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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
6/63

道の上で


セナは意識の半分を取り戻し、まだぼんやりとした目で周りを見渡した。


「んん、今度はどこだ、ここ?」


遠くから馬車の音が聞こえてきた。


ガタッガタガタッガタ


その音が近づくにつれて、誰かがセナを呼ぶ声が聞こえた。


「そこの人〜、そこの人〜!」


[ん、なんだ? 誰か俺を呼んでるのか? 今度はなんだよ、もう]


馬車に乗っている人が更に大きな声で叫んだ。


「どいて、どいてくださぁーーーい!」


ドッンッ


次の瞬間、セナは馬車に轢かれた。


「いってぇぇぇぇぇ、おい! いきなり何すんだよ!」


馬車が止まり、乗っていた女性が慌てて降りてきた。


セナはその女性の顔を見た。彼女は赤い髪を持ち、ティア姉ちゃんと同じ耳が生えていた。片方の目は髪で隠れている。


「何を言ってるんですか、私はどいてくださいって言ったじゃないですか。もう、あなたが頑丈じゃなかったら今頃私は人殺しになってましたよ!全くもう。」


セナはそれに対して呆れながら言った。


「って、なんだよ、いきなり轢いてきて…」


馬車に乗っていた彼女は少し気まずそうに言った。


「て、大丈夫ですか?」


[あぁ、この感じ…やば…]


セナはぼんやりと目を覚ますと、目の前にはキファが立っていた。


「やぁ、君また会ったね。僕の事は覚えてるかい?」


セナは反射的に言葉を発した。


「て、さっきの…」


キファは少し困った顔をして、軽く肩をすくめる。


「うーん、君が来るのがちょっと早すぎたかな。君を轢いた子が心配してるよ。早めに戻ってあげなよ。かわいそうじゃないか、全く。」


セナは顔をしかめ、怒りをにじませて言った。


「もう訳がわかんねぇし、戻るって言ったって、俺には戻り方なんてわかんないし…」


キファは手をひらひらと動かしながら、気楽に言った。


「えーとね、頭の中でほわほわほわぁってすると戻れるよ。」


セナは少し不安な気持ちになりながら、半信半疑で試してみる。


「ほわほわほわ? まぁ、やる価値は…」


その瞬間、セナの意識が再び途切れた。


[この感じ…きっ…]


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