13話 人参栽培頑張りますっ!
やあやあ、こんにちは。
最近東京から盗ってきた土星の名を冠する負けハードにハマってる主人公ちゃんです。
やりたかったサイコスリラー+ハンティングRPGが出来て大満足してます。
電気は太陽光と裏の小川で小水力発電でまかなってるからもーまんたい。
あ、そういえば、最近の娘はにんじんの葉っぱの形も知らないんだってな。
まあ、仕方ないっちゃ仕方ないのかね?
とまあそんなわけで今日は人参を育てようと思います!
温度がギリギリ? ご都合主義だからいいんだよ。
……えーこほん。夏蒔きの人参なら冬中植えっぱなしにもできるから、冬の貴重な食料にできるんだ。
いろんな料理に使えるし、人参、セロリ、玉ねぎで煮ればいい臭み消しにもなる。今後、鹿とか猪を食べるときにも役立な。
「ねえ、今日はなにするの?」
私が人参の種蒔きの準備をしていると澪がとことことやってきた。
「ん? 今日は人参の種蒔きをしようかな」
「にんじん? 私好きよ」
「ふむ、じゃあ人参は澪に任せようか」
「わかったわ。人参は私に任せて!」
私達が今日用意したのはこれ。
深型プランター
培養土
人参の種
じょうろ
割り箸
「さあ、じゃあやってみようか」
プランターにはすでに土を入れて、水をやってある。
力仕事は私の仕事だからな!
「まずは、割り箸を使って溝を作るんだ」
「こんな感じ?」
「うーん、もうちょっと深くかな? 親指の爪くらいかな。そう、ぎゅっとね」
「できたわ」
「よし、じゃあ種を蒔こう。これもまた親指の爪くらいの間隔でな。小さいから気をつけろよ」
ふふっ。白くてほっそい指が震えちゃって……小さい種に苦戦している澪も可愛いなぁ。
「……これ、疲れるわね」
「うん、まあ慣れれば速くなるよ」
現にほら、私の方は澪が終わる前に終わってたからな。澪より多く蒔いたのに。
「で、次は蒔いた種に軽く土をかける。人参は光がないと芽を出さないから、かけすぎないように注意だ」
「これくらいで平気?」
ほら、と澪がプランターを見せてきた。
覗こうとすると自然と澪との距離が近くなって……いい匂いが。
「あ、う、うん。大丈夫だと思う。そしたら軽く上から押さえる。こうすると水をやったときに種が流れていくのを防げる」
「できたわ。これでおしまい?」
「ああ、最後にたっぷり水をやって終わりだ……ってそんな勢いよくあげたらいかん。種が流れてちゃうだろ。ゆっくりそっとあげるんだ」
よし、終わり!
あとは、本葉が出てきたくらいに間引きをして、それが少し育ったらまた間引きと土寄せと追肥だな。
そうだ。知ってるか? 人参の葉っぱって食べられるんだぜ。
だから、間引いたときに取った人参は美味しくいただこうと思う。
「うーん。今日は早く終わりすぎたな……」
1話2000文字にしたいんだけど、今日はまだ半分しかない。なにしようか……
「そう? でもそうね。お昼にはまだ早いわね」
「あ、いや。こっちの話だ……でも、飯か。うん、じゃあそうしようか」
よし、今日はちょっと凝ったものを作るぞ!
◇◇◇
この前塩漬けにした肉がちょうどいい感じだからな。
今日はそれを使って料理をしたいと思う。
「ねえ、これどこのお肉?」
「タン」
澪がつっついているのは塩漬け——というかソミュール液に漬けたタン。
ソミュール液っていうのはこんな感じ。
水
塩
砂糖
赤ワイン
香辛料
ハーブ
細かい比率は検索してくれ。私達はネット使えないが、諸君らは使えるだろう? 有効活用したまえ。
「というわけで、今日はコーンドタンを食べようと思います」
「わーぱちぱち」
「ありがとう。では、まずは材料から」
材料
塩漬けした牛タン
人参
セロリ
玉ねぎ
ローリエ
黒胡椒
クレソン
ほら、さっき言った臭み消しが出てきたぞ。
人参、セロリ、玉ねぎ。
こいつらを賽の目切りにして煮たのが、フランス料理のソースやスープのベースになるミルポアだな。
まあそんなことはいいんだ。切ったら肉と一緒におっきな鍋にいれる。
で、あとは3時間くらい待つだけだ。
箸がすっと入るくらいにしよう。
「ねえ、これどれくらい煮るの?」
「3時間」
え、と唖然とした顔の澪。
「ふっふっふ、私は昼飯を作るなんて言ってないからな! 叙述トリックだ。騙されたろう?」
うん。コーンドタンは晩飯用。
冷ましたコーンドタンを薄切りにして、マスタードソースで食べたりだとか、わさび醤油で食べたりすると美味い。
ああ、晩飯が楽しみだ……ちょっ、ちょっと待とうか澪君。その手に持っている麺棒はなんだね。頑丈な私だって殴られたら痛いんだからな!
てか、澪が食いしん坊キャラだった、だと……⁉︎




