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光の杖のアルス  作者: 伏神とほる
第5章 帝都ラインバルド
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第22話 出発

【前回までのあらすじ】


会議にて、東西南北の4ルートに分かれて、宝石を探すことが決定した。

東ルートを進むことになったアルスは、中庭の教会で出会ったカストルと行動を共にすることになった。


 会議が終わると、皇帝や大臣たちは足早に会議室を後にし、その場にはアルスとカストルの2人だけが残った。

 アルスは早速カストルに声をかけた。

 カストルは椅子に深く座り込み、赤くなった目を(うる)ませながらアルスを見上げた。


「カストル皇子、まさか昨日教会でお会いした方が皇子様だったなんて……」


「うん、僕も。まさか君がエルディシアの王子だったなんて。昨日は変なこと言ってごめんよ」


 カストルは(そで)で涙をふいた。


「変なところを見られてしまったね」


 カストルは照れ臭く笑った。


「僕は兄上たちと違って、昔から出来が悪いんだ。

会議に呼ばれたときも、なんでなのか理解できなかった。

……でも、今は違うよ。すごく晴れ晴れした気分だ。

それに、兄上たちの顔ったらないよ! 僕の顔に泥を塗るつもりが、逆に泥を塗られたんだもの」


 カストルは無邪気に笑った。アルスは元気そうな様子を見て一安心(ひとあんしん)した。


「よかった、カストル皇子。これからよろしくお願いします」


「カストルでいいよ。僕も君のこと、アルスって呼んでもいい? 」


「もちろんです」


 2人は握手をかわした。


「早速だけど」とカストル。


「いつまでもこんなところにいられないしさ。もう、行っちゃおうよ」


「えっ」


「アルスはまだこの城にいたいのかい? 僕は嫌だよ。早く出て行こうよ」


「う、うん。でも……」


「兵長には悪いけども、2人で先に行こう。

いろいろ話したいこともあるしさ。それじゃ、1時間後に城の裏門で! 」


 カストルは(いさぎよ)く会議室を出て行った。


「……すごい行動力だな」


 アルスは部屋に戻り、身支度を整えた。

 来た時の服に着替え、杖を背中に背負い、用意してもらったマントを羽織った。

 これで杖が目立つこともないし、多少の雨風や寒さも防ぐこともできる。

 アルスは城の裏門へ向かった。


◇◇


「遅いよ。待ちくたびれた」


 裏門にはすでにカストルの姿があった。

 同じくマントを羽織っており、軽い荷物を背負っていた。


「カストル。……もう来てたの」


「あったりまえじゃん。こんなところ早くおさらばしたいし、当然だろ! 」


 アルスは(あき)れつつも、笑みがこみ上げてきた。


「何がおかしいんだよ」


「ううん、何にも。それじゃ行こうか、東の国へ」


「ああ、行こう。楽しい旅の出発だー! 」


 ラオンダール帝国の協力を得られたアルスは、皇帝の計らいもあり第3皇子カストルと旅立つことになった。

 目指すは極東の国ファイデンへ。


 しかし、待ち受けていたのは、予想だにしない出来事ばかりだった。

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