表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

プリずん・モレがいく

 モレは捕まってしまった。


 勾留とか裁判とか色々すっ飛ばして刑務所。


 ↑イマココ!


 諸々のツッコミ所をモレはスルーする。とりあえず知らない場所で目を覚ました時のお約束をやろうかと思った。


 だがしかし!


 モレは寝る時はうつ伏せ派なので天井なんて見えない。ガッデム。


 モレが捕まった牢の中は、おいおい古いにも程があんだろって言いたくなるような設備で、まず前面についているのが今時の刑務所っぽい扉ではなく鉄格子で、牢内は薄いベッドと毛布が一枚に落ちるで有名なトイレが剥き出しであるだけだ。


 向かいの牢には何処で手に入れたの? と言いたくなるチューイングガムを噛む刺青の入ったスキンヘッド白人。モレを見て厭らしく嗤う。


 対するモレは、後面の剥き出しのコンクリを背に足を投げ出すように座り、着崩したオレンジ色の囚人服に互いを鎖で繋いだ腕輪というコーディネートに負けないように、大して溜まってない唾を吐く。


 圧倒的牢名主感。収監一日目。


 ここほんとに日本なんだろうか?


 モレの途切れ途切れの記憶を探る。するとどうだ。見えてきた真実。


 モレは本が読みたかった。


 つまりあれだ。脱獄するということだ。


 どっからそうなったとかいいから。今そんなの要らないから。二ページに収まんないから。


 刑務所=脱獄といっても過言でないのがヲタク脳。伊達に妹=恋人を成立させてはいない。


 となると、必要なのは一つ。


 スプーンだ。穴を掘られる前に掘ってやれというやつだ。モレはノーマルだ。


「おらっ! 人間のクズども! いつまで起きてんだ! さっさと永眠しろぼけ!」


 おお、いいところに絵に描いたような悪徳看守が。


 モレは鉄格子に近付く。悪徳看守は警棒で鉄格子にしがみついている犯罪者共を叩いて回っている。


 当然、モレにも近付く。しかし残念。モレは無実だ。


「おらっ! 手間とらすぶふっ!」


 鉄格子の隙間から看守の襟を掴んで引っ張り鉄格子に叩きつける。


「て、てめぶふ!」


 叩きつける。


「っ、や、やがぶふっ!」


 叩きつける。


「……」


 叩きつける。


 動かなくなってからも暫く叩きつけ続けた。万が一起きたら面倒だしな。


 崩れ落ちる看守の腰に付いていた鍵を奪い鉄格子を開く。


 犯罪者共が何かほざいていたが、モレは聞く耳を持たなかった。


 悪党と話す言葉などない!


 蛇の英訳で有名なエージェントのように気配を消して厨房にお邪魔すると、スプーンを一本拝借した。


 勝手に取っていったら泥棒になってしまうので、額が狭いことど有名な怪盗のように『頂きました』カードを入れておいた。スプーンに『頂きます』とかモレは最高にエスプリが聞いている。


 再び牢に戻ってきたら、犯罪者共は静かになった。どうしたというのか? やはり悪党の考えることなど分からん。


 看守が寝ているようなので、小休止用の椅子がある監房の端まで引きずっていき座らせた。寝ている風に見せかけるため帽子の鍔を引き、腕組みをさせる。


 これでよし。


 あとは鍵だが、これは簡単だ。


 囚人服のほつれている所から糸を出し、鍵に結んだ後、糸を看守のベルトに通し、牢まで引っ張る。後は牢に戻り鍵を掛けたら糸を引くだけでいい。犯罪者共がチャリチャリと鳴る鍵に必死に手を伸ばす姿に爆笑してしまった。


いや失礼。


 さてスプーンを手に入れたぞ。穴を掘ろう。










真面目看守

「先輩大丈夫ですか!? そ、そんな……娘が二歳になったばかりだって言ってたじゃないですか! せんぱい!」


モレ

「朝飯はまだですか?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ