学院編:第十六話:ゲームの始まり
落日に染まる薪火の街は、ひときわ美しかった。夕陽が炎のように街全体に降り注ぎ、空の雲は燃えるように赤く染まった、時折、街の上空を数頭の飛竜が横切り、雲間から一声鳴き声を上げる、その鱗に光が映り込み、すべてが童話の一場面のような光景だった。
城壁の頂上では、巡回する聖騎士たちの鎧が血のように赤く染まり、城門の前を行き交う人々や聖騎士たちも、燃えるような残照を身にまとっていた、これが薪火の街——炎のように美しく、炎のように情熱的な街だった。
道端の草地や石畳の植え込みには、数メートルおきに奇妙な植物が生えていた、それらは日中、球状の硬い殻に縮こまり、まるで道端の石ころのように目立たない。
しかし、黄昏の太陽が完全に海面に沈む時、殻の頂上が開き始める、人々はカカッという音を聞くことができ、殻全体がゆっくりと外側に反り返り、うつむいた花苞が現れる、花苞はさらに上へと伸びていく。
五メートルほどの高さに達して止まると、金色の花びらが外側に開き、頭部の花苞は微かに下に曲がる、暖かな黄色の光が花びらの内側からあふれ出し、周囲の道路や人々を照らし、空気中には独特の花の香りが漂う。
それは街中で一斉に灯る、埠頭から主要道路に沿って、統領署のある丘の斜面にまで及ぶ、この街の至る所に存在し、人々はそれを「路灯花」と呼ぶ、その見た目がまさに灯りのように見えるからだ。
ジャスミンは包装されたデザートを手に、路灯花の下に立っていた、彼女は微かに額を上げて花びらを見上げる、暖かな光が彼女の髪を金色に染め上げる、彼女は路灯花が開花する過程を最初から最後まで見届け、その眼底には驚きが満ちていた、その時、聞き覚えのある声が耳に届き、彼女は振り返った。
「ジャスミンさん! やっと見つけました!」
「疲……疲れたよ……なんで俺も付き合わされなきゃいけないんだ……」
ティーロが遠くに立ち、馬車はある場所に停めてあった、その後ろにはノエロアがおり、不満げな小さな顔を赤らめていた、彼女はティーロのそばに立ち、二人は両手を腰に当て、顔には疲れと、彼女を見つけた安堵の表情が浮かんでいた。
ジャスミンは歩み寄り、二人の前に立って、好奇心を込めた口調で尋ねた。
「ティーロ姐さん、ノエロア、どうして来たの? 他の人たちは?」
ティーロは一息ついてジャスミンを見ると、手を上げて顔の前であおぎながら説明した。
「他の者たちは宿屋に泊めるように手配したわ、レオンに埠頭のことを話したくてね、案内してもらってもいいかしら?」
「もちろん構いませんよ、でもその前に、ここで少し休んでいったらどうですか? お二人ともとても疲れているようですから。」
ジャスミンは頷き、ティーロとノエロアを隣のベンチに座らせて休ませた、彼女は空間魔法のポケットから未開封の牛乳を二本取り出し、手を上げて二人の前に差し出した、二人はそれを受け取ると、すぐに感謝の言葉を述べた。
「ありがとう。」
「どういたしまして、お二人にはそれが必要ですから。」
ジャスミンは頷いた、ティーロとノエロアが牛乳を飲み、さらにしばらく休んで、体の疲れがようやく取れたのを見計らって、ジャスミンは二人を連れてパルティ酒場へと向かった……
パルティ酒場の三階の部屋の中で、レオンは窓の外の景色を見つめていた、着替えたばかりの普段着はとても清潔だった、彼は酒場から借りた魔獣理論の本を閉じ、指先でそっと本の角を撫でた。
その眼底は深く暗く、いつでも人を飲み込まんとする深渊のようだった、顔には無表情で、すべてのものを見渡していた、埠頭の方角から、街の全景、そして最後に統領署へと視線が留まった。
「ふん……この程度の小賢しさか……」
部屋の廊下から三つの足音が聞こえてくる、レオンの眼底の深淵は平静に変わり、顔には淡い笑みが浮かんだ、彼は再び本を手に取り、書卓の前に座って読み始めた。
「まだお部屋にいらっしゃいますか? レオン様?」
トントンと八号室の扉が鳴らされ、ジャスミンの声が扉の外から聞こえてくる、レオンは手にした本をめくりながら、振り返らずに、まるで本を読んでいるかのような口調で答えた。
「お入り。」
扉が開かれ、ジャスミンが包装されたデザートを手に扉の外に立っていた、その後ろからノエロアが顔を覗かせていた。
椅子が軋み、レオンが体勢を変えた音がする。彼は手にした本をそっと置き、振り返って入り口のジャスミンを見た、そしてティーロとノエロアを認めると、子供らしい疑問を含んだ口調で言った。
「ジャスミン、どうだった? ティーロ? どうして来たんだ?」
ノエロアがレオンに手を振る、レオンは微かに頷き、それからジャスミンとティーロを見た、ティーロは安堵の息をつき、顔にはあの草原の夜に見せた豪快な笑顔が再び浮かんでいた。
「ははは、レオン、まさか本当にそんなに本が好きだったとはね。」
「私のところにも魔法理論の本が何冊かあるわ、明日、持ってきてあげる。」
そう言って、ティーロの口調は真剣なものに変わり、彼女はレオンを見つめて眉をひそめ、いくらかのためらいを帯びて言った。
「でも……あなたに話したいことがあるの、あの……」
レオンは手を上げてティーロの言葉を遮った。彼は椅子から立ち上がり、ゆっくりとティーロの前に歩み寄り、その口調は温和だった。
「お二人はまだ食事を取っていないでしょう? ちょうど私もまだです、階下で食事でもしませんか? 食べ終わってから話しましょう?」
パルティ酒場の一階で、レオンたちは空いている席を見つけて腰を下ろした、猫耳の少女ミアがフロントに立っており、今夜は彼女の当番だった、彼女は朝と同じく自信に満ちた様子で、レオンとジャスミン、そして彼女が見たことのない二人の客が座るのを認めた。
彼女は迷わずメニューを手に取り、レオンの前に歩み寄り、顔に温和な微笑みを浮かべた3その猫耳が時折ピクピクと動き、背後にある猫の尾も揺れていた、とても楽しそうに見えた。
「お客様、こんばんは、ご注文はお決まりですか?」
レオンはティーロを一瞥し、手を上げてメニューをティーロの方へと押しやった。
「あなたとノエロアはお客様だ、今日の食事は私とジャスミンがご馳走する。」
「本当にいいのか? レオン? ジャスミンさん?」
「ははは、それじゃあ遠慮なくいただくわ。」
ティーロとノエロアは頷き、笑顔が次第に輝いていく、彼女たちはレオンの言葉を断ることなく、メニューを見ていくつかの料理を選び、大杯の麦芽酒を二杯注文すると、メニューをレオンに戻した、レオンもいくつかの料理を注文し、メニューをミアに手渡した。
「かしこまりました、お客様、少々お待ちください、料理人に伝えて参ります。」
ティーロは椅子に寄りかかり、周りの賑やかな人々を見渡しながら、指先で机を軽く叩き、豪快にレオンと雑談を交わした、その様子に隣の客たちが振り返って彼女たちを見る、心の中は疑問で満ちていた。
どうして異国の美人が、こんなに大ざっぱな態度なんだ? まるで男みたいだ! そしてあの貴族の少年は一体何者なんだ? 三人もの美女が彼を取り囲んでいる?
ノエロアは足を地面すれすれの位置で軽く揺らしながら、片手で頬を支え、静かに二人の会話を聞いていた、ジャスミンは口を押さえてそっと笑い、包装されたデザートを机の上に置いた、レオンの視線が箱に向けられ、少し疑問を含んだ口調で言った。
「それは何だ?」
ティーロとノエロアも興味深そうに箱を見つめる、ジャスミンは包装を開け、ケーキとコーヒーの香りが漂い出す、彼女たちの前に現れたのは、二つのデザートと、しっかりと密封されたクリームコーヒーだった、彼女は少し申し訳なさそうに説明した。
「これは午後、外出した時に買ったものです、でも、あなた方が来るとは知らなかったので、お二人の分は用意していません。」
「気にするな。」
レオンの声が彼女の耳に響く、彼はクリームケーキをそっとノエロアの方へ押しやり、フラン菓子をティーロに差し出し、最後にクリームコーヒーをジャスミンの手に置いた、口元には温和な笑みが浮かんでいた。
「これで問題ない。」
ティーロはレオンの笑顔を見つめ、その眼底の奥に一瞬の驚きが走った、目の前の十二歳の少年は、彼女と初めて会った時から、その行動に神秘性が満ちていた、そして今、その異様な感覚はさらに強くなっていた。
なぜなら彼女は感じ取っていた、自分の内面世界がすべてレオンに見透かされていることを、最初の計算高い考えも、彼女の趣味も、そして彼女がこれから話そうとしていることも。
彼女は十分に賢く、人心を理解しているからこそ、表面上はその考えを口に出さない、ただ心の中は諦めの念で満ちていた。
「この少年……本当に恐ろしいわ……」
「うん~美味しい! このクリームケーキ、ずっと食べたかったんだ!」
ノエロアは箱に付属の木のスプーンを手に取り、そっとクリームをすくって口に含む、顔は満足げな表情に包まれていた、ジャスミンはコーヒーを手に取り一口飲み、振り返ってレオンを見た。
「ありがとうございます、レオン様……」
レオンはティーロを見つめ、疑問を込めた口調で言った、最後の四文字は音を引き伸ばしていた。
「どうしたんだ? ティーロ? 口に合わなかったのか? それとも……何か理由があるのか?」
「ははは、い、いや、私もずっとフラン菓子が食べたかったんだ、そういえば、もう一年も味わってなかったな。」
ティーロの笑い声に変化はなく、顔には相変わらずあの大ざっぱな様子が浮かんでいた、そう言うと、彼女は翡翠のように透き通った菓子を手に取り、口に運んだ。
柔らかな菓子が口の中で溶け、甘い香りが味蕾から口腔全体に広がっていく、しかし彼女はそれでも、心の中は苦さで満ちているのを感じていた……
統領署の広い食堂には、また別の景色が広がっていた、長机が部屋の中央に横たわり、机の上は赤い布で覆われ、中央には装飾用の花と燭台が置かれていた、燭台の上の青い蝋燭が光を放ち、机は非常に大きく、二十人が十分に座れるほどだった。
しかし今、六人だけが席に着いていた、ファムヤが主位に座り、ヴィロシアとヴィオラが左側に、ベランド、テミス、ロウが右側に座っていた。
天井には鉄製の燭台が吊るされ、蝋燭の火は絶えず揺れていたが、溶ける気配は微塵もなかった、壁の油絵は距離が遠すぎてはっきりとは見えず、炎と竜の翼の輪郭だけがかろうじて識別できた。
彼らの前には様々な美味しい料理が並び、一杯の赤ワインがそれぞれの右手に置かれていた、皆が静かに味わっていた、ファムヤはナイフとフォークを手に取り、焼き鹿肉を切り分けて口に運び、咀嚼した。
ただベランドの前の料理だけはほとんど手つかずで、彼はただ少量の赤ワインをちびちびと飲んでいるだけだった、テミスはとても真剣に食べていたが、大きな音を立てることは避けていた、彼は酒を飲む計画が完全に頓挫したことを理解していた。
誰も話さず、燭台の火だけが時折跳ね、壁に揺れる影を投げかけていた、空気は凍りついたかのようだった、ファムヤはナイフとフォークを置き、手巾で口を拭き、ベランドとテミスを見つめ、厳しい口調で言った。
「私が頼んだ件はどうなった?」
ベランドは酒を飲む手を止め、テミスは咀嚼を止めた、二人は一瞬視線を交わし、それからファムヤを見て、やや震えた声で言った。
「完了しました、しかし、船主が……お金は結構ですと、これは……あなたへの心ばかりの贈り物だと。」
「はい、心ばかりのものです。」
そう言って、ベランドは空間魔法を使用し、手をその中に差し入れて、二枚の船券を取り出した、それには商会専用の印が刻印されていた。
ファムヤは寄り添って座る娘とヴィロシアを見た、二人の顔には微笑みが浮かんでいた、ヴィオラが切り分けたステーキをヴィロシアの皿に置き、ヴィロシアも切り分けた果物を娘の皿に置く。
彼は食卓ナイフを撫でながら、目の前の灯火が揺れる中、その眼底には思索の色が浮かんでいた。
「心ばかりのもの? ふん……この人物は面白い。」
「よろしい、お前たち二人は明日、ヴィロシア殿下を護送しろ、龍鰐の群れの件は、お前たちが戻ってきてから改めて話す。」
「承知しました、ファムヤ様。」
「問題ありません、ファムヤ様。」
ベランドとテミスはファムヤの言葉を聞いて、すぐに承諾した、しかし彼の話し方を聞いていると、兄弟二人は全身が震え、背中から冷や汗が絶えず滲み出るのを感じた。
ヴィロシアはファムヤの言葉を聞いて、心緒が複雑になった、龍鰐の件で本来彼は手が離せないはずなのに、今またベランドとテミスに自分の護送をさせるとは、彼女はロウと視線を交わし、その表情にはいくらかの困惑の色が浮かんでいた。
「ファムヤ叔父様、これはあまりにもあなたや彼らにご迷惑をおかけするのでは?」
「い、いえ……迷惑ではありません、これは私たちの務めです。」
「そうです、王女殿下、あなたの護送は私たちの光栄です!」
ベランドは首を振り、テミスは慌てて説明した、彼らはファムヤが口を開く機会を与えなかった、なぜなら、彼が口を開けば、どんな死に方をするか分からないからだ。
「うん……安心してください、ヴィロシアお姉ちゃん、ベランドお兄ちゃんとテミスお兄ちゃんはとても強いんです、ロウおじさまも一緒なら、あなたは絶対に安全です!」
ヴィオラは果物を口に入れて咀嚼しながら、少し言葉が不明瞭だったが、ベランドに対する自信に満ちたその目には、一片の疑いもなかった。
ヴィロシアは頷き、ベランドから船券を受け取り、赤ワインのグラスを掲げてファムヤや他の人々に乾杯の意を示し、それからそっと一口含んだ、顔にはすぐに赤みが差した。
ファムヤはヴィオラに気遣いの目を向ける、少女は父親の意図を理解し、ヴィロシアの手から赤ワインを取り上げ、まるで小さな大人のような口調で言った。
「ヴィロシアお姉ちゃん、ワインはやめておいたほうがいいよ、もっとジュースを飲んだほうがいいよ。」
それから彼女は隣の銀製の水差しを手に取り、ヴィロシアのためにリンゴジュースを一杯注いだ、甘酸っぱいリンゴの香りが少女の前に漂う、ロウはヴィオラの振る舞いを見て、その目には認める色が満ちていた。
「ヴィオラは、将来きっと非常に優れた女性になるだろう。」
冷たい雰囲気は打ち破られ、空気は活気づき始めた、いつも沈黙を好むロウでさえも、言葉が多くなった、ベランドはフォークでステーキを刺して一口かじる、味は良く、彼の心の中の石はようやく落ちた、明日の出海にも好奇心が湧いていた。
テミスは相変わらずうつむいて皿の上の料理を食べていたが、時折ロウと数言交わす程度だった、いつも美女を見るのが好きな彼だが、ヴィロシアの前ではとてもおとなしかった。
彼は王女殿下を褒めることなどできなかったし、ましてや少女を一目見ることすらできなかった、たとえ彼女がリリンよりも美しくても、彼にはできなかったし、言うこともなかった、もしそんなことをすれば、ファムヤが即刻彼の足をへし折り、ゴミのように統領署の外に放り出すだろうと信じていた。
ヴィロシアはリンゴジュースを味わう、甘酸っぱい味が彼女はとても気に入った、ヴィオラは頬を手に乗せ、時折こっそりとベランドを盗み見しては、忙しいふりを装った。しかし、これらのすべてはファムヤの目を逃れることはできなかった。
彼はただ頭が痛いと感じ、ベランドを見る表情はさらに複雑になった、ただロウだけが手にした赤ワインを揺らしながら、壁の油絵を見つめていた、同じ光景でも、一人ひとりの心は異なっていた。




