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光の杖のアルス  作者: 伏神とほる
第6章 花の街セイガ
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第30話 この世界の神

【前回までのあらすじ】


翌朝、狼の遠吠えがあったことで街の人は不気味がっていた。

街を散策していたアルスたちは、この世界の神様のことを知るため、近くの教会に入るのだった。

 教会は街の人のために解放されており、自由に出入りすることができた。

 祭壇(さいだん)に祈りを捧げている人もいれば、ゆっくり本を読んでくつろいでいる人もいた。


 2人は前から3列目の長椅子に座った。

 周りに人は座っておらず、話をするには好都合だった。


「やっぱり3列目って落ち着くよな。

一番前はストレートすぎて嫌だしさ、2列目もまだ近すぎる気がするし。

3列目なら安心して座れると思わないか? 」


 カストルが堂々とのたまう独自のこだわりに、アルスは思わず吹き出した。


「たしか、城の教会で昼寝していた席も、3列目だったよね」


「まあね」


「それじゃ、教えてやろうか。あ、あれなんか、わかりやすくていいんじゃないか」


 カストルは教会の窓を指差した。

 光を取り入れるために、8枚の色とりどりのステンドグラスが飾られていた。

 それぞれ8人の人物が描かれている。


「まずは一番右端の人物からいこう。

両手を広げて立っているのは、この世界を創造した最高神、アンク様。

……これくらいは知ってるだろ?」


「うん。エルディシアで信仰されていた神だ」


「そうなのか? ……ちょっと待てよ」


 カストルは背中の荷物から世界地図とペンを取り出した。


「僕も詳しくは知らないんだけど、それぞれの国ごとに信仰してる神が違うとなると……。

まず、君の故郷のエルディシアは、最高神アンク、と」


 カストルはペンでエルディシアがあった位置(地図では空白しか描かれていない)に、“アンク”と書き込んだ。

 再び窓に視線を移した。


「2人目は頭の上に太陽がある人。あれは太陽神ロレヌだ。ラオンダール帝国で信仰している神だ」


 カストルは帝国の下に“ロレヌ”と書き加えた。


挿絵(By みてみん)


「神話でいうと、太陽神ロレヌは創造神アンクの息子なんだ。ロレヌには双子の妹がいて、それが月の女神シレヌ」


「シレヌ…って、リンがいる“シレヌの宴”の、シレヌ? 」


「そうそう。彼らは月の綺麗な夜に公演するのがスタンスだからね。

“月の女神様を喜ばせるための宴”、って意味らしい。僕も人づてに聞いたから、(さだ)かじゃないけどね」


「じゃあ、シレヌ様を信仰する国も存在するの?」


「そこまではわからないな。あるかもしれないし、ないかもしれない」


 カストルはステンドグラスを見上げた。


「シレヌ様の絵は……ここにはないみたいだな。

続いて3人目は生命の女神セシアス。植物に囲まれている女性だよ。

創造神アンクの妻でもあるんだ。


4人目は炎神ログアム。太陽神ロレヌ様の息子だな。足元から赤い炎が噴き出してるだろ。

5人目は風神アイオール。こちらは月の女神シレヌ様の息子だ。背中に羽が生えていて、空を飛んでいる絵だよ。

6人目は水神ソフラート。水瓶(みずがめ)から水を流して、海を生み出しているのさ。

7人目は愛の女神ヴィオラ。髪の長い綺麗な女性さ。

最後に8人目は音楽の女神レミア。横笛を吹いている姿で描かれることが多いんだ。


……とまあ、こんな感じかな」


「ありがとう。すごくわかりやすくて助かったよ」


「どういたしまして。

本当はまだ何人かいるんだけど、この8人だけでも押さえておくと大丈夫かな」


「なぜ急にこんなお願いをしたかというと、神様の像に祈ると、この杖に不思議な力が宿ることに気づいたんだ。

今はエルディシアとラオンダールでしか見つけられてないんだけど、これから行く国でも、神様の像があれば祈ってみたいんだ。新しい力を得られるかもしれなくて……」


「なるほどな。だとしたら、なんらかの神を信仰している国に行くのが手っ取り早そうだな」


 カストルは再び世界地図を取り出した。


「ここから東の国でいうと、まず聖都ガルトデウス。

ここは風が吹き荒れる高山地帯にあるから、もしかすると風神アイオールを信仰しているかもしれないな。


極東のファイデン王国は火山の国だから、炎神ログアムを(まつ)っているかもしれない。

ラオンダールから南にある国は、海の交易で栄えている国が多いから、水神ソフラートがありそうだな。

北のゴルドヴァキアは、ちょっと予想がつかないや。

西の国も……レガルディアは国交を断絶してるし。

極西のルマグアートも、なんだろう?わからないや」


「ありがとう。ある程度わかっただけでも十分だよ。

何もわからないよりかは、予想を立てやすいもの」


「そっか。ならよかった。さーてと、そろそろ行くか。

この街で、宝石の手がかりでも探さないとな」


「それと、“光の使者”もね」


 2人は教会を出て、街で情報を集めることにした。

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