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光の杖のアルス  作者: 伏神とほる
第6章 花の街セイガ
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第27話 舞台裏にて

【前回までのあらすじ】


リンの魔法のようなパフォーマンスに感動したアルスたち。

公演が終わったあと、リンに会いに行くことにするのだった。

 公演を終えた舞台裏では、シルクハット姿の団長を含めメンバーたちが(ねぎら)いあっていた。


「ナリーとダリー、今日もよく頑張ったよ」


 団長が2人をハグした。


「あたしたち、できて当然」「そうでしょ?」


 ナリーとダリーはすまし顔ながらも、嬉しそうに微笑んだ。


「ああ、そうだとも。これからがますます楽しみだよ」



 道具を片付け終えたポピーも、化粧を取り、普通の青年に戻っていた。


「ポピー、もっとハメを外してもいいんじゃないか? 君はメイクと反して超真面目人間だからね」


「団長、今度すごいのをお披露目しますよ。今、密かに練習中なんです」


 ポピーはふふふっと笑みをこぼした。


「そうなのかい? 期待して待ってるよ」


 ポピーは軽くステップを踏みながら、自分のテントに戻っていった。



「ミレニア、今日も素敵だったよ。

お客さんたちを見たかい? 息をするのも忘れてるようだったよ」


 ラフな普段着姿になったミレニアは、クールに団長を見つめた。


「団長、今度は別の道具でやってみようと思うの。

そろそろレパートリーを増やしたいし。もっとこう、エキサイティングなのがしたいわ」


「わかった、考えておこう。

リィィン、お疲れさん。今日のはセイガバージョンだろ?

いつのまにあんなことができるようになったんだ? 」


 リンは舞台を終えたばかりで、衣装もそのままだった。


「それは秘密です、団長」


 リンはにっこり笑った。そこへナリーとダリーが走り寄ってきた。


「リン、今日もすごかった」「花火きれいだった」


「ありがとう。はじめてだから、私もちょっとドキドキしちゃったわ」


「最後の最後で全部持ってかれちゃったわね」


 ミレニアもクスッと笑った。


「さ、このあと打ち上げだから、早く着替えてきなよ。私たちで準備はじめとくからさ」


「ありがとうミレニア。すぐ手伝いにいくね」


 リンは急ぎ足でテントへ向かった。


◇◇


「団長ぉー! 」裏方をしている若手が走ってきた。


「なんだ? どうした」


「なんか、リンさんに会いたいって人がきてますけど。どうしますぅ? 」


「そんなやつ今までも山ほどいただろうが。……追い返せ」


「それがぁ、帝都でリンと約束したって言うばかりで、聞かないんですよぉ」


「あー。いるねえいるねえ、そういう思い込みが激しいやつ。……だから 追・い・返・せ!! 」


「じゃ、断ってきまぁーす」


 若手がだるそうに走っていった。


「リンが人気なのもありがたいんだがなあ。

なんかこう、変な追っかけが増えてるのも事実なんだよなあ」


 団長がボソッとつぶやいた。


「団長がいるから安全が保証されてるのも事実ですよね。

じゃ、私は打ち上げの準備にいきますので」


 ミレニアが奥のテントに戻っていった。


◇◇


 間もなくして、リンがテントから出てきた。

 化粧を落とし、ラフなワンピースに着替えていた。


「あれ、団長どうしたんですか?  神妙(しんみょう)な顔をして……」


「今さっき、お前の追っかけが訪ねてきてたから、追い返したところなんだよ。

ほんと、この街にもいたとはなあ……」


 そこへ、若手が戻ってきた。


「あ、リンさーん、追い返しときましたよぉー。変な2人組ぃー」


「……2人組? 」


「へえ。旅人みたいな身なりをしてたんで、きっとはるばる追いかけてきたやつに違いないですよ。

帝都で出会ったとか、セイガで会う約束をした、とか言いやがるんですよ。

それにそいつ、左目に変な傷がありましてね」


「それってまさか……! 」


リンはダッと駆け出した。


「おい、リン!? 」

「リンさん……? 」


 2人の制止も(むな)しく、リンは一目散に入り口へ向かった。


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