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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
29/63

ナイスファイト?


「やぁ! やぁ! やぁ! 熱い闘いだったね〜! それとも、熱い腕相撲のほうが良かったかな?」


キファは高テンションでセナに話しかけ、楽しげに顔を輝かせた。


「…やっぱり、この感覚…またこっちに来たのか。なあ、なんで今回は呼ばれたんだ?」


セナは頭を押さえながら、混乱した様子で問いかける。


「それはね〜君が条件を満たしたからさ!」


キファはニヤニヤしながら、もったいぶるように答えた。


「おいおい…条件ってなんだよ」


セナは訝しげに眉を寄せる。


「ずばり! 君が僕の与えた力…“怒りの力”を使ったからだよ!」


キファは得意げに指を立てて説明した。


「怒りの力…? 俺、そんなの使ったか?」


セナは戸惑いながら首をかしげる。


「うんうん、腕相撲の時に力が湧いてきたでしょ? あれが怒りの力。つまりね、君が怒る、イラッとする、意味不明な状況にストレスを感じる…そういう時に力が発動するわけ。


まぁ、怒りの度合いでパワーの増減はあるけどね」


キファは愉快そうに語りながら、セナの反応を楽しんでいた。


「…ってことは、俺は知らないうちにその力を使ってたのか」


セナは納得しかけたが、どこか腑に落ちない表情を浮かべる。


「…でもさ、そんな力を使って、俺…大丈夫なのか?」


「さぁね? ま、それは君次第ってことで!」


キファは軽く肩をすくめ、無責任な笑みを浮かべる。


「…はぁ。で、もういいか? 俺、帰っていい?」


セナは面倒くさそうにため息をついた。


「あっ待った! まだ言いたいことがあるんだよね〜」


キファは指を三本立てて、不敵に笑う。


「その一、君を追いかけたオオカミ、あいつとはしばらく関わらないこと。


その二、今月が終わるまで遺跡に近づかないこと。


そしてその三! “オトメの心”を少しは理解できるように頑張りなさい!」


「お、おう…って、最後の一個なんだよそれ」


セナは困惑しながらも、渋々うなずいた。


「じゃ、そういうことで!」


キファが満足そうに笑った直後、セナの意識はふっと途切れた

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