学院編:第十一話:ガレンモの商人
「うまい! まさかこんなに料理が上手いとは思わなかったよ、大好きだ!」
「やっぱり、仕事の後に一杯の麦酒を飲むのは、最高に気持ちいいな!」
男たちは地面が汚れていることなど気にせず、その場に直接座り込んだ、麦酒を一杯飲み干し、最初の一口を味わうと、思わず感嘆の声が漏れる、女たちは人目のつかない静かな場所を選んで味わっていた、穏やかで、調和が取れていた。
「ははは、ありがたく味わえよ、俺の妻の料理は一流なんだ、かつてはソロ城一番の料理人と呼ばれていたんだぞ!」
ジェロは声を上げて大笑いし、その口調は豪快で、一切の衒いがなかった、アイリーナは額に手を当てて呆れる、夫のこの様子に頭を悩ませながらも、その目に溢れる光彩を見て、口元に再び笑みが浮かんだ。
「バカね。」
食事を終えた後、多くの者は涼しい場所を探して休息を取り、またある者はアイリーナたちの食器洗いを手伝いに行った、忙しくはあったが、彼女たちの顔に少しの嫌な顔も見られなかった。
大きく崩れた教会の中で、ルットは壁に寄りかかっていた、ハンナは彼の隣に座り、静かに彼の冒険譚に耳を傾けていた、二人は語り合う雰囲気に浸っていた。
そこへ澄んだ足音が響き、誰かが教会に入ってこようとしていた、ハンナは服の埃を軽く払い、ゆっくりと立ち上がった、やって来たのはエノートだった、彼の表情は厳しく、ハンナに軽く頷いた、少女はその意を汲み取り、黙って扉の外へと向かった。
しかし、扉を完全に閉めようとしたその時、両手で彼女は引き止められた、ハンナは驚き、反射的に魔力を発動しようとしたが、その手の主に魔力を封じられ、無理やり教会の角へと連れて行かれた。
角に引きずり込まれると、身体の封じはゆっくりと解けた、彼女は相手の顔を確認し、怪訝な表情を浮かべた、彼女を封じたのは、まさにリンガだった、彼の隣には一人の青年聖騎士がしゃがみ込んでおり、その顔には「俺は関係ない、通りすがりだ」という様子が浮かんでいた。
「あなた……!」
ハンナはリンガを睨みつけ、口を開きかけたが、リンガに慌てて人差し指を少女の唇の前に立てられた、彼の表情は慌てていた。
「しっ!」
「大きな声を出すなよ、ハンナ。まさかエノートとルットが何を話すのか、気にならないのか?」
ハンナは首を振り、そのことには全く興味がなかった、少女の様子を見て、リンガは仕方なさそうに苦笑いを浮かべ、さらに声を潜めて説得を続けた。
「いい娘だ、考えてもみろ、もしかすると、すごく大事な話かもしれないぞ? 例えば、ルットと聖騎士団の将来に関わることとか?」
ハンナは少し呆け、心の中にも好奇心が湧き上がった、少し考えてから言った。
「それは……」
「おいおい、迷ってる暇はないぞ、聞き逃したら終わりだ。」
リンガは二人を引き連れて、慎重に教会の扉の前に這いつくばった、扉の隙間からは中の様子は見えなかった。
そこでリンガは名案を思いつき、耳を扉に当てた、カイとハンナもそれを見て、こっそりと耳を扉の隙間に当て、エノートとルットの会話を盗み聞きしようとした、陽光が三人の上に降り注ぎ、すべては堂々としているように見えたが、その動作はひどく滑稽だった。
教会の中で、ルットとエノートは向かい合っていた、彼は言いかけては止め、最終的にため息をついて言った。
「ルット殿、今の状況はあなたもご覧の通りです、我々の町はほぼ廃墟と化しています。」
「たとえすべての人手を合わせても足りません、今残っている冒険者と聖騎士は合わせて百数十人、我々には強力な戦力が急務です。」
「もし可能なら、あなたを聖騎士に勧誘したいと思います、最高の待遇を約束します。」
ルットはエノートの言葉を聞き、その顔はすっかり納得した様子だった、彼はとっくに察していたのだ、長年外を渡り歩く冒険者としての鋭い直感がそう告げていた、彼は地面に視線を落とし、土の匂いが鼻先を満たす中、思索に沈んだ。
教会の外では、三人の心中に驚きと震撼が広がっていた、これは単なる勧誘ではない、もし成功すれば、ソロ城に初めての法則の強者が誕生することになる。
リンガはエノートの言葉を聞いて、さらに注意を集中させ、無意識にカイを脇に押しやった、カイは嫌そうに避け、体をさらに低くして耳をより近づけた、ハンナは緊張して指を握りしめ、ルットの反応を待っていた、三人の心中はそれぞれ異なっていた。
しばらくの間、教会内は静寂に包まれ、時折頭上から鳩の鳴き声が聞こえてくるだけで、雰囲気をいくぶん和らげていた、ルットが再び目を上げた時、その口調には誠実さが滲んでいた。
「申し訳ありません、聖騎士には加われません、私の旅はまだ終わっていないのです、私はセムールの者ではありません、故郷はガルーン砂漠にあり、家族もそこにいます。」
「ただし、ソロ城にはしばらく滞在し、皆さんが困難を乗り越えられるよう、最大限の助力を提供します。」
「そうでしたか……あなたのお気持ちは分かりました。」
エノートはルットの言葉を聞き、苦い笑みを浮かべた、心の中に引っかかっていた石がようやく落ち、全身の力が抜けた、彼がルットの決断を妨げることはできなかった、それは他人の選択だからだ。
教会の外で、リンガは振り返って壁に寄りかかった、その眼底には認める色が浮かんでいた、ルットに対するさらなる賞賛と、彼の助力に対する同意の念だった、ただハンナとカイの二人だけがいくぶん残念に思ったが、彼らもルットの選択を完全に尊重していた。
ルットとエノートの話し声が再び教会内に響き始めたが、三人にはもはや聞き続ける欲望はなかった、それで十分だった、真の答えは既に明らかになったのだから……
一方、高壁の缺口の下では、あの喧騒と荒廃した町は、距離によって引き伸ばされ、ぼやけた背景と化していた。
レオンは静かに視線を戻した、まるで自分には関係のない芝居を一つ見終えたかのように、彼はゆっくりと立ち上がり、背筋を伸ばし、目の端に一抹の感情の無さを漂わせた。
レオンは一片の留まることなく、振り返って馬車へと向かった、ジャスミンは微笑みを浮かべ、既に静かに傍らに立っていた。
「行こう。」
「はい、レオン様。」
車輪が砂利を碾き、サラサラという摩擦音を立てる、ジャスミンは馬車を操り、ソロ城を迂回し、地平線の弧光へと向かって走り出した、来た時の狭い小道に比べ、今の道は格段に広く、視界は果てしなく広がっていた。
レオンは窓に寄りかかり、外を見た、果てしない原野は、枯燥で退屈だった、彼は視線を戻し、手にした書物のページを開き、再び魔法理論の世界に没頭した。
旅はどうしても退屈なものだ、時間はあっという間に過ぎ、移動の途中では、ジャスミンでさえも眠気を覚え、手綱を握る手が幾分緩み、何度も船を漕いでいた。
レオンは書物を置き、顔を上げて空の太陽を一瞥し、穏やかな声で言った。
「少し休め、ジャスミン、お前の様子が良くない。」
連日の魔力消費が多すぎて、彼女でも回復は難しかった、加えてこのところの移動で、彼女はあまりに眠かった、抗いがたい感覚だった。
ジャスミンはその言葉に、そっと手綱を引き締めた、馬車はゆっくりと止まり、彼女は振り返ってレオンを一目見て、頷いた、その後、御者台に横たわり、呼吸は次第に穏やかで長くなっていった。
ただし、その赤い瞳を閉じる前に、彼女はレオンに感知魔法をかけた、もしレオンを傷つける脅威があれば、即座に彼の元へ駆けつけられるように。
レオンは周囲を歩きながら観察し、次第にジャスミンから離れていった、彼は小高い土手の上に立ち、顔を上げて草原の果てにある一抹の青を見つめた、それはまるで小さな青色の宝石のようだった。
そこは海だった、青い海は果てしなく見えた、彼は以前、書物で知っていた、セムールという平原帝国は、こんなにも奇妙な国なのだと。
広大な土地を持ちながら、山脈や河川といった特徴的な自然景観に乏しい、唯一の特色は、蜘蛛の巣のように広がる裂谷の海脈であり、無数の水路が平原の奥から葉脈のように広がり、幹線に合流して各国と絶望の海を結んでいる。
最終的にそれらはすべて国土の中央にあるあの青い海に集まり、王都はその海の上に立っている、名実ともに水上都市である。
遠くから一陣の馬蹄の音が聞こえてくる、レオンは視線を戻し、来た者を見た、それは一隊の商人で、数十人はいるように見えた、彼らは馬を引き、車体は黒い布で隙間なく覆われており、どんな商品かは全く見えなかった。
先頭に立つ女性の商人とその仲間たちは、茶色の長袍を身にまとい、淡い金色の長い巻き毛が風に揺れていた、肌は小麦色で、それは長年の風雨に晒された結果だったが、五感は非常に精緻だった。
彼女が馬から飛び降りる時、手にしていた使い古された帳簿と旅行用の地図を、一気に隣の長髪の男の手に押し込み、小声で何かを言い置いてから、レオンの方へと歩いてきた。
彼女は草原に立つ少年を見た、その表情には一片の動揺もなく、いかなる感情も浮かんでいなかった、その黒い長袍、衣服の精緻さ、そして裾の中央に施された淡い暗銀色の紋様、彼女はその紋様を知っていた、カタリ貴族学院の証明だった。
彼女の足取りが微かに止まり、琥珀色の瞳孔がわずかに縮まった、それは恐怖ではなく、豊かな経験を持つ者がリスクを評価する際の本能的な反応だった。
「子供? どうしてこんな場所に?」
彼女の視線は動じることなくレオンの全身を走査した、特に手のひらには、長剣を握っていたためにできたと思われる薄いタコが残っていた、明らかに、これらは護衛のいる貴族の坊ちゃんに備わるべきものではなかった。
レオンは少し考え、顔に微笑みを浮かべた。
「こんにちは、私の名前は、レオンと言います。」
彼女は心の中の違和感を押し殺した、おそらくどこかの貴族が幼い頃から技術を磨かせている子だろうと判断し、口調は穏やかだったが、いくらか疑問が混じっていた。
「こんにちは、私はこの商隊の頭領、ティーロです、あなたの装束からすると、どこかの貴族のお子様でしょうね。」
「ですが、あなたの護衛は? こんな広い草原に現れて、魔獣に遭う心配はないのですか?」
レオンは女の目に隠された警戒心を見て取り、首を振って笑った。
「私の従者が休んでいます、すぐ近くです。ですから、その辺りを見て回ろうと思っていたところです。」
「なるほど。」
ティーロは安堵の息をつき、警戒心をいくぶんか緩めた、彼女が最も恐れていたのは、同業者に待ち伏せされることだった、もし一人の子供が原因で商品をすべて略奪されるようなことがあれば、商人を早々に諦めて、実家の政略結婚の道具に戻った方が賢明だろう。
「しかし、あなた方の装束を見ると、セムールの商人ではないようですね。」
レオンはあの茶色の長袍を見た、衣服は清潔だったが、袖口と袍の裾にいくらか破れがあった。独特の訛りと風貌、そして彼女と仲間たちから漂う異国の雰囲気から、一目で違うと見抜いた。
空の果てが次第に赤みを帯び始め、恥ずかしがり屋の娘のように、地平線の縁に向かってゆっくりと沈んでいく、天地はただ一筋の黄金色に染まり、様々な色の光暈が交錯し、何とも幻想的な光景を作り出していた。残照が光暈を通して大地に降り注ぎ、レオンと車隊の上に、そして最後にティーロの顔に落ちた。
その琥珀色の瞳はますます明るくなり、ティーロは頷いた、彼女はレオンの、子供らしいあどけなさが残る顔を見て、口元を緩めた。
「ええ、私は仲間たちとガルーン砂漠から来ました、王都に届ける荷物を運んでいるんです、あなたは?」
「私はカタリに向かっているところです、もうすぐ入学する学生です。」
レオンは袖から一通の手紙を取り出し、半空で軽く揺らした、その封筒の紋様は、彼の裾の中央に施された淡い暗銀色の紋様とまったく同じだった。
レオンの手にある手紙を見て、ティーロの最後の警戒心もようやく解けた、何せカタリの名は、六大帝国の中で唯一、一言一句が千金の重みを持つ存在であり、そんなことを偽造する者など誰もいないからだ。
「でも、もうすぐ暗くなります、ここから一番近い町まではまだ距離があります、よろしければ、あなたの従者もお呼びになって、今夜は私たちと一緒に過ごしませんか? ガルーン砂漠の料理をご馳走しますよ。」
「もしご迷惑でなければ、明日は私たちの商隊と一緒に旅をしませんか? お互いに助け合えますから。」
レオンはティーロの言葉を聞きながら、指先でそっと袖口を撫でた、そして顔を上げ、目元に文句のつけようのない温和な笑みを浮かべて、頷いた。
「それはもちろん問題ありません、お世話になります。」
「安心して私たちに任せてください、ポント、ノエロア、皆、今日はここで野営するぞ! 新しいお客様が二人増えた!」
ティーロは快く頷き、振り返って商隊の全員を見渡し、その口調は豪快だった。
短髪の男ポントは頷いて準備を始め、隣の少女の肩を軽く叩き、面白がっているような顔を浮かべた。
「どうやら今夜は、お前が全力を出さなきゃ、頭領は簡単には許してくれそうにないな、あの貴族の坊ちゃん、一目で金持ちそうだぞ。」
「う~る~さ~い~な~言われなくたって分かってるわよ……」
ノエロアはポントの笑顔を見て、頬を膨らませた、薄緑色の目には一抹の諦めが浮かび、顔中に不満げな様子が満ちていた、それはとても可愛らしく、まるで怒った河豚のようだった。
商隊の他の者たちも次々と動き始めた、調子外れな鼻歌を歌いながらテントの杭を打ち込む者、焚き火を熾してその傍らで王都で買うべき品々を確認する者、馬を導いて緑の草が茂る場所に繋ぎ、ついでに馬の首を軽く叩きながら小声で呟く者もいた。
「食べろよ、腹いっぱいにならなきゃ、明日は力が出ないぞ。」
ノエロアは長い髪をまとめ、頭巾を被り、袖口を捲り上げて白い前腕を露出させた、彼女はまっすぐに食材を保管している車両へと向かい、今夜使うものを探し始めた。
一方、ティーロはポントと地図の前に顔を寄せ、明日の行程について小声で話し合っていた、ポントは時折頷き、たまに指で地図の上をなぞっていた。
ただレオンだけが自分の馬車へと向かった。ジャスミンはまだ御者台で眠っていた、彼女は確かに疲れ切っていたが、足音を聞くと、まぶたがかすかに震え、ゆっくりと開かれた。
彼女はレオンの方を見た、レオンの声には適度な気遣いが込められていた。
「どうだ? 調子は?」
「だいぶ良くなりました、ありがとうございます。」
彼女は体を起こし、軽く頭を振った、何本かの髪の毛が頬に張り付いており、手を上げてそれを耳の後ろに払いのけると、立ち上がって夕食の準備をしようとした。
レオンは手を上げて彼女を制し、顔に微笑みを浮かべた。
「夕食の準備はしなくていい、今夜はガルーン砂漠の料理を味わいに行こう。」




