月のそばにゆっくりと漂ってくる暗雲を見つめている、ジャスミンはそれに気づき、少し好奇心を抱いた。
「レオン様、あなたの言う意味は? もしかして危険があるということですか?」
「今はしっかり休んでいなさい、今は何の変化もないように見えるが、雨が上がれば分かる。」
レオンはジャスミンを見て、その顔の温かさはとても親しみやすい、彼は静かにベッドに横たわり、目を閉じる、ジャスミンは少し疑問に思ったが、窓の外の月を一瞥し、その後再びベッドに横たわって休息を続けた。
ポツリ、ポツリ……糸のように細い小雨が、船に滴り始める、キュウプは雨の到来を察知し、その眉はひそめられた、他の水夫たちも理解はしていなかったが、不安を感じていた。
キュウプは舵に手を叩きつけ、その表情は複雑に歪んでいた。
「くそっ、出発前にわざわざ天気を確認したのに、まさか来るとは思わなかった、せめて雨が強くなりませんように、さもなければ……」
天気は彼の願いには応えなかった、パタパタと、雨音はますます大きくなる、雲の中から突然鈍い雷鳴が響き、空が打ち砕かれそうなほどに震え、多くの眠っていた人々を驚かせた。
「何があったんだ?」
「雨が降り出したみたいだ、大丈夫、船の中だし、安全だろう。」
「この大雨は怖いな、竜鰐の群れが襲ってきやしないか……」
「大丈夫だろう、奴らが竜鰐の繁殖期に船を出しているってことは、安全な航路を知っているはずだ。」
人々は船の中で互いに話し合い、窓の外でますます激しくなる雨粒がガラスを叩くのを見つめる、窓越しでも、吹き荒れる風の音が聞こえてくるようだ。
ドン! 雷が海面を撃ち、巨大な爆音を響かせる、全ての人の心はますます不安になる、そんな雰囲気の中、眠気が徐々に彼らの意識を蝕んでいく。
結局、船室内の重苦しい雰囲気は再び静寂に包まれた、ほとんどの人は再び夢の中へ落ちていき、ごく一部の者だけが恐怖のために一晩中目を閉じることができなかった。
朝、陽光はいつものように海面から昇ってはこなかった、ただ灰色の空が絶えず小雨を降らせている、雨が海面に落ちる音はほとんど聞こえず、甲板を打つ時にのみ、サラサラという軽い音を立てる。
食堂では、ほとんどの冒険者、貴族、そして学生たちが食事をとっていた、今日は曲が変わったようで、音楽にはゆったりとした安らぎの感覚が漂っている、雨の日の重苦しさがあっても、曲を聴けば心もリラックスできる。
ナイフとフォークが触れ合う軽い音、時折交わされる低い会話、熱いコーヒーで手を温める者、ゆっくりとパンを切る者、椅子の背に寄りかかって窓の外の灰色の海面をぼんやりと眺める者。
展望区、甲板にはほとんど誰も留まっていなかった、何しろ雨の日に景色を見ようとする者などいない、ジャスミンは展望区の扉をそっと押し開け、レオンは足を踏み出す、ジャスミンは彼のそばに付き添い、手に傘を差してレオンの雨を防ぐ。
レオンの視線は、四人の招かれざる客に注がれた、特に、執事に傘を差されている少女だ、彼女の柔らかな輝く金髪はとても目立つ、少女は羊毛のケープを羽織っており、今は海面を見つめながら話し込んでいる。
レオンの視線に気づいたのか、少女は微かに振り返って見る、ローとベランド、テミスも少女の動作に従って振り返った。
ローはジャスミンを一目見て、ひそめていた眉が少し緩む、一方テミスは、ジャスミンを一目見た瞬間、彫像のように微動だにしなくなった。
ヴェロシアの薄紫色の瞳に、レオンとジャスミンの姿が映る、彼女はレオンを認識した、薪火の街で以前に一度会った少年だ、彼女とレオンは再び互いにうなずいて挨拶を交わした後、何も言わず、再び海面に向き直った。
テミスの異変を感じ取り、ベランドは軽くテミスの肩を叩き、仕方なさそうに首を振る、まさかあの銀髪の少女が、あの子供の従者だったとは、レオンの穏やかな様子は、この少女と本当によく似ている。
テミスがジャスミンを見る、ジャスミンも彼に気づいた、彼はジャスミンに手を振るが、ジャスミンは全く挨拶をするつもりはない。
何しろこの態度の軽薄な男を、ジャスミンはひどく嫌っていた、レオンはテミスを見て、その後ジャスミンに視線を移し、疑問を含んだ口調で言った。
「彼と知り合いなのか?」
ジャスミンは首を振り、その口調はやむを得なさに満ちていた。
「レオン様、昨日彼がティロ、ノエロア、そして私に声をかけてきたのです、ですが、その態度があまりに軽薄で、私たちは非常に不快に感じました。」
「なるほど。」
レオンはそのまま別の方向へ歩いていく、ジャスミンは彼の側に付き添う、テミスは未練がましく視線を引き揚げる、彼は受け入れがたい気持ちだった、自分の好きな少女が、他の男のために傘を差しているのを見て、心がとても辛かった。
彼はまだ一人前の男ではなく、ただの少年だったが、それでもファムヤに殴られるよりも辛いと感じた、恋愛をしたことはなかったが、それでも同じようなものだと思った、何しろあの酸っぱくて悔しい感情は、確かに実感できるものだったからだ。
ジャスミンはレオンのそばに立つ、海風が彼女の鬢の碎け毛を吹き上げる、彼女は碎け毛を耳の後ろに掛け、果てしなく広がる海、暗雲立ち込める空を見つめ、最後にレオンに視線を落とす、彼の表情は見えない。
「レオン様、昨晩あなたがおっしゃったあの言葉は、一体どういう意味だったのですか?」
レオンは目の冷淡さを収め、振り返ってジャスミンを見る、その口調は安定していた。
「君はいくつかの細かいことに気づいていたか? 船に乗った時、異様な香りを嗅がなかったか? そして今はもうその香りがしないだろう?」
「それは気づいていましたが、気にしていませんでした、でも……レオン様……それは今話していることと関係があるのですか?」
ジャスミンは少し疑問に思う、彼女も船に乗った時、確かに異様な香りを嗅いだ、しかし、それは単に船に元々ついている香りだと思っていた。
「ああ、もちろん関係がある、合理的な説明をしてやろう、例えば……仮定の話をしよう。」
「もし君が同業者と競争していて、もっと多くの金を稼ぎたい、同業者を抑え込みたいと思ったら、どうする?」
レオンはジャスミンの目を見て、口元に微かな笑みを浮かべる、ジャスミンは少しためらい、目を細めてしばらく考え込む、心の中の考えは少し確信が持てず、少女はためらいながら探るように言った。
「私はおそらく、彼らよりも安い値段を設定するか、あるいは……彼らが海に出られなくする方法を選ぶと思います。」
「そうだ、彼らを運行できなくするんだ、覚えているか、私たちが話したこと、竜鰐の群れが早期に発情したこと、そして法則級の竜鰐のことだ。」
「君は思わないか? 彼らはなぜ航行を続けられ、しかも船賃を吊り上げることができるのか?」
レオンのこれらの問いによって、ジャスミンは完全に彼の意味を理解した、心には驚きと敬服が湧き上がる、しかし、それが唯一の可能性だった、レオンは続けて手すりに手を掛け、淡々とした口調で言った。
「準備をしておけ、あの異様な香りは雨で洗い流された、竜鰐は……いつ船団を襲撃してもおかしくない。」
そして、この静かで平和な雨中にあって、船が突然急停止した、強い慣性が船全体を揺さぶる、しばらくして、船団全体の船が動きを止めた、まるで静かな木の葉が水面に浮かんでいるかのように、全くの無動となる。
食堂区の貴族、冒険者、学生たちは、この不意の急停止により、大多数が何の準備もなく地面に倒れた、彼らの口調は怒り、疑問、そして不安に満ちていた。
「どうしたんだ? なんで突然音楽まで止んだんだ?」
「痛ってえな、急に止まるなら一言言えよ!」
「何があったんだ? まさか危険が……」
誰かが慌てて展望区へ走り、細かい雨が降り続く甲板を見つめ、海面を観察する、ヴェロシアも危うく転びかけたが、ローに軽く支えられた、ベランドとテミスは事態の重大性を感じ取り、ヴェロシアに視線を向けるが、何かを言いかけては止めた。
キュウプは船底の観察口にうつ伏せになり、暗い海水を通して目を凝らす、彼は無数の密集した黒い影が深海から浮上し、船団の方向に向かってくるのを目撃した。
キュウプの唇は紫色に変色し、口元が思わず痙攣する、その声は、見えない大きな手で首を絞められているかのように、一言一言が苦しそうに絞り出された。
「くそっ……奴らが……来やがった!」




