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偏差値20の頭脳戦~頭が全ての学校で誰よりも馬鹿なはずなのに、なぜか無双してモテてしまう~  作者: 松竹梅竹松
第2章 生徒会選挙

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第2章 第31話 考えても

「……へー。雅、完全にそっちについたんだ」

「仕方がないでしょう。この学校を支配するのは霊御さんです」



 ホールの電源設備がほとんど詰まっている放送室で、私は樹さんと出田さんと対峙する。外村さんから渡されたスマートフォンで何かをしようとしているこの2人を止める。それが私の役目だ。



「あたしずっとわかんないんだけどさ、霊御ってそんなにすごい? 能力的にはA組の中で最下位でしょ」



 高級そうな機械を一切気にせず寄りかかっている樹さんが煽るように言う。だが樹さんは今どうでもいい。問題は床に這いつくばり、ヘッドホンを装着してタブレットを一心不乱に操作している出田さんだ。あのタブレットを回収すればとりあえずは安心のはず。



「時間稼ぎですか? 私も運動能力は低いですが、あなた方2人ほどではない。無理矢理にでも回収させてもらいますよ」

「いやいや純粋な疑問。結局当選枠に入れたのは自分と繰り上がりの如月さんだけだし、その自分も2位。完全に負けでしょ。そう考えると蓮司に二連敗。あたしは一勝一敗なのにね」


「残念ですが、1位の龍華さんはもうすぐ霊御さん側に堕ちます。これで3勝。霊御さんの勝ちです」

「へー、負けたからって腹いせにそんなことしてるんだ。どれだけ小物なんだか」


「……あなたもいずれ、霊御さんのもとに下りますよ」

「はっ。ありえないでしょ。あんなの見た目と雰囲気と口が良いだけの見せかけ女じゃん。よく考えてみ? なんかかっこつけて全部自分の手の上みたいな空気出してるけど全部アドリブじゃん。あんなののどこがいいんだか」



 ……いけない。これこそ樹さんの口車。私は何も考えず、タブレットを回収すればいい。



「ていうかさ、雅。そっち側につくってことはわかってる? あたしら敵に回すってことだけど」



 一歩踏み出そうとしたところに、樹さんが追撃を仕掛けてくる。いいからタブレットを……。



「こっちには沙耶がいる。今はせいぜいゲーム大会で賞金をかっさらうくらいだけど、やろうと思えば監視カメラとか個人のスマホを覗いて脅すだけでポイントをひとまとめにすることもできる。あたしについては言わなくてもいいよね? 頭が全てって言ってるけど、この学校の本質はポイント。金稼ぎにおいては何人集まろうが、あたしら2人には敵わない。それに加え、ルールの裏側を突ける蓮司だっている。この3人だけで霊御たち烏合の衆には絶対に負けないんだよ。あんたはどっちが勝つと思う?」

「……それでも勝つのは霊御さんです」



 動け。動け、足。こんなことを言っておいて霊御さんに負けたのがこの2人だ。話を聞くに値しない。



「それに霊御は簡単に仲間を切り捨てる。自分だけのためにね。あんたもそうなんじゃないの? 霊御に都合がいいから切り捨てられてZ組落ちになったんじゃん。そんな奴にまだついていくだなんてどうかしてるよ」

「……うるさい」



 こんなの負け惜しみだ。不合理なプライドで霊御さん側につけない奴の負け惜しみ。



「あんたがそんな馬鹿だと思わなかったよ。ようするにあいつに立ち向かうのが怖いから切り捨てられるのがわかってるのに従ってるんでしょ? 負け犬根性丸出しじゃん。だっさ。恥ずかしくないの?」

「うるさい……!」



 私はこの2人とは違う。頭がいいから。冷静に、適応できる。霊御さんの下につかなければ生きていけないこの学校に適応できる。



「まぁ所詮あんたはその程度ってことだよ。それならいいや。別に脅威にならないし。むしろこっち来ても迷惑だし、霊御が引き取ってくれて助かったよ。こんな無能をわざわざ手札に入れてくれるんだもん。ほんと……」

「うるさいっ!」



 私は、違う。



 私は、私は……!



「私は、どうしたらいいの……!?」



 もう考えても、わからない。

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