第五戒『既視感の挑発』
粟倉さん、どこか行ってしまいましたね…。そういえばもうすぐ授業なので教室でしょうか?
私も正直、一さんに頼まれていただけなので戦う気はあまりなかったのですが…
妖精さんが言うなら仕方ありませんね…。佐倉さんが持っているゲーム?なんて興味無いですよ。
「では、私達二人で、貴女を倒して見せましょう…!!」
「えー?二人って粟倉くんどっか行っちゃったよー?」
…いても私が粟倉さんと二人で倒そうなんて言いませんよ。団結感無いですから。
もし粟倉さんがいて、『私達』に含めていたら二人とはきっと言わないでしょう。なぜなら…
「そうですよ 確かに粟倉さんは帰りましたが妖精さんならばいつでもそばにいて下さりますから…」
私の設定、忘れたんですか?
「…妖精って『一人、二人…』って数えるの?」
……そこはどうでもいいですよね。
「『数え方はともかく居るんです。私達が勝ちます』と妖精が囁いております!」
「ほほー、唯花ちゃんの戦いは興味深いなぁ…ではでは~…」
…何でかドリルで地面に穴を開けて、そこに佐倉さんが入って行ってしまいました。え、どうするつもりなんですか。私なんか相手に今更逃げるんですか。
と思ったらすぐ穴から文字では表現しにくい効果音とともに佐倉さんが飛び出てきました。
「タッタッタータッタッタ!水玉ちゃんがあらわれた!唯花ちゃんはどうする?」
!!?
…どこかで聞いたことがあるようなセリフでしたね…。
どこで聞いたのか見たのか、よく思い出せないのがなんとなくもどかしいです。思い出せたらなんか、楽しくなるような気がするのですが…
変なこと言われただけなのに悔しいです…。こういうのが挑発ですかね。
ちょうはつ…?
さて、何はともあれ早速私のとっておきを見せつけてやりましょう!!
「『私は佐倉さんを倒すために勝手ながら今からある粉を使います、覚悟はよろしいですね』と妖精が囁いております。」
挑発にかかってしまったかもし…いえ妖精さんたら挑発っぽいものにまんまとかかってしまって。本当にどうしようもない方なんですから。佐倉さんを倒したいのは私にも共通しますけどね。
ここで倒せられれば一さん達も大人しくしてくれるかもしれないですから…。
私は日向さんを悪い人とも思わなければ、ポキポキだっておいしいと思うのです。
うまうま棒も水玉アメも、全部好きなんです。
静かに事が解決するか、対決が楽しくなるか、…あれ私はこの戦いがどうなってほしいんですかね??佐倉さんをまず倒しますか。
「この粉は人を麻痺させられる上、眠りに誘ったり、混乱させたり出来るんです。だから貴女が倒れるのもきっと時間の問題ですよ」
「うーんとーーー… キャリモンの話かな〜?」
…………ピーン!!
それですね!!やっと分かりました!
水玉が歌ったBGMや、『水玉ちゃんがあらわれた!』などのセリフは、キャリーモンスター(通称キャリモン)で見聞きしたものですね!謎解明です!
キャリモンといえば…!!
「『そういえば、キャリモンにフェアリータイプという新たなタイプを聞いたのですが私もそれなんでしょうか…?とても気になります』と妖精が呟いておりました」
「おー…唯花殿もうフェアリータイプのことを耳にしていたか…侮れんな!!」
!!!
なんか感動しました…!フェアリータイプのことを話せる方なんて、まだ早々いないのにさすが佐倉さんって感じです!
共通の話題ってなかなか持てなかったですから…!
「『ふふふっ…だから私は絶対、キャリーモンスターW・Zは買ってもらいますね!!両方です!!なんなら200本ずつでも欲しいです!!』と妖精が騒いでおります。」
「騒ぐっていうのもあったんだー!」
妖精の真実を暴くためですから、喉から手が出るほど、いや盗みをしたくなるくらい欲しいです!!
「じゃあ…そんな君には!!これをあげちゃうぞ☆」
…まさか!?
「そう!当然、これはまさかまさかのキャリーモンスターW・Zなのである!!」
…一体なぜそれを持っているのでしょうか
それと当然なのか、まさかなのか…きっとそういうものを持っているのは佐倉さんにとっては当然ですがね…
でもあって良いものではないはずですよね。
なにせ、キャリーモンスターの新作W・Zはまだ発売まで三ヶ月ほどあるんですから。完成してるかすら怪しいソフトじゃないですか。改造されてるという線もありますけど。
「これをもらってくれたら通してくれるかな!?」
「『いいともー!!』と妖精がってあ、」
ついのっちゃって逃がしてしまいました…
…まぁ良いですよね!!キャリーモンスターW・Z入手しましたし!!!
…それに、あちらにはあの方がいるんですから。




