↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
5/63

未知の出会い2


セナは目を見開き、思わず口を開いた。


「おいおい……危なすぎるだろ。」


四肢が破裂? そんな恐ろしい条件を知らずに突っ込んでいたなんて、考えるだけで背筋が凍る。


だが、キファは肩をすくめて、まるで冗談でも言うように笑った。


「大丈夫、大丈夫。僕より強くないとこの結界は無理やり突破できないし、条件を満たしてなかったら弾かれるはずだから。……まぁ、“はず”だけどね?」


「はずってなんだよ……」


セナは呆れたように溜息をつきつつも、少しだけ納得したように腕を組んだ。しかし、疑問は尽きない。


「それにしても、俺は魔法なんて使えないぞ? そもそも訳の分からないことが多すぎる。」


その言葉に、キファは意外そうに目を瞬かせた。


「え? ……まさか、自分の才能に気づいてないの?」


「は?」


「いやぁ、確かに魔力量は大したことない。でもね、君の体の伸び方、力の使い方……どう見ても“魔法で育つタイプ”じゃないか。完全に宝の持ち腐れだよ? 努力もしてないなんて、もったいなさすぎ!」


キファは腹を抱えて笑いだす。


セナは眉をひそめ、口を尖らせた。


「……なんかムカつくな。」


その顔を見て、キファは「あっ」と思い出したように声を上げる。


「そういえば、君の名前を聞いてなかったね。」


少し警戒はしたが、セナは答えた。


「……グビエット・セナだ。」


「ふーん。いい名前じゃないか。」


キファは満足そうに頷き、薄く笑った。


「自己紹介も済んだし、僕の目の前まで来れたご褒美に……君に僕の力を与えよう。」


「はぁ? 力ってなんだよ。……てか、さっきの精霊はどこ行った?」


「精霊?」


キファは少し考えるような仕草をして、ポンと手を打った。


「あぁ、さっきから結界をガリガリ削ってる不届き者のこと? 入れてほしいのかな。まぁ、いいけど。」


その瞬間、結界が震え、烈風が吹き込む。


ゴォォッ!!


風を切り裂く勢いで、フューズが飛び込んできた。


「テメェッ!! 俺だけ閉め出すとか、なめてんのかコラァ!!」


開口一番、怒鳴りつけるフューズ。羽を逆立て、甲高い声が反響する。


「何重もの結界だから“すげぇヤベェ奴”かと思ったら……ただの小娘じゃねぇか。」


その言葉に、キファの笑顔が一瞬だけ固まった。


「……何この生意気な鳥。君の使い魔? だとしたら躾がなってないね。」


「鳥じゃねぇ! 俺は風の精霊様だ!!」


「はいはい、鳥くんね。」


「ぐっ……!」


フューズの羽が逆立つ。だがキファは意に介さず、セナを見据えた。


「……それより。君は、あの糞トカゲを殺したいか?」


その問いに、セナの表情が変わる。


「……当たり前だ。」


低く、怒りを押し殺す声。


「あいつは……俺の家族を……全部奪った。」


キファの唇が持ち上がる。


「なるほど。いいね。僕も力を貸そう。」


指を軽く弾く。


「じゃ、そろそろ体を起こして?」


セナは訝しみながらも、身を起こそうとした──


バシッ!!


「いってぇッ!? 何すんだよ!」


キファが平然と頭をはたいた。


「うん、もう力を貸した。後は君がどう使うかだけ。」


「……は?」


セナは頭を押さえ、呆然とキファを睨む。


だが、キファは楽しげにフューズへ視線を移した。


「鳥くん、この子の世話を頼むよ。」


「だから鳥じゃねぇっての!……まぁ、言われなくてもするけどな!」


「ははっ、それなら安心だ。」


キファはひらひらと手を振り、軽く指を鳴らす。


「じゃあ、転送するね。ばいばーい。」


「……は?」


眩い光が視界を埋め尽くし、セナの意識は闇に落ちた。


この世界だと魔法の才能って魔法を使うにかなり重要なんですよね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。