緋猫の尾
セナが街の中を歩きながら、ふと気になったことを口にする。
「なあ、修行って今日してなかったけど、大丈夫なの?」
キティンは少し顔を下げながら答えた。
「うん、お父さんが今日は休んでいいって。昨日いろいろあったし……」
「それならいいけど……」
セナがホッとしたのもつかの間、キティンがふと顔を上げる。
「そういえばセナ、新しい服を買ったじゃない? せっかくだし、それを着て一回ギルドに行って、仕事を受けてみない?」
その言葉に、セナは少し驚いたが、すぐに頷いた。
「それ、いいかもな! ちょうど試してみたかったし、行こう!」
「よし、じゃあ先に家に寄って武器を取ってこよ!」
二人は家に戻りる途中
セナは若いここら辺では見ない服装の黒い髪をした男とぶつかった
セナは急いで謝った
「すみません、急いでいたもので」
黒い髪の男はセナに謝った後聞いた
「ああ、坊主俺もぶつかってすまないな!ところでギルドがどこかを知らないか?ここら辺は慣れない土地で」
するとセナとキティンは黒い髪の男に丁寧にギルドへの道のりを教えた
そして急いで家に帰りキティンは素早く支度を済ませると、セナも新しい服に着替え、ロングソードを腰に携えた。
「よし、準備OK! じゃあ行くぞ!」
「うん!」
ギルド前。
「はぁ、疲れたぁ……」
セナとキティンは走ってきたせいで、少し息を切らしていた。お互いに顔を見合わせ、少し笑ってからギルドの扉を開く。
チャリチャリン……
ギルドの扉が開くや否や、カウンターの奥から駆けてくる足音が聞こえた。
「セナさん、キティンさんですよね! お久しぶりです!」
そう言って駆け寄ってきたのは、受付嬢のミアだった。相変わらず明るい笑顔を浮かべている。
「ギルド登録した日にパーティを組む話をしていたかと思いますが、まだパーティ名を決めていませんよね? せっかくなので、決めていきませんか?」
セナとキティンは顔を見合わせる。
「うーん……」と考え込むセナに、キティンが覗き込むように言った。
「どうする? せっかくだし、かっこいい名前がいいよね!」
「うーん……」
セナは腕を組んで考えた。すぐに思いつくわけもなく、ぼんやりと目の前のキティンを見つめる。
赤くなびく後ろ髪。生き生きとした可愛らしい猫耳。
「……緋猫の尾とか?」
セナの言葉に、キティンが驚いたように瞬きをする。
「緋猫の尾……」
一度、呟くように繰り返し、それから嬉しそうに微笑んだ。
「いいじゃない! かっこいいし、ちょっとかわいい!」
「だろ?」
セナが得意げに笑うと、キティンはふっと赤面しながらそっぽを向いた。
「べ、別に、そんなに見つめないでよ……」
「え? いや、別に……」
そんなやり取りをしていると、ミアが楽しそうに笑った。
「決まりましたか?」
「ええ、決まりました! 私たちのパーティ名は…
『緋猫の尾』です!」
「『緋猫の尾』ですね! かしこまりました!」
ミアはカウンターから紙を取り出し、二人のパーティ名を正式に登録する。
「これで、お二人のパーティがギルドに登録されました! それから、パーティのシンボルを決めることもできますよ。どうしますか?」
キティンがわくわくしながら言った。
「やるやる! 決める!」
ミアが紙を持ってきてキティンに渡すと、彼女はすぐにペンを取り、さらさらとデザインを描き始めた。
「こんな感じでどう?」
キティンが見せたのは――
「緋色のしっぽが丸く弧を描いて、その中心にシンプルな猫耳のマークを入れてみたの!」
セナがのぞき込み、「おお、それっぽいじゃん!」と感心する。
すると、ミアが微笑みながら言った。
「それでは、このシンボルを登録しますね」
彼女が手元の紙に文字を書き込むと、シンボルがふわりと浮かび上がるように刻まれた。
「さて、これで正式に『緋猫の尾』がギルドに登録されました!」
ミアは手を叩きながら、もう一つ紙を差し出した。
「パーティメンバーの募集もできますが、どうしますか?」
キティンとセナは顔を見合わせる。
「……確かに、私たちの目的は旅をすること。でも、二人だけだと難しいこともあるよね」
「だな。もう一人くらい仲間がいたほうがいいかもな」
「決まり! 募集の張り紙作ろう!」
キティンはさっそく紙を受け取り、セナと相談しながら募集文を書き始める。
こうして、二人のパーティ『緋猫の尾』は新たな仲間を探し始めたのだった。




