第3章 第3話 告白 2
「……蓮司くん。わたしは蓮司くんの敵だってこともわからなかった?」
「俺がどれだけ馬鹿かってことは龍華が一番知ってるだろ」
会議終わり。霊御がいなくなったのを確認し、座ったままの龍華にいつもの調子で話しかける。
「俺と龍華は友だちだ。美季とだって別のクラスだけどちゃんと友だちだよ。じゃあ別にいいだろ。いいよ別に霊御と仲良くしたって。でも俺たちが友だちだってことに変わりはないだろ?」
生徒会選挙が終わって3日が経った。その間龍華はZ組には顔を出さなかった。
そして気づいた。いやとっくのとうに気づいていたが、もう、耐えられない。
「今まで通り普通に話そう。敵でもいいからさ、普通に友だちでいよう」
俺は本当にどうでもいいんだ。敵とか策略とか。
俺はただ、楽しい高校生活を過ごしたいだけなんだ。
「――外村くん」
あえて。龍華は俺の苗字を呼び、
「もうわたしに話しかけないで?」
強い拒絶の瞳を向けてきた。
「なん……」
「外村くんは桜花様の敵なんでしょ? ならわたしにとっても敵。友だちも何も、普通に絶交だから」
「いや……でも……」
「でもじゃない。ずっと言ってるよね。わたしはわたしの大切なものを守りたいだけ。蓮司くんは大切な人だったけど、外村くんには興味がない。わたしの大切な人は、桜花様ただ一人。だからあなたは敵でしかないんだよ」
「だけど……」
「なに? 外村くんって昔の女を引きずるタイプなんだ、馬鹿なのにね。そもそも付き合ってないけどさ。いいでしょ、別に。外村くんにはたくさん友だちがいるんだから。斬華に奈々ちゃん、美季ちゃんや沙耶ちゃんと仲良くしてればいいじゃん。なんでわたしにこだわるの?」
「それは……!」
「いやいいよ。どうせ外村くんの理屈はわたしにはわからないから。今はっきりしていることは、わたしと外村くんは友だちじゃない。そして、この体育祭で潰すべき敵だっていうこと。それ以外に、わたしたちには必要ない」
「俺は……!」
「翠川。行きますよ」
霊御が、会議室の外から龍華を呼んでいる。龍華が立つ。走る。
「じゃあね、外村くん」
「まっ……!」
手が、届かない――。
なら。
「届く距離まで、跳べばいいだけだよなぁっ!」
会議室のテーブルの配置は四角形。龍華が馬鹿みたいに下を走っているのなら、テーブルの上を跳べばいい。それだけで。
「龍華、話をしよう」
霊御の前に立ち、今度は正面から。龍華に語りかけた。




