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とある悪役視点

sideマリン・クォーツ


あの日、あの人と初めて出合ったとき、私はあの人に恋をしたの。


あの意思の強い瞳に恋をしたの。





あの人……カレン・ストレンジャーに私は恋をした。


しかし、私と彼女は同性同士。それに、私はジェイド王子の婚約者だった。


確かに、私はジェイド王子を愛していた。側で支えていきたいと思っていた。


しかし、その思いは決して恋愛から来るものでは無いことを知っていた。


家族愛に似た感情をジェイド王子に抱いていた。


産後まもなく亡くなってしまった母と弟と同じ緑色の瞳を持つ彼を、家族のように弟のようの大切に思っていた。


だから、私より小さく頼りない彼を支えたかった。


ジェイド王子は本当に無垢な少年だった。何をするにも、侍従に何でも確認して侍従はジェイド王子の代わりに何でもやって上げていた。


そんな彼が愚かで愛おしく感じた。


彼に王宮への出入りを禁じられた時は、弟を失った時と同じくらい悲しかった。


だから、彼の暗殺計画があると知ったとき、バレンシア国務大臣に激怒した。


私の弟の代わりに、彼は幸せに暮らして欲しかったから。


彼のことばかり考えているとき、彼女に出会ってしまった。


そして確信してしまった。彼女が私の運命の人だと。


この溢れんばかりの思いを抑えることができず、次期王妃としてだれにも肩入れしてはいけないのに、彼女の喜ぶ顔が見たくて彼女に色々な物を与えてしまった。


本当は名乗り出るつもりはなかった。でも、彼女は私を見つけてくれた。


私と友達になって欲しいと言われたときは、いますぐ死んでも構わないと思った。


彼女と友達になってから幸せだった。


だけど、ジェイド王子がカレンに好意を持っていると知ったとき、複雑な気持ちになった。


ジェイド王子が素直にカレンに好意を伝えている事が羨ましく妬ましく思った。


ジェイド王子に大切なカレンを奪われると思った。


でもね、私は本気でジェイド王子がカレンを選ぶなら応援しようと思ったの。弟のように大切な存在であるジェイド王子が幸せなら、この恋心を押し殺そうと思ったの。


だから、あの時ジェイドがカレンのために私を追い出すと決めたと知ったとき、一つの賭けにでたの。


パーティー後、カレンが私を追いかけてくるかどうかを。


実は私には断片的だけど、私以外の記憶があるの。


うんん。私の記憶なんだけど、私以外の7人の記憶。

そのどれも、カレンをジェイド王子やマーレ達に取られるショックでジェイド王子達を殺そうとする記憶。


ー卒業パーティーで、カレンを拐おうとして、ジェイド王子やマーレに邪魔される世界。



ー修道院を訪れたカレンを拐おうとして失敗。ジェイド王子やルカに見つかってしまい、修道院の地下牢に幽閉される世界。



ー敵国と手を組み、国を襲って混乱に生じてカレンを連れだそうとするも、ジェイド王子に邪魔される世界。


ーカレンを排除しようと私兵を集めるリリスを倒すため私も私兵を集めた。リリスを倒そうとするも、リリス共々、ジェイド王子・グレン率いる騎士団に殺されてしまう世界。



私にとっては8度目の人生。


今度こそカレンを手に入れて、幸せに暮らす。それが今の私の目標。


だから、カレンを傷つけ、私から奪う人は誰だろうと許さない。


カレンを傷つけた令嬢は、その父親・兄を閑職へ追いやった。カレンをいじめるような娘や妹を持つ人達。父親や兄も何かしら不正を行っているに決まっている。叩けば埃は沢山でるので、閑職へ追いることは容易にできたの。


カレンいじめの主犯であるリリスは、バレンシア公爵の没落と共に落ちぶれてもらいましょう。陸の孤島の修道院で一生幽閉生活を送ってもらいましょう。


ふふふ、今から楽しみだわ。


それにね、カレンは自分を突き落としたジルなんてどうでもいいって言っていたけど、カレンが良くても私はジルを許さないわよ?


ルチアーノのおじ様にお願いしてね、ジルの罪が明らかになったあと、ジルを斬首して欲しいとお願いしたの。


そしたら、ルチアーノのおじ様は私の願い叶えてくれたの。


家からの手紙で知ったときは嬉しかったわ。





そして、あの日の晩……


カレンは一人で私を追いかけてきてくれた。


私は歓喜の涙をこぼした。


ミランダも追いかけてくる可能性があったから、卒業パーティー前にこの国の事とジェイド王子のことを頼んだの。


ジェイド王子の事が心配だったこともあるけど、私はカレンと二人でいたかった。


だから、ミランダが国から離れられないように縛り付けた。


ミランダもね、今までと違っていたの。ジェイド王子の誕生パーティーで初めて会ったんだけど、今までだったら、あの悪名高い『愛と誠と君と僕』の内容と同じくらい趣味の悪いドレスを着て、ゾフイーと一緒にリリスの取り巻きになるんだけど、今回彼女は黒いドレスに可愛らしいコサージュを身に付け、会場の隅で小さくなっていたの。


多分、あの時から何か予感があったの。何かが変わる予感が。


だから、ミランダとお友達になったの。必要が失くなったら捨てれば良いとおもったの。

でもね、彼女は今までの彼女と異なり、私と同じくらい賢く、沢山の私の知らない知識を持っていたの。それに、彼女と一緒にいれば今まで起きていた悪い事が起こらなかったの。


私は嬉しかったわ。ミランダを上手く使えばカレンを手に入れる事が出来るとおもったから。




そして、ミランダのおかげもあり私はやっと長年の夢を叶えることができたの。


夢にまでみたカレンとの生活。


ふふ、カレンずっと一緒よ?例え、貴女が私から離れたいと思っても、私は絶対貴女を離さない。


カレン


カレン


カレン



カレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレンカレン


カレン……


貴女は私のものよ。



神様、どうか私の最初で最後のワガママを許してください。


ミランダ、どうか貴女は私を許さないでください。私のワガママで、貴女の人生を奪い、利用した私を怨んでください。







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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリーが素晴らしかった 最后の勝利は女主人は本当に予想していませんでした
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