↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/79

71  俺が町の市場に リノアと買い物に来たんだが

 ラドンツの町に到着して3日ほど過ぎた。

 その間、教会でオルレライン司教に、どうやって地下神殿を見つけることになったのかの経緯(けいい)を話して、それに対する質問がなされた。

 もっと、たくさんの聖職者(せいしょくしゃ)の人達、例(たと)えば、あのゴスレグ大司祭みたいな人達に、ずらりと囲(かこ)まれて尋問(じんもん)みたいな感じになるのかなと思っていたけど、俺たちが子供だということで怯(おび)えないようにと配慮(はいりょ)してくれたのだろうか? オルレライン司教とエメンズ司祭だけで、和(なご)やかな感じで行(おこ)なわれた

 どうやら、エメンズ司祭の裏話(うらばなし)ではゴスレグ大司祭が、俺の思っていたような裁判所(さいばんしょ)の法廷(ほうてい)のような尋問会(じんもんかい)を行(おこ)なおうと企(くわだ)ててオルレライン司教に進言していたみたいだが、オルレライン司教がこの教会の責任者(せきにんしゃ)である自分がドーザリブの本協会に直接報告する必要(ひつよう)があるためと、押(お)し切ってくれたそうだ。

 もしかしたら、初日にゴスレグ大司祭と廊下で会ったときがそうだったのかな?

 俺たちを見て凄(すご)く不機嫌(ふきげん)そうだったし。

 正直(しょうじき)、助かった。

 そうして、後の細かいところは大人たちで話し合うそうなので、俺とリノアは解放(かいほう)され、自由となったわけで。

 今日はリノアと一緒に市場を見て回ろうと思っている。

 一般の通りであれば町の子供が安心して遊べるくらい治安は良いというエメンズ司祭の話なので、オズベルト父さんからは時間制限付きではあるが、決して細い道や路地裏などの危(あぶ)ない道に入って行かないことを条件(じょうけん)に、店を見て回ることを許可(きょか)してもらえた。

 さすがにオズベルト父さんにはダメ出しされるかなと思っていたけど、意外とあっさり許可(きょか)が出たのもちょっと意外だった。

 この辺の考え方はオズベルト父さん自身が冒険者(ぼうけんしゃ)であった、今でも冒険者(ぼうけんしゃ)ではあるのだけど、という部分が大きいのかもしれない。

 まあ、前世の日本に比べれば、昼間でも治安(ちあん)がいいわけじゃないのは俺も理解(りかい)しているから、パスレク村みたいにあちこち自由に歩き回るなんてことしたりはしないつもりだけど。

 日本のあれは普通(ふつう)に女の子や小さい子が日が暮(く)れてもそこそこ安全に出歩けること自体凄(すご)いことなんだと思う。

 そういえば、自動販売機が路上にあるのも外国だと珍(めずら)しいらしいと聞いたことがあった。

 なんでも外に設置して置いたら、すぐに壊(こわ)されて、中のお金が盗(ぬす)まれるそうだ。

 日本でもないことはないけど、かなり少ない方で、たまにニュースでやっているのを見かけるくらいだった。

 日本の場合はその自動販売機が外にあることで明かりが点(つ)くことにより、その周囲(しゅうい)が明るくなって暗がりの死角がなくなることにより、より安全になり、結果さらに治安(ちあん)が良くなるという相乗効果(そうじょうこうか)を生(う)んでいるんだって話だったな。

 前世の時は気づかなかったけど、村はもちろんの事、町でも街灯(がいとう)らしいものの碌(ろく)にないこの世界では基本的に夕方までが通常の生活の活動時間となる。

 日が暮(くれ)れれば基本的に月明かりと星明りだけが頼りだ。

 まあ、この世界の月は二つあるので、満月に近ければ、慣(な)れていれば、そこそこ見渡すことができるけど。

 これは薄紫髪(うすむらさきがみ)ツインテール少女天使のパスティエルが俺の基礎能力値を挙げておいてくれたというおかげもあるだろうけどね。

 どちらにしても今回はそんな夕方まで店を見て回るつもりでもないし。

 できればこっそり一人で回る時間を作って、空間収納の中にあるこの地域(ちいき)では珍(めずら)しい品物を、何処(どこ)かの知らない露店(ろてん)で手に入れたということにしたかったんだけど、流石(さすが)にリノアが一緒だと難(むずか)しいだろうな。

 お小遣(こづか)いももらえたけど、とてもそういった品々が買えるような額のお金じゃないし。

 この旅の間に何かそういうチャンスがあるとよいのだけど。

 そうしたら前にも思ったチーズとか七味唐辛子(しちみとうがらし)とかを家族に出してあげることもできるのに。

 俺たちは段々と賑(にぎ)やかになっていく道を並(なら)んで歩いていく。

 さすがラドンツの町!

 賑やかなのは一本道だけじゃなくて、途中大きな十字路になっているところも何か所かあり、そこからもそれぞれ店や露店(ろてん)が広がっている。

 一番大きな道は馬車が通れるくらいの道だが、そういうところはちゃんとした店の中でも高級そうな店ばかりで、俺たちでは入れなさそうな所だろう。

 なので次に大きな道を進む。

 店を構(かま)えているところもあれば、屋台や荷車で売る人もいれば、路上に敷物(しきもの)を敷(し)いて品物を並べて売っている人もいる。

 物凄(ものすご)い雑多(ざった)でゴチャゴチャしてて賑(にぎ)やかで。

 なんか、前世行ったことのあったフリーマーケットのイベント会場みたいな感じがした。

 要はお祭り騒(さわ)ぎみたいで気分が高揚(こうよう)して楽しい。

「いっぱい、いろんなモノがあるね!」

 横を歩いているリノアも声が弾(はず)んで目をキラキラ輝(かがや)かせている。

 それもそうだろう。

 どれもこれもパスレク村では見ることのできない品物ばかりなのだから。

 1ヶ月に数回、村に来る行商人の持ってくる品々だと、どうしても日常生活に必要(ひつよう)な物が中心で、その他の品物はオマケ程度の数しかない。

 あたりまえだけど、やっぱり町の市場だけにたくさんの物で溢(あふ)れ返っている。

 それと合わせて、さすがに人が増(ふ)えてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。