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偏差値20の頭脳戦~頭が全ての学校で誰よりも馬鹿なはずなのに、なぜか無双してモテてしまう~  作者: 松竹梅竹松
第1章 クラス替えゲーム

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第1章 第35話 勝負の行方

〇蓮司




「決着っ! なんとなんとっ! 5000万ポイントを賭けたババ抜きの勝者は、Z組! 外村蓮司っ! A組を打ち倒したーっ!」



 亜有さんのド派手な勝者宣言を聞き、ようやく自分が勝てたことに気づいた。よかった……。ババ抜きってこんなルールだったんだな……。もうあんま覚えてないけど……とにかく。



「斬華っ! やった! 勝ったっ! 5000万だぞ5000万っ! きゃっほーっ!」



 観客席の最前列でずっと俺を見守ってくれていた斬華にピースサインを送る。でもなんだろう、なんかうれしいような、悔しいような、複雑な表情をしている。



「なに? 俺なんかミスった?」

「いやそういうわけじゃ……ないけど……。迷惑、かけちゃったとか……私が勝てなかった相手に勝っちゃったとか……色々、あるじゃない……? わかるでしょ、そういう色々入り混じった……」


「わからん! とりあえず喜ぼうぜっ!」

「そう……よね。あんたは……そうなのよね……」



 斬華の声は、観客のどよめきにかき消される。まぁ馬鹿が天才に勝ったんだからな。あ、そうだ! 勝ったんだから……!



「美季! 約束した通りだっ! 服を脱いで……あれ?」

「ぁ……ぁ、うぅ……」



 俺に負けたことがよほどショックだったのか、当の美季は椅子に深く沈み、白目を剥きながらタラタラと涎を垂れ流し、ピクピクと痙攣していた。そんなになるほど嫌だったんだ……。そういえば決着前になんか色々言ってたっけ。よくわかんなかったけど。



「美季ちゃぁ~ん」

「ひっ」



 ずっと黙ってディーラーに徹していた永夢さんが、美季の肩にぬるっと手を回す。



「呆然自失なとこ悪いけどさ~。報酬はちゃんと払ってもらわなきゃ~。5000万ポイントと、服を一枚脱ぐ。そういう約束だったよね~?」

「やっ……や……だぁ……」


「やだじゃ済まないんだよギャンブルってのは。少なくともうちのシマで反故なんて死んでもさせない」

「やだ……ゆるして……くださいぃ……」



 普段の余裕溢れる感じはどこへやら。美季は涙を隠そうともせず、子どものように駄々をこねている。さすがにかわいそう、だな……。



「うっせー! いいから服脱げやぁっ!」



 それはそれとして、だ。約束した以上守ってもらわないと困る。ていうか自分から脱ごうか? って提案してきたしな。俺悪くないと思う、たぶん。



「う……うぅ……」



 永夢さんと俺の言葉を受けた美季はふらふらと立ち上がり、悔しそうに涙を浮かべた顔で、顔で……。



「これで……いいんでしょ……?」

「っしゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」



 肌面積的に下を脱いだ方がいいと判断したからか、ゆっくりとスカートを、脱いだ!



「ここでインタビューをしてみましょう。外村様、いかがでしたか?」

「ギャップ……って言うんですかね。綺麗でかっこいい目な子が、フリルがついたピンクの下着を履いているのがたまらないです。必死にブラウスを下ろしてもわずかに見えるチラリズムもいいですし、あとニーソ! 背徳感がまたいい味出してます!」

「なんでこういう時だけ語彙力堪能なの……!」



 いやーよかったよかった! なんか満足感がすごい! ていうか観客共……!



「お前ら写真撮ってんじゃねぇよっ!」

「蓮司……」


「こういうのは記憶にだけ留めておく方がなんかこう、いいだろっ!?」

「蓮司……」


「あと美季がかわいそうだろうがっ!」

「蓮司……」



 なんか美季がそれぞれ別の意味が込められてそうな感じで俺の名前をつぶやく。だが無駄だと思ったのか、美季は顔を袖で拭いてステージから降りようとした。



「じゃあもういいでしょ? あたし帰るから……」

「は? なに言ってんだよ座れ。もう一勝負だ」



 だがそういうわけにはいかない。これで終わるわけにはいかないんだ。



「斬華の借金は8000万。まだ3000万もたりない。だからもう一度5000万を賭けて勝負だ」

「……それはそっちの事情でしょ。今流れが悪い。受けるつもりはないよ」


「なに言ってんだ。お前は受けるしかないんだよ」

「は……?」



 美季が立ち止まり、振り返る。そうだ。これはお互いのためなんだ。



「30分くらい前に順位を見た時、確かにA組は1位だったけど圧倒的じゃなかった。斬華、今A組は何位だ?」

「ちょっと待って。……4位。樹さんが5000万を失ったことで4位にまで落ちてる」

「だそうだ。お前のせいで、A組はD……? か、E組に落ちる。お前が大金を賭けて負ける馬鹿だったからだ」

「ちょっ……と、まってよ……!」



 ようやく事態に気づいたのか、美季の顔が青ざめ、拭いたはずの涙がまた目元に浮かぶ。



「さっき言ってたよな……! A組は負けるわけにはいかないって……! お前が勝つためには、俺から5000万を取り返すしかないんだよ、ギャンブルで!」

「まっ……!」


「ギャンブルをしなくていいのはむしろ俺の方だ。所詮は他人の借金だし、お前が落ちぶれようが俺より上だってことには変わりない。わかるだろ? お前にとって俺が、唯一のチャンスなんだ。お願いするのはお前の方なんだよ……!」

「いま……は……だめ……! 流れが……!」


「今はだめ? 今しかないんだよ。もうイベント終了まで5分もない。どれだけお前が不利だろうが、お前は俺と勝負するしかない。当然ルールは俺が設定する。負けたらまた服を一枚脱いでもらうし、5000万を譲る気はない」

「まけ……たら……あたし……ポイントが……!」


「0ポイントだろ? 大丈夫だって御、案外生きられる。俺が実証済みだ」

「それ……よりも……。霊御(れいみ)に……消される……!」


「霊御……? なんのことだかわからないけど、受けてくれるよな? この勝負」

「ぁ……あぁぅ……!」



 言葉にならない返事を聞き、勝負内容を決める。と言っても俺に選択できるものなどこれしかない。



「ジジ抜き。ってやつも、あるんだろ? こいつで勝負だ」



 当然ルールはわからない。だがババ抜きとやることは同じだ。



「剥いてやるぜ全部……! これで俺の完全勝利だっ!」

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