新たな仲間
セナは腕を組みながら少し考え込み、ゆっくりと口を開いた。
「俺は…そうだな。頼りになって、一緒にいて楽しい人がいいかな?」
キティンは頷きながら、すぐに紙に文字を書き始める。
「なるほどね、それなら──こんな感じでどう?」
【チームメンバー募集中!】
剣士・魔法使い・冒険好き、大歓迎!
俺たちと一緒に旅をしよう!
四大魔法すべてを使える不思議な少年と、ちょっと可愛い(本人談)少女があなたをお待ちしています!
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「……なあ。」
セナは、看板の文面を眺めながら、眉をひそめた。
「‘ちょっと可愛い(本人談)’ って、なんだよ。」
「そのまんまよ! 私は可愛い! でも謙虚だから ‘ちょっと’ をつけたわ!」
キティンは胸を張るが、セナは呆れたようにため息をつく。
「謙虚って、そういうもんじゃないだろ……」
「じゃあセナはどうなのよ?」
「どうって?」
「ほら、あんたも ‘四大魔法すべてを使える不思議な少年’ って書いてるじゃない。こっちのほうが盛ってない?」
「いや、それは事実だろ。」
「私の ‘可愛い’ も事実だけど?」
「うわ、強気……」
「なに? 文句あるなら ‘ちょっと’ 消して ‘めちゃくちゃ可愛い’ にしてもいいけど?」
「やめろ! 詐欺になる!」
「ぐぬぬ……! こうなったらセナだって ‘可愛い’ って入れてやるんだから!」
キティンが紙を奪い取ろうとしたのを、セナが慌てて阻止する。
「やめろ、絶対にやめろ! 俺は可愛くない!」
「何よ、私はセナも可愛いと思ってるのに……」
「そんな評価いらん!」
バタバタと揉み合っていると、周囲の冒険者たちが「何やってんだ……」と遠巻きに見守っていた。
そんな中、不意にガツンと肩を叩かれる。
「おい、坊主たち! さっきは助かったな!」
二人がハッとして振り向くと、黒髪の男がニヤリと笑っていた。
「あんたは……」
セナが目を瞬かせる間に、その男はセナたちが書いている紙を見て、興味深げに言った。
「お前たち、旅をするのか? なら、俺を連れてかないか?」
セナとキティンは、目を合わせると、喧嘩を忘れて黙り込んだ。




