第3章 第6話 ドライブ
「や~ドライブはたのしいね~。ね~蓮司く~ん」
「ぁ……す、そっすね……」
永夢さんが運転する車の助手席に乗ってドライブ。これだけなら楽しいイベントだが、
「おい、なにビクビクしてやがる」
「さーせん!」
俺に助手席を譲り、後部座席に座った大賀さん。この人が、怖い!
「俺の頭後ろから撃つ気なんでしょ!? この前生意気な口利いたからっ!」
なんせこの人、銃を持ってる! 本物の奴! そんな人に怒鳴るとかなに考えてたんだ俺……。
「撃つなら正面からにしてください……避けられるんで……」
「お前なら本当にできるかもな。だが安心しろ。俺が持っているのは弾だけ。本体は明日那持ちだ」
「きゃっほうなら全然こわくねーじゃんばーかっ!」
「おい永夢。こいつの頭の中どうなってやがる」
「少し付き合いが長いだけでわかるわけないでしょ~? たぶん何も考えてないだけだと思うよ~」
失礼な……。俺はちゃんと……あれ? なんか考えてたっけ……わかんねぇな……。
「じゃあなんで助手席譲ってくれたんですか?」
「それは……永夢。解説してくれ」
「少し付き合いが長いだけでわかるわけないでしょ~? そういうのは永夢の役目じゃないし~」
「そうだな……じゃあ……」
言い澱み、大賀さんはスマホを弄る。そして車も急転回。ツインタワーへと戻り、
「明日那ちゃんの登場だよっ!」
アイドル系2年生徒会、穂火さんが大賀さんの隣に乗り込んできた。
「あ、それはね! 助手席の方が眺めいいから譲ったんだと思うよ!」
そしてすぐに大賀さんの言葉を解説してくれた。まさかこれだけのためにこの人呼んだのか……?
「もう蹴人くんだめだよ? ちゃんと自分で言いたいこと言えるようにならなきゃ」
「……いつも悪いな」
「でも穂火さんうれしそいたいっ! なんで叩くのっ!?」
「それはね~蓮司くんが悪いからだよ~」
なにはともあれこれで4人でのドライブとなった。行き先はZ組のはずだが、車の進行方向は逆。本当にドライブが中心なんだな。
「蓮司くん、蹴人くん口悪くてごめんね? ほんとはいい人なんだけどすごい口下手でさ。考えないとわからないんだよ」
「じゃあ俺には一生無理そうだ」
他人の気持ちを読み取るなんて俺にはできない。普通に言われたって理解できないんだから。
「蓮司くんを呼んだのも謝るためでしょ? わざわざ永夢ちゃんにまで頼って」
「謝る……? 俺なんかしましたっけ?」
「ほら、この前の選挙のあと。少し言い争いしたでしょ?」
したけど……あれは俺が悪いんじゃなかったっけ……? ごちゃごちゃ言われて頭変になって、思ったことをそのまま口に出してしまった。
「外村……悪かった」
「いやだから! 俺なんのことかわからないんすけどっ!」
「そう……だな……」
そしてミラーから見える大賀さんは一度俯き、
「あれは1年前のことだ……」
「こっから回想入んのっ!? 脈絡はっ!? どんだけ口下手なんだよっ!」




