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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
22/63

初の仕事

「よーし!ギルドに行くわよ!」

キティンは手を叩き、少しワクワクした顔で声を上げた。


「おーっ!」

セナも元気よく続いた。


「なぁ、武器とかはあるのか?この前のゴブリンの時、枝で戦うのはさすがに大変だったんだけど…」

セナは不安そうに尋ねる。


「ふふん、そう来ると思ったのよ!ジャジャーン!」

キティンは得意げに両手を広げ、荷物から長い布に包まれたものを取り出した。


カタッ。


「おお…!って、これ何だ?」

セナは目を丸くした。


「昨日の夜、セナが寝た後にお父様からもらったの。『初めての仕事だから』って、特別にロングソードを二本!」

キティンは誇らしげに剣を掲げた。


「結構いい剣に見えるけど…本当に貰ってよかったのか?」

セナは少し遠慮がちに尋ねる。


「もちろん!これからは依頼で戦うんだから、武器は必須でしょ」

キティンは自信満々に頷いた。


「なら、ありがたく貰うよ」

セナは剣を手に取ったが、思ったより重く顔をしかめる。


(…重いな)

心の中でつぶやきつつも、しっかりと握りしめた。


「それから、これ!」

キティンは今度は二冊の本を見せる。


「お母様からの贈り物。ひとつは治癒魔法、中級まで。もうひとつは火炎魔法で、これも中級まで載ってるの」


「へぇ、そんな本まで…」

セナは目を輝かせた。


「私、治癒魔法に適性があるから、治癒の方はもらうわね。いいでしょ?」

キティンは少し照れたように笑う。


「もちろん!でも火炎魔法は俺にも見せてくれよ」

セナは嬉しそうに答えた。


「ええ、一緒に勉強しましょう!『エンチャント』とか『フレイム』も載ってるのよ!」

キティンは目を輝かせながらページをめくった。


そう話しているうちに、二人はギルドの建物の前に立っていた。


「ついに来たわね…!私も初めてだから緊張する」

キティンは少し不安そうに扉を見つめる。


「そういえばキティンって、魔物と戦ったこと…ないのか?」

セナはふと疑問を口にした。


キティンは一瞬だけ目を逸らす。

「…と、とりあえず入りましょう!」

強気に言いながら扉を押した。


「今、顔そらしたぞ」

セナは小声でつぶやいた。


「え?何か言った?」

キティンは慌てて笑顔を作る。


「いや、なんでもない」

セナもひきつった笑みを浮かべた。


チャリチャリン──扉の鈴が鳴る。


「いらっしゃいませ!セナさん、キティンさんですね。依頼は掲示板に貼ってありますよ。初めてだと思うので、見やすいD級から探すといいですよ!」

受付のミアが元気よく声をかけた。


「はい!」

セナは緊張しながら返事をした。


「えーっと…B級の依頼、『村の近くに現れたオーガ討伐』…これはちょっと厳しそうね」

キティンは貼られた紙を見て首をひねる。


「俺はあっちの『キュイヴルシープの駆除』がいいと思う。D級だし、近くに野原もあるみたいだから、素材の収穫とかもできそうだ」

セナは紙を指差しながら言った。


「それ、いいわね。私も賛成!」

キティンは笑顔で頷いた。


「すみません、この依頼をお願いします」

セナはミアに発行書を差し出す。


「はーい、キュイヴルシープの駆除ですね。羊に似てて狩りやすい魔物ですが、毛皮が硬いので注意してください。倒した魔物はこの荷車に入れて、ここまで運んできてくださいね。では依頼受理です!」

ミアは説明を添えて、証明書を渡した。


「よし!じゃあ門を出て真っ直ぐの村へ向かいましょう!」

キティンは決意を込めて言った。


「ああ!」

セナも力強く答え、二人はギルドを後にした。


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