チートいよ
俺は十年程前に転生を果たした。
異世界に来た時はキタと思ったね、俺の時代。
お約束通りに女神様から頂いたチートの数々。一つとか三つとか限定しないだけ、どこぞの龍より気前が良かった。
文無し宿無しコネ無しでもチートがあればやれるのが異世界。
ぶっちゃけ現代でもチートがあればやれる。
…………いや、別に異世界に文句がある訳じゃないよ? 異世界最高だよ異世界。チーレム万歳だよ異世界。不便さにも目を瞑るぜ魔法。
俺は最初に早速ギルドで登録をした。
絡まれる俺。手加減しつつも叩きのめす俺。ギルドの偉い人に呼ばれる俺。何故かランクが上がる俺。
どう見ても問題行動なのに周りから羨望と嫉妬の視線を向けられる。店先で普通に喧嘩の売買しちゃう奴の何が有望なのか?
まあ異世界だから。
早速倫理観なんてぶっちぎって奴隷を買うために依頼料の高い依頼を受ける。
最初に見た目から侮られる俺。村を襲っていた魔物を倒して感謝を浴びる俺。何故か侮っていたことを謝罪される俺。
ただ仕事をこなしただけなのに異常に感謝される上に、村は大変な時期だというのに秋波を向けてくる娘といい雰囲気になる。え、死んだ人とかいるんだよね?
まあ異世界だから。
その後、いい感じになった娘と一緒に平然と村を出る。村娘はこの世界のパンピーなのに何故か異常に強くなるという。
そして念願の大金で奴隷を購入する俺。今まで商戦とかやったことないはずなのに奴隷商人と頭脳戦する俺。部位欠損とかしつつもステータス高めの奴隷をゲットする俺。
宿屋とかコロニー的な場所で軽々しくもチートを使い奴隷の欠損を治すと、号泣して忠誠を誓ってくる奴隷。
正直、奴隷を買いにくる奴が自分のために傷を治したからっていきなり生涯の忠誠を誓うのってどうなん?
まあ異世界だから。
その後、なんだかんだで増えていく女性。何故か全員美形。全員が俺のことを愛している。はははっ、順番順番〜、俺の体は一つしかないだろう? 何故かハーレム間の女性仲が良く、陰謀や陰惨なイジメとかはない。
ある日、国王陛下に目を付けられ、うんたらかんたら、重用されることに。
駆け上がるように貴族化。
もはや敵無し。最初から無し。
生活の不便も、なんでそんな進化を遂げたのか理解不能なチートで近代設備を手に入れる。
領地経営どころか自宅警備すらまともに出来なかったのに、ここまでずっと秘めてきた実力で領地を富ませる。政策も政治なんてぶっちぎってきた筈なのに現代的な執政を敷く。
美人の妻達に囲まれながら王様も食べられないような美食に舌鼓を打つ。
ここまで十年。長かった、とか言ってみる。
マジ異世界たまんねー。イージーだな異なる世界。
グフフと笑いながら肩に食い込んだ荷物紐を緩めるために指を入れる。
「おいポーター! なにトロトロ歩いてんだよ、ダッシュ! テメエがどんな重い物でも運べるつったんだろうが! 給料出さねえぞ!」
「うっわ何笑ってんのキモイ」
「あー、あの子。ギルドに来た頃、何考えてんのか『俺つええええ!』とか言いながら魔物に突っ込んでいってたからねぇ。魔物に頭やられちゃったんじゃない?」
モレ
「そこで目が覚めた」
友
「お薬出しときますねー」




