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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
18/63

お風呂

セナは少し困ったように頭を抱えながら、心の中で考えた。

[んー、どうしたものかな…]


キティンは元気に言った。

「じゃあ!ついてきてセナ!まずはお風呂に案内するわ!」


セナは少し迷いながらも、仕方なく答えた。

[この空気で断るなんて出来ないよなぁ。しかも屋敷も相当でかいし…風呂もとんでもない広さだったりして。]

「おお、案内を頼むよ。」


キティンは嬉しそうに頷いた。

「セナ、ここがお風呂よ。ゆっくり浸かって休んでね!」


セナは一瞬きょとんとしたが、ありがたく受け取ることにした。

[“待っててね”って意味かと思ったけど…まぁ気にするな。風呂なんて久しぶりだし、ありがたく入らせてもらおう。]

「あぁ、入らせてもらうよ。」


ガタァ…


セナが扉を開けると、思わず声を上げた。

「広っ!これもう風呂っていうより温泉だろ…!しかも手入れが行き届いてて綺麗だ。」


服を脱いで湯に浸かると、心からリラックスした声が漏れた。

「はぁぁぁ…良い湯だなぁ〜」


その時――。


ガタッ


突然、扉が開く音がした。セナが振り向くと、そこにはキティンの父・ブレンネンデスの姿が。

セナは思わず声を裏返らせた。

「うわっ…って、お父さん!?」


ブレンネンデスは大笑いした。

「ハァッハァッハァッ、《お父さん》か!面白い奴だな! ところでセナよ、我が娘とどういう関係なんだ? あれほど懐くなんて珍しいぞ。まさか……」


セナは顔を真っ赤にして必死に反論した。

「ストップ! おれはただの冒険仲間です!しかも冒険を始めたばかりだ!」


ブレンネンデスはますます豪快に笑った。

「ハァッハァッハァッ!そうかそうか、よっぽど仲が良いようだな!」


セナは内心ため息をついた。

[んー…やっぱこの人、扱いづらい…]


気を取り直して、前から気になっていたことを口にした。

「ところで一ついいですか? 冒険者なのに、どうしてこんなに裕福なんです?」


ブレンネンデスは懐かしそうに遠くを見やり、誇らしげに言った。

「ふむ、まぁ理由は簡単だ。我らは元々、騎士の家系でな。冒険者でありながら、そういう血筋なのだ。」


セナは納得したように頷いた。

「なるほど…そういうことだったんですね。では、俺はそろそろ上がらせてもらいます。ありがとうございました!」


「おうよ!」


ブレンネンデスの豪快な声を背に、セナは浴室を出た。服を身に着け、扉を開けると――。


そこにはキティンが立っていた。


「良い湯だった?」


セナは目を丸くした。

「うわっ!?まさかずっと待ってたのか?」


キティンはくすっと笑いながら答えた。

「いえいえ、たまたま通りかかっただけ。タイミングが良かったのよ。」


セナは少しホッとしつつも、心の中で呟いた。

[タイミング良すぎるだろ…]


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