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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
23/63

キュイヴルシープ

「なぁキティン、キュイヴルシープってどんな魔物なんだ?」

セナは歩きながら尋ねた。探るような視線を向ける。


「毛が硬いらしいわ。食べてる草によって硬さが変わるそうよ。それと、頭のあたりは毛が薄いから狙いやすいって聞いたわ」

キティンは得意げに答える。


「へぇ、なるほどな」

セナは感心し、前方をじっと見据えた。


──10分後。


「おっ、見えた!あれが…キュイヴルシープか。なんかキラキラしてるな」

セナは目を凝らし、思わず声を上げた。


「セナ、やるわよ」

キティンの目が真剣に光る。


「でも食事中だぞ?大丈夫か…?」

セナはためらいがちに言うが、キティンはちらりと睨んだ。


そこへフューズが現れる。

「おい!おいらを忘れてねぇか!」


「あら、精霊さんいたのね」

キティンは驚いたように言った。


「なんだよ除け者扱いか?あの犬っころから助けてやったのにさ」

フューズは拗ねてそっぽを向く。


「ごめんごめん、そんなつもりじゃないわ」

キティンは慌てて謝った。


「ふん!ここはおいらがカッコよく決めてやる!」

フューズは胸を張り、風魔法を放つ。


『ウィンドカッター!』


カキィィィィンッ──金属を削るような音が響いた。

だが、群れの大半は驚いて逃げてしまう。


「おい!逃げてるぞ!」

セナは叫んだ。


「え、いい感じだったと思ったんだけどなぁ…」

フューズは肩を落とす。


その時、群れの中でひときわ大きなキュイヴルシープがこちらを睨んだ。

「メェェェェェッ!」


「なぁキティン、あれ…こっちに来てないか?」

セナは青ざめた。


「来てる!セナ、剣を抜いて!」

キティンが叫ぶ。


「うおおぉっ!」

セナは構え、突進してくる羊を受け止めた。


ガキィィィン!──剣と角が激しくぶつかり合う。

その勢いを利用して、セナは反撃に転じた。


「ドリャァッ!」


グシャッ。

刃が首筋を裂き、巨体が地面に崩れ落ちる。


「やったわ!セナ、すごい!」

キティンは目を輝かせた。


セナは息を整えながら手の小さな切り傷を見せる。

「なぁキティン、これ治せるか?」


「見せて。──『ヒール』!」

キティンの手から柔らかな光が広がり、傷が消えていく。


「おおっ!痛みも消えた!最高だ!」

セナは感動の声を上げた。


「ふふん、でしょ?」

キティンは少し照れくさそうに笑った。


「って、お前ら!残りの羊が逃げちまうぞ!」

フューズが叫ぶ。


「まあ、初めての狩りだし一匹で十分よ」

キティンは微笑んで答えた。


⸻


──1時間後。ギルドにて。


チャリチャリン。


「持ってきたぞ!」

セナは自慢げに羊を荷車から降ろした。


「おおっ…キュイヴルシープですね!鑑定しますのでお待ちください」

スタッフが手際よく確認する。


「……傷は多いですが、よく仕留めましたね。ティーア銀貨8枚でどうでしょう?」


「セナ、上出来よ!キュイヴルシープは傷が多いと値が下がるの。それで銀貨8枚はかなり良いわ!」

キティンは嬉しそうに言った。


「じゃあ、それでお願いします!」

セナは頷いた。


「了解です。依頼の報酬2枚を加えて、合計10枚になります!」

スタッフは銀貨を差し出した。


「これが…ティーア銀貨…どう使えばいいんだ?」

セナは戸惑ってキティンを見る。


「新しい服を買いましょ。セナの服、かなり汚れてるし」

キティンは優しく微笑んだ。


「そうか…じゃあ頼むよ」

セナは少し照れながら答えた。


「それと、通貨の種類はね──ティーア小銅貨、大銅貨、銀貨、金貨、白金貨、ミスリル貨の順よ」

キティンは説明する。


「そんなにあるのか!」

セナは驚いた。


「ちなみに銀貨10枚あれば、ブラックレオリングリズリーのステーキを二人で二回は食べられるわよ!」

キティンはにこっと笑った。


「マジか!!」

セナの目が輝く。


「そろそろ暗いし、帰りましょうか」

キティンが空を見上げる。


「ああ」

セナも頷き、二人は並んで歩き出した。


大体ティーア小銅貨1枚十円ティーア大銅貨百円ティーア銀貨千円ティーア金貨1万円ティーア白銀貨10万円ティーアミスリル貨100万円です!なのでブラックレオリングリズリのステーキ肉は一枚2500円くらいって事ですね。


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