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転生前が学生の貴族は異世界に何を望むのか  作者: 朝丸
第1章 幼年期編 〜転生先は貴族の三男〜
8/26

8 鑑定じゃない、だと……

 スキルの説明がわかりにくいかもしれません。

 それはある日突然起こった。



 コルン兄さんが王都に行ってから早くも一年と少し。

 魔物図鑑を一通り読み終わって、朝の勉強時間が、外での植物の写生の時間に変わっていた頃のことだった。

 ……算術? 数字覚えるのなんか一日で終わったよ。


 屋敷から少し離れたところにある森の中。特徴的な香りを出す花を咲かせる「ソルベージュ」という木の葉っぱを取り、形を紙に写し終わって木を見上げた時、


 ソルベージュ


 という言葉が頭に浮かんできた。


 何だろこれ、と思って木の根元に座り込んでうとうとしてるクヌギを見ると、


 クヌギ


 という言葉がこれまた浮かんできた。


 ……これはあれか、俗に言う「鑑定」スキルってやつか。

 異世界もののテンプレチートの1つである「鑑定」を独力で身につけてしまったと、そういう事なのか。


「ねぇねぇクヌギ、ちょっと起きてよ」


「ふぁい、なんでしょうか?お絵描きが終わりましたか?」


「いや、まだ花を描いてない……いやそれより、さっきからなんか頭に名前が浮かんでくるんだよ」


「頭に名前? ああ観察スキルですか。またずいぶん早い段階で手に入れましたね」


 …「観察」? 鑑定じゃないのか? いやこの世界では鑑定の事も「観察」と言うのか?

 どうしよ、クヌギに聞こうにも、鑑定の訳が分かんないし、説明の仕方も分かんない。ネット小説の「鑑定」の定義がアバウトすぎてマジ困る。


「観察スキルは自分の知識と経験に基づいて物事を見ることが出来るスキルです。いわゆる称号型スキルに分類されるものですね」


「称号型スキル? なにそれ?」


「えっと、スキルには、大きく分けて2つの種類があるんですよ。片方は自分の成長具合が可視化された称号型スキル。もう一方はスキルを得る事で直接的な恩恵を受ける恩恵型スキルです」


「……イメージが湧かない。その恩恵型スキルにはどんなものがあるんだ?」


「そうですねぇ、有名どころだと鑑定スキルというものがあります。これは見たことのないものの情報さえも読み取る事を可能にするスキルですね……ああ、鑑定は物の価値を見極める、という意味です」


 ……あ、こっちが鑑定スキルだ。ネット小説でよく見たやつだ。


 なんだよ、パチモンじゃねえか観察スキル。多分自分の知ってる知識の範囲内でしか情報が出されないんだろうな。



 話を聞いたところ、どうやら得られる効果によって分類されているらしい。


 恩恵型は神様に目を向けられている個人が与えられるスキルと言われていて、持っているだけで人間の力では到底実現出来ない効果を発揮する、との事だ。

 一方で称号型は、スキルによって得られる効果が恩恵型と比べると地味で、人間の生命活動を便利にする為に神様が与えたスキルなんだとか。


 エリアス王国で最も規模の大きい正教会という宗教組織によって提唱された分類法で、この国だけでなく全世界で共通認識とされているらしい。



 観察スキルは誰もが持っているスキルで、普通6歳くらいで生じるとの事だ。

 ……普通の半分で手に入れてしまったか……まぁいろんな知識詰め込んでるしね。2倍くらい誤差だよ、誤差。


「恩恵型はレベルによる効果が分かりやすく表れるんですが、称号型は個人によってまちまちな事が多いです。同じレベル3の観察スキルでも物の説明文が出る人もいれば、単に名前が表示される対象が多いだけの人もいますね」


 ふむ、レベルとな。あれか、メメ様が11段階とか言ってたやつだな。


 ……あれ? そういえばステータスがあるとも言っていたような。でも今までそんなの聞いたことないけど。

 可視化も出来るって言ってたけどどうやるんだろ……しまった、ステータスの訳が分からない。またか。

 観察スキルのレベルが上がれば見えたりするのかな。


 そう思い、ふと自分の手を見ると、



 ラン・アザレア 3歳 男

 所属:エリアス王国

 人種:人族


 所持スキル:魔力操作LV6 隠蔽LV4 絵描きLV3 観察LV1 生活魔法LV1



 という情報が頭の中に流れこんできた。


「隠蔽ってスキルがあるんだけど、これ何?」


「隠蔽はですね……隠蔽ですか!? えっ、隠蔽ってあの隠蔽ですか?」


「あの隠蔽って言われても……隠蔽レベル4って表示になってるけど」


「隠蔽の……レベル4……」


 ……なんかやばかっただろうか。クヌギの僕を見る目が変わったような……

 隠蔽といえば、ステータス画面の情報を書き換えて他人の目を誤魔化す、そんなイメージがある。


 ……そうかー、誤魔化しちゃってたかー。

 うん、もう一度手を見たら、スキルの欄を「魔力操作LV2」と「絵描きLV1」、そして「観察LV1」だけの表示にしてるのが感覚的に分かった。

 パッシブで発動するのか、隠蔽……


「これは……旦那様に報告しなければ……」


 声を震わせながら僕の手を掴み、早歩きで屋敷へ向かうクヌギ。

 ……こんなに動揺したクヌギ見た事ないよ。

 スキルについて、


 恩恵型は、レベルアップで皆同じ新技を覚える

 称号型は、個人によって覚える新技が違う


 という感じの認識です。


 教会が出した学問的な分類法を、子供に説明するためにクヌギが奮闘してるシーンなのですが、なかなか表現が難しいんです。もっと精進しなければ……

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