模擬戦
朝焼けが空を染める中、セナ、カナト、キティンの三人は道場の中央に立っていた。今さっき学んだばかりの“練得魔法”を体に馴染ませてる
その時セナがある提案をした
「3人で一度模擬戦をしないか?」
キティンはセナの方を向いて答えた
「それは良いわね!必ず1対1の戦いになるとは限らないし」
カナトもそれを聞いて頷いた
セナが開始の合図を何にするかを聞いた
キティンは小石を手に持って言った
「ならこの石を投げて石が地面に当たった直後から開始はどうかしら?」
2人ともそれを聞いて頷いた
そらを見たキティンは小石を3人の真ん中に投げた
石が地面につくのと同時
カナトが最初に仕掛けた。鋭い踏み込みとともに、一撃をセナに浴びせる。その剣筋は無駄がなく、洗練されていた。セナはとっさに剣を横に構えて受け止めるが——
「重い……っ!」
カナトの木剣は想像以上に重く、腕に鈍い衝撃が走る。しかし、そこで止まっていては斬られる。セナはカナトの力を利用して後方へと跳び、距離を取る。
「次はこっちよ!」
だが、すぐさまキティンが間合いを詰める。彼女の剣は速く、しなやかだった。セナは横薙ぎの一閃を紙一重で避け、カウンターを狙う。しかし——
「甘い!」
カナトの木剣がすぐに横から振るわれ、セナの攻撃を阻む。防御からの即座の反撃。その動きの流れが完璧すぎて、セナは思わず舌を打った。
[…二人とも、すげえな]
キティンはスピードを活かして隙を突き、カナトは力強さと技術で制圧する。セナは二人の動きを見極めながら、次の一手を考えた。
[速さのキティン、強さのカナト……なら、俺は——]
セナは地面を蹴り、一気にキティンの懐へ飛び込んだ。彼女の剣の速さに対抗するため、距離を潰す。至近距離なら、キティンの剣は振りづらいはず——
「っ……!」
キティンが驚いたように目を見開いた。セナはその一瞬の隙を逃さず、剣を振る。しかし——
「考えることが単純すぎる!」
カナトの木剣が割り込む。衝撃が腕に伝わり、セナは攻撃を止めざるを得なかった。
「……ちっ、やっぱカナトがいると厄介すぎるな」
「お前が甘いだけだろ」
余裕の笑みを浮かべるカナトに、セナは小さく唇を噛む。
カナトが鋭い踏み込みでセナに斬りかかる。重い一撃を受け止めたセナは、その衝撃を利用して後ろへと跳ぶ。しかし、すぐにキティンが前に出た。
「甘いわよ!」
彼女の剣が閃く。セナは反射的にかわすが、その瞬間、キティンの掌に赤い光が宿る。
「——燃えろっ!」
火球が生成され、セナの脇腹を狙って弾けるように放たれた。
「っ!? そっちもありかよ!」
セナは転がるように回避しながら、剣を振るう。しかし、その間にキティンはさらに接近し、剣と火球の連携でセナを追い詰める。
「火と剣、両方使うのはずるいだろ!」
「魔法も戦いの一部でしょ?」
キティンは笑いながら再び火球を生み出し、剣と共に攻撃を仕掛ける。しかし——
「させねえよ」
カナトが横から入り、セナの剣を弾きながらキティンにも攻撃を仕掛けた。キティンは咄嗟に火球を爆発させて距離を取る。
「ふぅ、なかなかやるわね」
戦いは続き、三人の剣と火球が交錯する。
戦いはまだ続く。三人の剣が交錯し、静かな草原に木剣の打ち合う音が響き渡る
草原にはそれを見つめる二つの影があった。
「……悪くはないな」
アキレアが腕を組見ながら言った
その隣には、ブレンネンデスが仁王立ちをしながら腰に手を当てていた
「だが、まだまだだな」
ブレンネンデスは目を細め、戦いを見つめる。
「三人とも動きに無駄が多い」
アキレアは微かに笑い、キティンの動きを観察する。
「キティンは剣と火球を組み合わせているけど、攻撃が単調になりがちね。火球をもっと別の形で使えれば、さらに脅威になるはず」
「カナトさんだっけな?彼は技術が洗練されているが、防御に回った時の対応が甘い」
「セナは……まあ、まだ伸びしろがあるな」
ブレンネンデスが微かに笑い、3人の中央へと歩み出た。
「そこまでだ」
ブレンネンデスの声が響く。セナ、カナト、キティンは息を整えながら振り向いた。
「お前ら、動きが悪くはないが、まだまだだな」
「……何が悪いんだ?」
セナが息を切らしながら問いかけると、アキレアが静かに口を開く。
「まず、セナ君は攻撃の流れを止めすぎだ。力を抜いて、もっと連続した動きを意識するといい、それと魔力がしっかりと身体中に巡りきれていない」
「キティン、お前は火球の使い方が単純すぎる。例えば、剣の軌道に合わせて火球を爆発させれば、相手は防御も回避も難しくなる」
「カナトさんは攻める時はいいが、受けに回ると隙ができる。そのままじゃ、もっと上の相手には通用しねえぞ」
ブレンネンデスがニヤリと笑い、剣を構える。
「お前ら、俺を相手にしてみろ。今のままじゃこれからの戦いには絶対に勝てない」
そういうとブレンネンデスは大きな木剣を担いだ
朝焼けが草原に差し込み、微かな埃が光を帯びて舞う。その中央に立つのは、一人の男それに対して
セナ、キティン、カナトの三人は緊張しながら剣を構えていた。
「三対一……熱くなりそうだ来いよ、お前ら」
ブレンネンデスは口元を歪め、ゆったりとした構えを取る。それを見たアキレアが、静かに場を見渡した。
「ルールは簡単。君たちは協力してブレンネンデスを倒せ。殺し合いじゃない、でも全力で行け。じゃないと、何も得られない」
「当然だ」
カナトが剣を握り直し、セナが息を整える。キティンは小さく炎を灯し、ブレンネンデスを睨んだ。
「——始め」
アキレアの宣言とともに、戦いの幕が開いた。
ブレンネンデス vs 三剣士
最初に仕掛けたのはカナトだった。
「はぁっ!」
鋭い踏み込みから、一撃を放つ。しかし——
「遅い」
ブレンネンデスはわずかに体を傾け、剣の軌道を見切ると、逆に木剣の腹でカナトの懐を殴りつけた。
「ぐっ……!」
カナトが吹き飛ばされる。しかし、その瞬間にはセナが横から回り込み、斬撃を繰り出していた。
「おおっと」
ブレンネンデスは一歩後退しつつ、剣を横に払う。その勢いにセナは押し負け、体勢を崩した。
「火球!」
そこにキティンの魔法が飛ぶ。赤い炎が空気を裂き、ブレンネンデスを包もうとする——が、
「そうそう、こういうのを待ってたぜ」
ブレンネンデスは木剣を振り上げ、火球を叩き落とした。炎が爆ぜ、燃え尽きる。
「なっ……!」
「魔法に頼るなとは言わねぇが、それ単体じゃ俺には効かねぇよ」
ブレンネンデスは木剣を軽く回しながら、余裕の笑みを浮かべた。
「で? もう終わりか?」
「……ふざけるな!」
カナトが再び立ち上がり、セナとキティンと目配せを交わす。
[単体じゃ絶対に勝てねぇ。でも、三人なら……!]
「行くぞ!」
三人は一斉にブレンネンデスに襲い掛かった。
カナトの剣が先手を取る。強烈な踏み込みで斬撃を放つと同時に、セナが横から回り込む。ブレンネンデスはカナトの剣を受け流し、すかさずセナに向き直る。
しかし、それが罠だった。
「今だ!」
キティンが低く飛び込み、至近距離で火球を放つ。
爆発。ブレンネンデスは瞬時に飛び退いた。
[読んでやがった!]
セナが跳び込むが、ブレンネンデスは剣を逆手に持ち替え、柄の部分でセナの腹を突いた。
「ぐっ……!」
セナが膝をつく。しかし、その間にカナトが斬撃を放ち、ブレンネンデスが後退する。
「キティン、もう一発!」
「待ってた!」
キティンが再び火球を生成する。しかし今回は、剣の軌道と完全に合わせたタイミングで放たれていた。
剣が火球を導き、火球が剣を加速させる。
ブレンネンデスの表情がわずかに変わる。
「へぇ……面白ぇ」
瞬間、ブレンネンデスの木剣が光を裂いた。
ドンッ!!
衝撃が響く。
キティンの火球が爆ぜ、セナの剣が受け流され、カナトの剣が弾かれる。
「——まだまだだな」
ブレンネンデスは息を乱さぬまま、木剣を肩に担ぎ直した。
セナ、キティン、カナトは肩で息をしながら、それを見上げる。
「……くそ、まだ足りねぇのか」
カナトが悔しげに呟く。
「いや、悪くなかった」
アキレアが静かに言葉を挟む。
「最初の連携は甘かったが、最後の攻撃はなかなか良かった。キティンの火球とセナの剣を合わせたのは悪くない発想だ」
「……でも通じなかった」
セナが歯を食いしばる。
「そうだな」
アキレアは頷きつつも、続けた。
「けど、それを続けることが大事だ。お前たちは、確実に強くなってるしかも私も見たことのない速度で」
「……へへ、本当?」
キティンが笑う。
「当たり前だ」
ブレンネンデスが満足げに鼻を鳴らした。
「ただし、まだまだだな。もっと鍛えてやるから、覚悟しとけよ」
セナ、カナト、キティンは息を整えながら、笑い合った。




