230話 ホイステーム戦①
ホイステームはゾンビのような姿だった。ゾンビなのかもしれないが、攻撃してみない限りは分からない。グロテスクな見た目だが、強そうには感じない。ふらついていてとてもボスには見えない。魔物としてダンジョンにいそうである。
ひとまず殴ってみる。ホイステームは消えた。
キンッ!!
硬い鉱物を普通の金属の剣で切ろうとしたときのような音が鳴り響いた。実際にはユージをユージの背後からホイステームがどこからか取り出した剣でユージを斬ろうとしたのだ。しかし、頑丈になりすぎたユージの背中には傷一つつかない。別にユージの背中が凝って硬いわけではない。背中が凝っているだけなら無事ではすまないだろう。
ゾンビはこんなに速いのか。全く目で追えなかった。ミカ以外にもそんな相手がいることに驚いた。別のゾンビかとも思ったが、そうすると目の前のゾンビが消えたことの説明がつかない。数回その後も殴ってみたが、全て目の前のゾンビは消えて、後ろから現れたゾンビに斬りつけられた。
ユージが出来る攻撃は殴る蹴るなどの物理的攻撃か、普通の人が火を起こすときに使うレベルの火を気力の量で無理やり攻撃手段にするしかない。ユージはその高いステータスと勝手に回復するスキルがあるので負けることはないのだが、それはつまり絶対に勝てるということと同義ではない。相手にダメージを与える手段が僅かでもあればじわじわと削っていくことも出来なくはない。しかし、ダメージを与える手段が0であれば詰みである。要はユージ相手にユージは勝つことが出来ないのだ。
相手への攻撃が全てかわされてしまうのならば、どうやって勝てばいいのだろうか。




