第22話 出発
【前回までのあらすじ】
会議にて、東西南北の4ルートに分かれて、宝石を探すことが決定した。
東ルートを進むことになったアルスは、中庭の教会で出会ったカストルと行動を共にすることになった。
会議が終わると、皇帝や大臣たちは足早に会議室を後にし、その場にはアルスとカストルの2人だけが残った。
アルスは早速カストルに声をかけた。
カストルは椅子に深く座り込み、赤くなった目を潤ませながらアルスを見上げた。
「カストル皇子、まさか昨日教会でお会いした方が皇子様だったなんて……」
「うん、僕も。まさか君がエルディシアの王子だったなんて。昨日は変なこと言ってごめんよ」
カストルは袖で涙をふいた。
「変なところを見られてしまったね」
カストルは照れ臭く笑った。
「僕は兄上たちと違って、昔から出来が悪いんだ。
会議に呼ばれたときも、なんでなのか理解できなかった。
……でも、今は違うよ。すごく晴れ晴れした気分だ。
それに、兄上たちの顔ったらないよ! 僕の顔に泥を塗るつもりが、逆に泥を塗られたんだもの」
カストルは無邪気に笑った。アルスは元気そうな様子を見て一安心した。
「よかった、カストル皇子。これからよろしくお願いします」
「カストルでいいよ。僕も君のこと、アルスって呼んでもいい? 」
「もちろんです」
2人は握手をかわした。
「早速だけど」とカストル。
「いつまでもこんなところにいられないしさ。もう、行っちゃおうよ」
「えっ」
「アルスはまだこの城にいたいのかい? 僕は嫌だよ。早く出て行こうよ」
「う、うん。でも……」
「兵長には悪いけども、2人で先に行こう。
いろいろ話したいこともあるしさ。それじゃ、1時間後に城の裏門で! 」
カストルは潔く会議室を出て行った。
「……すごい行動力だな」
アルスは部屋に戻り、身支度を整えた。
来た時の服に着替え、杖を背中に背負い、用意してもらったマントを羽織った。
これで杖が目立つこともないし、多少の雨風や寒さも防ぐこともできる。
アルスは城の裏門へ向かった。
◇◇
「遅いよ。待ちくたびれた」
裏門にはすでにカストルの姿があった。
同じくマントを羽織っており、軽い荷物を背負っていた。
「カストル。……もう来てたの」
「あったりまえじゃん。こんなところ早くおさらばしたいし、当然だろ! 」
アルスは呆れつつも、笑みがこみ上げてきた。
「何がおかしいんだよ」
「ううん、何にも。それじゃ行こうか、東の国へ」
「ああ、行こう。楽しい旅の出発だー! 」
ラオンダール帝国の協力を得られたアルスは、皇帝の計らいもあり第3皇子カストルと旅立つことになった。
目指すは極東の国ファイデンへ。
しかし、待ち受けていたのは、予想だにしない出来事ばかりだった。
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