未知の出会い
そして、気がつくと、見たことのない場所に横たわっていた。
[ここは……どこだ?]
周囲を見回すと、遠くまで続く草原。けれど、ただの草原ではない。空気は張り詰め、風ひとつないのに耳がぴりつくような感覚があった。
その中心に、白い髪を持つ一人の人物が立っていた。見た目は人間だが、どこか異質で、直感が警告してくる。
「やぁやぁ、君かな? 君だよね、あの糞トカゲに、とてつもない恨み、怒り、憎しみを抱いてるのは。」
愉快そうな口調で、俺の頭に手を置く。背筋がゾクリと凍った。
「誰だッ! 俺に何をしようとしてるんだ!」
思わず声を荒げて手を払いのけようとするが、体が思うように動かない。
「そんなに焦らないでくれよ。まずはお互い、自己紹介といこうじゃないか。」
ニヤリと笑うその顔には、何か企むような光があった。
「僕の名前はキファ・アウストラリス。……まぁ、あまり知られていない名前だろうね。でも、こう言えば分かるかな? 六神聖の【怒り】を冠する者だよ。」
「六神聖……? 怒り……? さっきから何を言ってるんだ……ていうか、頭を撫で続けるのやめろ!」
キファは楽しそうに指をくるくると回しながら話す。
「六神聖とは、500年ほど前にあの糞トカゲとの戦いで、特殊な力を使って戦った者たちのことさ。」
「500年前の戦い……? そんな昔の話、今の俺に何の関係があるんだよ?」
俺の疑問を置き去りに、キファはにやりと笑う。
「それよりも気にならないかい? ここがどこなのかって。」
「ああ、そうだ……ここは一体……」
まさか、俺は……
「ここって、天国か? それとも地獄か? 俺は死んだのか?」
キファは小さく笑う。
「ははっ、違う違う。ここは僕が封印されている場所さ。」
「……封印?」
「うん、君はすごいよ? だって僕の封印の中まで入ってこれたんだからね。」
褒めるように言うその声には、微妙に不気味な響きが混ざっていた。
「……それって、どういうことだ?」
「ここに来るには三つの条件を満たしている必要があるんだ。」
キファは指を一本立てる。
「一つ目、四大魔法をすべて扱える者。」
二本目の指が立つ。
「二つ目、あの糞トカゲとの戦いで生き延びた者。」
そして最後、三本目。
「三つ目、僕が君をここに入れようと思ったか。」
息を呑む。
「……もし、この三つのうち一つでも満たしてなかったらどうなってたんだ?」
キファは一瞬黙り込む。
――そして、無邪気な笑顔を浮かべながら言った。
「それはねぇ、四肢が破裂してたかな? ははっ」
背中を冷たい汗が伝った。




