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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
14/63

ようやく街に

――ガタガタガタッ。


馬車は全速力で荒野を駆け抜けていた。


「ふぅ……ここまで来れば大丈夫だな。」

セナは大きく息を吐き、振り返ってフューズに笑いかけた。

「精霊さん、本当にありがとう!」


「へっ、あたぼうよ!」

フューズは胸を張って羽をばたつかせる。

「おいらはすごいんだぞ!……でも、ちょっと疲れたから戻らせてもらうわ。」


「助かったよ。お前がいなかったらどうなってたか……本当にありがとう。」


セナの感謝の言葉に、フューズは少し照れたように鼻を鳴らすと、ふっと宝石の中へと戻っていった。


「あれ……?精霊、どこ行ったんだ?」

セナはポケットを探って首をかしげる。


「ちょうどその石に帰りましたよ。」

御者台から後ろを振り返り、キティンが答える。


「あぁ、そういう仕組みか……。」

セナは宝石をそっと撫でながら、心の中で思った。

[……後で磨いてやるか。]


その後は、馬車の揺れに身を任せながら、他愛もない話を交わした。時折、笑い声が木立にこだましていく。


――十時間後。


「うおおおおおっ!!つ、ついたぁぁ!」

街の城壁が視界に飛び込んできた瞬間、セナは思わず叫んでいた。


「ふふっ、元気ですね。」

キティンも嬉しそうに笑う。

「ところでセナ、この後はどこへ行くつもりなんです?」


「んー……。」

セナは少し考え込む。

「まだ決まってないんだよな。ただ一つ言えるのは……俺は、もっと強くなりたい。」


キティンは顎に手を当てて、提案するように言った。

「なら、冒険者ギルドはどうですか?」


「ギルド?」

セナは首をかしげる。


「ええ。魔物の討伐や薬草の採取、護衛の依頼なんかを引き受ける組織です。実力をつけたいなら、うってつけですよ。」


「へぇ……いいじゃねぇか!」

セナの目がぱっと輝く。

「よし、決まりだ!ギルドに行こう!」


こうして二人は街に入り、冒険者たちが集う場所へと歩を進めるのだった。

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