友達視点⑦
カレンと会話がなくなり、暫く経ったある日、カレンが何者かに階段から突き落とされるという事件が起こった。
血相を変えた私とマリンは、カレンが運ばれた医務室へ向かった。
カレンは命に関わるような大きな怪我は無かったものの、頭や腕に包帯を巻いている。
「ジェイド王子がカレンに恋をしている。だから、バレンシア国務大臣一派はカレンを狙ったのかしら?」
ジェイド王子がカレンに熱をあげていることは、すでに公然の秘密となっている。
カレンは嫌がっているが(よく、マリンに愚痴の手紙を送っている)、ジェイドは次期王妃にマリンではなく、カレンを据えるという話もある。
マリンの嫉妬は即闇落ちを意味する。つまり、私の生死に関わる。
マリンにそれとなく、どう思っているのか聞くと、朗らかな笑みを浮かべて、
『ジェイド王子の幸せが一番です』
と言うばかりだ。
「それは違います」
私の予想に判して、カレンは否とこたえた。
「私を突き落とした犯人は………
ジェイド王子の侍従のジル様です」
「え?本当にあのジル」
予想外の人物の名前に私とマリンは目を丸くした。
「はい、間違いないです」
「まさか、ジルが国務大臣と共謀しているの?」
「それはあり得ない。ジルは基本的にジェイド様のためにしか動かない。だから、バレンシア国務大臣と共謀するとは考えられない。きっと………
ジェイド様に素っ気ないカレンを懲らしめようと思って、カレンを突き落としだのだと思うの」
マリンは困った表情をしてカレンを見た。
「それでは、ジル様のことは、ほっときましょう」
おいおい、カレンさんよ。
自分を突き落としだ犯人をほっとくなよ。
「マリン、私のことはどうでもいいのです。もしかしたら私のことを隠れ蓑にして、ジェイド王子の暗殺計画が進むかもしれません。
王子近辺の警護を強化しましょう」
「カレン……」
カレンの言葉に、感動したマリンは目を潤ませながらカレンの手を握った。
カレンはそんなマリンを見て、頬を赤く染める
だから、私を置いて百合展開するのやめてーー!!




