第27話 舞台裏にて
【前回までのあらすじ】
リンの魔法のようなパフォーマンスに感動したアルスたち。
公演が終わったあと、リンに会いに行くことにするのだった。
公演を終えた舞台裏では、シルクハット姿の団長を含めメンバーたちが労いあっていた。
「ナリーとダリー、今日もよく頑張ったよ」
団長が2人をハグした。
「あたしたち、できて当然」「そうでしょ?」
ナリーとダリーはすまし顔ながらも、嬉しそうに微笑んだ。
「ああ、そうだとも。これからがますます楽しみだよ」
道具を片付け終えたポピーも、化粧を取り、普通の青年に戻っていた。
「ポピー、もっとハメを外してもいいんじゃないか? 君はメイクと反して超真面目人間だからね」
「団長、今度すごいのをお披露目しますよ。今、密かに練習中なんです」
ポピーはふふふっと笑みをこぼした。
「そうなのかい? 期待して待ってるよ」
ポピーは軽くステップを踏みながら、自分のテントに戻っていった。
「ミレニア、今日も素敵だったよ。
お客さんたちを見たかい? 息をするのも忘れてるようだったよ」
ラフな普段着姿になったミレニアは、クールに団長を見つめた。
「団長、今度は別の道具でやってみようと思うの。
そろそろレパートリーを増やしたいし。もっとこう、エキサイティングなのがしたいわ」
「わかった、考えておこう。
リィィン、お疲れさん。今日のはセイガバージョンだろ?
いつのまにあんなことができるようになったんだ? 」
リンは舞台を終えたばかりで、衣装もそのままだった。
「それは秘密です、団長」
リンはにっこり笑った。そこへナリーとダリーが走り寄ってきた。
「リン、今日もすごかった」「花火きれいだった」
「ありがとう。はじめてだから、私もちょっとドキドキしちゃったわ」
「最後の最後で全部持ってかれちゃったわね」
ミレニアもクスッと笑った。
「さ、このあと打ち上げだから、早く着替えてきなよ。私たちで準備はじめとくからさ」
「ありがとうミレニア。すぐ手伝いにいくね」
リンは急ぎ足でテントへ向かった。
◇◇
「団長ぉー! 」裏方をしている若手が走ってきた。
「なんだ? どうした」
「なんか、リンさんに会いたいって人がきてますけど。どうしますぅ? 」
「そんなやつ今までも山ほどいただろうが。……追い返せ」
「それがぁ、帝都でリンと約束したって言うばかりで、聞かないんですよぉ」
「あー。いるねえいるねえ、そういう思い込みが激しいやつ。……だから 追・い・返・せ!! 」
「じゃ、断ってきまぁーす」
若手がだるそうに走っていった。
「リンが人気なのもありがたいんだがなあ。
なんかこう、変な追っかけが増えてるのも事実なんだよなあ」
団長がボソッとつぶやいた。
「団長がいるから安全が保証されてるのも事実ですよね。
じゃ、私は打ち上げの準備にいきますので」
ミレニアが奥のテントに戻っていった。
◇◇
間もなくして、リンがテントから出てきた。
化粧を落とし、ラフなワンピースに着替えていた。
「あれ、団長どうしたんですか? 神妙な顔をして……」
「今さっき、お前の追っかけが訪ねてきてたから、追い返したところなんだよ。
ほんと、この街にもいたとはなあ……」
そこへ、若手が戻ってきた。
「あ、リンさーん、追い返しときましたよぉー。変な2人組ぃー」
「……2人組? 」
「へえ。旅人みたいな身なりをしてたんで、きっとはるばる追いかけてきたやつに違いないですよ。
帝都で出会ったとか、セイガで会う約束をした、とか言いやがるんですよ。
それにそいつ、左目に変な傷がありましてね」
「それってまさか……! 」
リンはダッと駆け出した。
「おい、リン!? 」
「リンさん……? 」
2人の制止も虚しく、リンは一目散に入り口へ向かった。
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