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後に「聖龍大戦」と呼ばれる、世界中を巻き込んだ戦争は、これがキッカケで始まりました

「本気にしてるんじゃないわよ。馬鹿龍姫。そんなのヤラセに決まってるでしょ」


龍姫様と聖女が遠距離会話で対話。なのだが


「各国が軍隊を立ち上げておいてヤラセ?転生直後でボケたの?幼女好きの変態に犯されれば正気に戻るんじゃない?」


「人族の軍隊なんて、一万用意してもソレイユ一人止められないのよ。ジュブグラン一人でどう闘うのよ。あなたこそボケたんじゃないの?なんだかんだで60近いでしょ、貴女」


「お前の方が年上だろ、ババア」


なじりあい。


要はですね。聖女が暗殺された事実は消えないと。

じゃあどーする?

ザディアのせいにする?

いや、そうすると、残り少ない文官がヤバい。


なので

「ザディアちゃんはフェルラインとかいう悪魔な龍族に操られたんだよー」

という話にして、悪いのは龍姫様。


なので戦争を行い、ひとまずこの騒動を外部のせいにする。


その間にとにかく国内の混乱を収め、最大の懸案の文官を立て直す。


らしい。


「ヒルハレイズは文官に転向させるの。ジュブグランとダリスグレアしかいないのよ。あと、レンタルでカリスナダ。こんなので闘いになるわけがない。ボケた?」


「宣戦布告したのはそっちだろ、ババア。今すぐ殺しにいくぞ」


「だからヤラセだって言うの。この前だって皇帝暗殺に合わせてあげたでしょ?」


「あれはお前の管理不足だ」

「今回のフェルラインの件がそうでしょう?いくら錯乱したとは言え、まさか殺されるなんて思ってもいなかったわよ」

わたしも思ってませんでしたね。ええ。


「それで、こんな盛大に軍隊用意してどうするんだ」

「戦争ごっこよ。死なない戦争ごっこ」


「アラニアにはソレイユが睨みを効かせている。残りの二国は無防備だ。龍族を配置するぞ」


「ディマンド公国は攻めないわよ」

「遠いからか」

「ええ。そもそも帝国を攻めるのが目的じゃないの。あなたの公国を目指すのよ。ディマンド公国とか遠すぎよ」


「となると」

「ええ。ラマルド公国に集中するわ」



ちょうど約束を果たさないといけなかったので


「ダルジェスト公爵、お待たせしてしまったことをお詫び申し上げます」

「なにを仰る!これだけ!これだけの黄金と、鉄があれば!我が国は救われる!」


公爵はむせび泣いていた。

大量の黄金と製鉄。


「公爵、既にご存知の通り、我が公国に聖女が宣戦布告をしました。この公国を蹂躙しかねない恐れもあります。そのためにも、龍族を配置したいのですが」


「おお!こちらがお願いしたいほどです。本当にありがたい話です。是非よろしくお願い致します!」


「それでは、カレンバレー、サウザントよろしくね」

「まかせてくれ」

「心配しないで」


ここは2人が守る。

ジュブグランとダリスグレアの防御。


ディマンド公国は攻めないと言われているが、誰もいかないわけにはいかない。


そういう工作が得意なマディアクリアが派遣。



そして、私はというと


「ここで攻めずしていつ攻めるのですか!ご決断を!」

「しかし!まだ幼帝!万が一にも!」


帝国は大混乱です。

聖女が死んだ。転生した。でも重鎮が壊滅状態。でも龍姫に宣戦布告。


この濁流のような流れが理解できないようで、皆が混乱しながら議論していた。


「皆様、今回の戦争は私共の話です。責任をもって、我々が対処します。既に彼の聖女に利する国の国境に龍族を配置しております」


「公国への宣戦布告は、我が帝国への宣戦布告!」

まあ実際はそうなんですけど。

話が疲れる。


すると

「我が帝国はまだ大きく動く時期ではありません」

大皇后様が口を開かれる。


「フェルライン、全力で進行を阻止するよう、龍姫に伝えてください。国土に被害がないよう」

「畏まりました」



私は城を出る時に、なにか違和感を感じていた。

なにかが、引っかかる。

(……そうだ。陛下だ)

なにか、そう。陛下の態度が


「……なんだろう。胸騒ぎがする」

具体的になにがとは言えないが、不安になる。

龍姫様にもお伝えしよう。



「……陛下の態度?」

「はい。なにか、気になるのです。なにかを抑えているような……」

龍姫様は思慮深げに俯かれる。


「なにかしら。気になるわ……誰か帝都に行って潜ませていた方がいいわね。誰か手が空いてる?」

「エールミケアならば、相応しいかと」

「そうね。あの娘ならうまくやれるわ。フェルライン、あなたは、マディアクリア、カレンバレー、サウザントと連携を取り続け指示しなさい。そして、ユレミツレね」


「はい。海上の敵を押さえ込めるのはユレミツレが適任です。問題は」

「止め役ね……誰かいるかしら?」

ユレミツレは好戦的だ。止まれと行って止まる性格ではない。

しかし、龍族で止められるのは私とマディアクリアぐらいだ。


「ユレミツレは責任感があります。ミカミセラの教育も合わせて行うというていで行えば、自然と自制するかもしれません」

「素晴らしいわ。それで行きましょう。では、いくわよ」




聖女も、龍姫様も、完全に失念していた。

お互いが、お互いしか見ていなかった。

最大のライバル同士。片や生命エネルギーを自在に操る化け物、聖女。


もう片方はオリジナル・ドラゴンであり、龍族を無限に生産できる龍姫様。


どちらもずば抜けている。

一般の人間の都合などあまり考えない。

脅威はあくまでも、龍姫様であり、聖女。どちらかだけ見ていればいい。



だから、読み間違えた。



お互いが。



まず悲鳴は、マディアクリアからだった。


『フェル!!!敵が!!!アディグルから敵軍が襲いかかってくる!!!』

「はあああああああ!!????」

ディマンド公国は攻めない。聖女はそう言った。


これはあくまでも文官を立て直すまでの時間稼ぎ。の筈が


「バカな!騙したの!?いや、あの戦力で戦えるわけが!」

ガジャロブ喪失は嘘か?いや、カリスナダがその目で見ている。

あれはどう考えてもイレギュラー。

だとすると


「とにかく!マディア!全力で足止めして!こうなったら殺すのもやむなし!味方を巻き込まないで!」

『了解!!!』


マディアに出撃命令をだし、急いで龍姫様の元に報告に行こうとすると


『フェル!!!大変!!!軍船が!!!凄まじい数だわ!!!!』


ユレミツレから遠距離会話が入る


「そ、そっちも!?」

『え?他も!?凄いわよ、この数を足止めなんて……』

「ミカミに殺戮許可を出して!あまりにもきな臭さすぎる!ミツレの許可は龍姫様にお伺いするわ!」

『分かりました!』



移動しながらカレンバレーに連絡


「カレン!そちらは?軍隊の様子は?」

『ああ。聞いた通りの軍勢だ。ジュブグランと、ダリスグレアが長だな』


「対話して!他の二戦場の様子がおかしいわ!大軍すぎるし、マディアに至っては攻め込まれてる!!!」


『な、なんだと!分かった!おって連絡する!』


そして


「しつれいします!ソレイユ様!会話できますか!?」

『フェルライン、これで理解したわ。連中他でも攻め込んで来たのね』

「はい!ソレイユ様、援軍は」

『いらないわよ。ねえ!フェルライン!聞いて!やつら馬鹿だから固まって突っ込んでくるのよ!!!私と何度も戦った連中はとっくに学習してるのにね!!!!!馬鹿共が!!!!固まったまま血煙と化せぇぇぇ!!!!!!アハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!』


遠距離会話で、なにしでかしてるかはわかりました。ソレイユ様の援軍は、味方が殺されるので没です。


「龍姫様!大変です!!!」

「まずいわ、フェルライン」龍姫様は顔を青くされている。聖女から連絡が来たのだろうか。


「はい!マディアは交戦中!ソレイユも交戦中です!双方相当な大軍!ユレミツレとミカミも大量の軍船と遭遇しています!」



「な!?なんですって!?あの豚も制御出来てないの!!!?」

え?


龍姫様の驚きは、事前に知っている驚きではなかった。では


「陛下が、大皇后様を監禁されたわ。そして、帝国中央軍を率いて、自らが親征されると」


目の前が、真っ暗になった。

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― 新着の感想 ―
[一言] あー……うん。そりゃそうね。 オーバーロード同士が裏のかき合いはあるものの、茶番にしようとしてるとか知らんものね。 んでもってどちらも強力な手札だけど数は足りない…… まぁ人間もこの状況…
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