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Chime ―チャイム―   作者: 夏影
第二章 ライバル
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第十一戒『主の氏』

「はぁ…」


 …まさか校長室に持っていけとは…


 この箱は軽いとも重いともいえない感じで何入ってるかさっぱり分からなくて怖いし…

 なんか箱弱そうだし…

 まずこれが校長室に届けるもので合ってるのか不安で仕方がないんだけど…。日向のことだしチェーンソーでも詰めて適当なこと言ったんじゃ無いだろうね…?

 ていうか日向が持ってけばいいのになんでわざわざ私なんだろう…?


 …なんとなくー、とかめんどくさいからー、とか言われるだけだな、うん



 …ここが校長室か

 初めてだったっけ、広そうだな…


 ………


 …散らかってるなぁ……


 …………


 いやゴミ多くない?


 ……………


 …完全にゴミ屋敷じゃん!!!?


 黒くてでかくて動きが鬱陶しい虫とかいそうだし入る気失せたけどまあ…仕事だしそろそろ入ろうかな…



  『ガコッ』


 …痛っ……これじゃドア開けられない…


 なんで自動ドア開かないの…?まさかゴミが多すぎて詰まってるとか?


 それに校長室から教頭の声が聞こえてるから入りづらいし…


「ですから校長!!この案を……」


「…この案は………であるからして………であるからしてボツです」


「いや校長!?甘すぎますよ!!」


「甘くはない。彼女の存在は宇宙的に…であるからして…であるからして…であるからして…であるからして」


「しつこいですよ校長先生!?『であるからして』使わないでくださいよ!」



 あー…また校長が「であるからして」連発してるしどうでもいい話かな!


 そろそろ校長室入るか!


  ガララ…


「ひっ!?あ、聞こえてなかったですよね? えーと、青梅さん?」


 …教頭…イラっとくる…


「少し聞こえてたけど…内容は分かりませんでした」


「ふぅ…良かった」


 …いや…生徒に聞かれかけて悲鳴とか…なんか教頭っていい感じの人じゃないよなぁ…


 今さっき話してたのってあきらかに聞いたらダメな話だよね…


「あの…これ…」


「おぉ!!ありがとう青梅な…さん!助かったぞ!!」


「いえ…」


 …なんかニッコニコだと怖い。気持ち悪いよ校長先生。


 わざとなの?


「あ、忘れてました!校長先生!」


 …なんだろう?



  『ガサゴソガサゴソ…』


「これ貴方の持ち物ですよね?」


「………!!…どこで拾ったんだ?


…ありがとう、感謝する」


 へえ…変な落とし物…?忘れ物?だな…校長って意外と潔癖なのかな?


 …ってえ!? それ校長の持ち物なの…!?

 名前違うよね…!?貰い物とか…?

 いや普通ハンカチとか消臭剤とか殺虫スプレーとか雑巾って渡すものかな…


 えーと校長の名前って確か…瀬口せぐち 木天蓼(またたび) じゃ…




 あ…!


 そういえば前にB組の女子が校長の名前は偽名らしいって…


 …ってことはもしかして、こっちが本名で、校長は…!!

 …ここでようやく和が気づいたみたいだな。

 じいちゃ…校長の本名。


 えーっとあの誰かさんもこの日を待ちわびてたんじゃねえかな?


 この辺というかこの国ではその校長の本名が分かるだけでも、きっと学校を支配するものに気付けるレベルの有名な名前だ。


 たったそれだけのことで、話が動いちゃったりする。世の中そういうもんなんだぜ

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