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Chime ―チャイム―   作者: 夏影
第二章 ライバル
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第四戒『妖精の存在』

 わたくしは今妖精さんと粟倉さんと共に、佐倉水玉という方を待っております。


 はじめさんがうまうま棒が大好きで、ポキポキの方が好きな一葉さんに怒ったところまでは分かったのですが、なんでそこから佐倉さんを襲うことになったのか私にはちょっと、よく分からなかったですね…

 あの方が倒したいのか青梅さんのはずですし…。

 まず一さんの友達というかも分からない私がなぜそれに協力することになってしまったのかも謎です。


 それはともかく、珍しく粟倉さんが考え事をしているように感じとることができますが…いつもこんな表情ですけど。

 なんというかぼーっとした感じですね。




 …あれぼーっとした感じなのは私の方だったみたいですね。

 今粟倉さんが何か話したような気がしましたが全く聞いてませんでした。


 聞いていても聞き取れないに決まっているんですけどね。だからこそ聞き流したのかもしれません。

 なにせ解読不能の謎の言語でしか話してくれないのですから。


 恐らくめんどくさいことしか話してない…ということにしているのでどうでもいいですね。


「かのんあきるやはえまおのち?さどけだんいいてくなやい…」


 …考えてたそばから話しかけてきましたね。何なんですかねこのよく分からない話し方…


「『粟倉さん…質問されても答えようがありません』と妖精が囁いております」


 …かくいう私も変なのかもしれませんが

 妖精さんの話を伝えているだけですからね。


「うーん…ほんと粟倉くんって何言ってるのかさっぱりー!!」


 ほんと…


 !!???



 佐倉さん!!?いつの間に来てたんですかね!?

 私本当にぼーっとしていたみたいですね…粟倉さんは普通に気づいてた…みたいです…多分


「ならかるてしにうよいなせなはでうごつのちっこりゃそ…」


 水玉さんの呟きのすぐ後、すぐに何か喋った粟倉さん。

 聞き取れないので断定はできませんが恐らく一瞬で謎の言語を思い浮かべて話してるんだと思います。

 普通一瞬で換えられるほど簡単な話し方では無さそうだけれど。なんかすごいですね。

 かなり必要性の低い能力だと思いますけどね。変な話し方しなくても話さなければいいのでは?とよく思います。


 私も変な話し方ですがこれは誰でも簡単にできることですからね。話さない方がいいとはあまり思わなかったので…。

 理由は問わないでいただきたいですね。自分でももうよく分からなくて説明なんてとてもできません。



「…唯花ちゃんは何で妖精が呟いてることになってるのー?」


 …。

 理由は問わないでいただきたいですね。

 とりあえずあんまり素敵な話じゃないんですよ。妖精さんが現れたらいいなみたいな。

 こんなこと軽く聞かれると私でも佐倉さんに敵意が湧きます…。


 さてどうやって対処しましょう。

 今の質問に対してならこれが一番ですかね?


「『本当に居ますよ、ここに』と妖精が呟いております。」


 ここに居るはずなのに、佐倉さんは妖精さんがいないのを居ることにしているのか、という質問でしたので。


 まあ、佐倉さんの言うように『妖精が呟いてることになってる』で本当は合っているんですけどね。私はもう妖精さんはそこに存在していると思い込むようにしてます。


「やっぱりえーっと、中二病ってやつだね☆」


 …まあ…それでいいです。一さんと雅といる時点でそう思われることは自覚してましたし。


 そう思われてまでこの話し方は続けてきた訳ですけど…

 大した理由じゃないですよ、私の場合は。私



 私じゃなくてに「…あれれー?今どんな展開なんだっけー、えーと…あ!そうそう、一くん達から逃げてきてー…」


 …え?佐倉さん?


「はっ!そうか、今は唯花ちゃん達と戦う展開じゃないといけないのか!」


 いや展開を今考えないでくださいよ!?


 そのくらい把握しといていただきたいですね…。ていうかこれ戦わなくても…私達なんてスルーできるんじゃないですかね…?

 まさか私達と戦わないと気がすまないんでしょうか…



 と…あれ?粟倉さん逃げるんですかね…その展開が嫌だったのでしょうか?

 これは本当に私達をスルーしたほうがいいのでは?



「ねっ!唯花ちゃん対戦しよ!」


 …やっぱりやりたいだけですね。

 ゲームやる男子小学生みたいに軽いですし…




「『私は弱いので戦うのはちょっ…では相手をして差し上げましょう』と妖精が囁いております!」


「おおーー!!!!」



 最終的に戦うことにしてしまいましたね。


 意見が曲がったのは迷惑な質問に対して仕返しというか私のサービス精神というかゲーム精神というか…


 …いえ何でもありませんただの気まぐれです。



 かかってきなさい、佐倉さん!

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