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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
30/63

特訓開始!

この話はキティン目線で書きます


「んん…よく寝た…」


キティンはゆっくりと布団から這い出ると、まだ薄暗い部屋の中をそっと歩いた。隣で寝ているセナを起こさないよう、そっと息を潜めながらドアを開ける。朝の空気はひんやりとしていて、心地よい冷たさが肌を撫でた。


リビングへ向かう途中、廊下の窓から外を覗くと、東の空がわずかに明るみ始めている。柔らかな朝焼けが静かに世界を照らし始めていた。


「おはよう!お兄ちゃん!お父さん!」


キティンは勢いよくリビングのドアを開け、元気な声を響かせた。


アキレアはテーブルに肘をついたまま、眠たげに目をこすりながら顔を上げる。ブレンネンデスも椅子にもたれかかりながら、少しぼんやりとした表情で視線を向けたが、すぐにニッコリと微笑んだ。


「おはよう、キティン」

「うむ、おはよう」


「ねぇねぇ、お父さん、お兄ちゃん、ちょっと頼みがあるんだけど……いい?」


キティンはテーブルの前に立ち、少し照れくさそうにしながらも、真剣な眼差しで二人を見つめた。指をもじもじと動かしながらも、決意を込めて言葉を続ける。


「今日から毎朝、二週間……セナの誕生日の日まで、私たちに修行をつけてくれない?」


ブレンネンデスとアキレアは、一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐに顔を見合わせて笑った。


「そんなことか!もちろんいいぞ!」

アキレアが楽しそうに頷く。


「だがキティン、セナ君の誕生日プレゼントは決まっているのか?」

ブレンネンデスが腕を組みながら、少し気になった様子で尋ねた。


「それが、まだ決まってないのよね……一緒に考えてくれない?」

キティンは少し困ったように頬をかきながら、二人の顔を交互に見た。


すると、奥から声が飛んできた。


「いいわねぇ!誕生日プレゼントか……私だったら化粧品をあげるかしら」


リリーがニコニコしながら、テーブルに肘をついて話に加わる。楽しげな表情を浮かべていたが、その目は少し悪戯っぽい。


「それはお前が欲しいだけだろ!」


アキレアが即座にツッコミを入れると、リリーは悪びれることなく笑った。


「アハハ!バレた?」


「ちょっとお兄ちゃん、お姉ちゃん!ちゃんと真面目に考えてよ!」


キティンはむくれた表情で頬を膨らませる。


「じゃあ……マフラーをやればいいんじゃないか?」

アキレアがニヤリとしながら提案した。


キティンは少し考え込み、眉をひそめる。

「……でも、セナはその意味を知ってるのかしら?」


「意味なんて知らなくてもいいんだよ。大事なのは気持ちだろ?」

アキレアはキティンの肩をポンと叩きながら、真剣な眼差しで後押しする。


「……分かったわ。セナに渡す、マフラーを」


キティンは少し恥ずかしそうにしながらも、しっかりとした口調で言った。その頬がほんのり赤くなっているのを、アキレアとブレンネンデスは微笑ましげに見守っていた。


「おう!頑張れよ!」

「うむ、いい決断だ!」


二人が元気よく声をかけると、キティンはパッと顔を上げた。


「じゃあ、とりあえず修行の準備をお願いしてもいい?」


「もちろんだ!セナも連れておいで!」


「分かった!セナを起こしてくる!」


キティンは意気込んで部屋のドアを開けた。心の中は、修行とセナの誕生日に向けてワクワクでいっぱいだった。

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