第二十四話『自宅』
しっかりさせなくてはならない人の数は元通りになった。
けれど。
けれども。
それなんかより何京倍かは重大そうなことが起きてしまった。かなりヤバイ事件だ…
「あんたたち、ついに人をころ…星にしたなー!!」
「え?何でいつも以上に怒ってるの?それと星にするって何のことー?あひゃー」
「あー確かにいつもよりちょっと声が大きい気がするなー!」
土間でたまたま合流して一緒に帰るはめになった、日向と菊野が普段と変わりないテンションで反応。
「そりゃあね!出合滝さんも確かにかなり変な人だったけども、いくら何でもやりすぎだよ!
「…」
日向が珍しくこちらをしっかり見て大人しく話を聞いているような体制を取っていたが、小さくサクサクと音がしている。よく見ると日向の視線は適当な所に向いていて、ぼーっとしているだけだった―――こいつ。
「…いや真剣に聞いて!!?」
完全に聞き流している。どう見てもそうだ。日向はぴくっとして、ようやく視線が定かになる。私の方を向いてきりっとし、
「えーだってあいつポキポキ知らなかったんだから当然だぞー」
なんて言った。
当然、なんて言葉、日向からは絶対食らいたくない。
そして徐新品のポキポキを開き、小袋を取り出す。こちらから見るとなんとも呑気だ。きっと本人は状況が理解できていないだけだろうが。いや、理解できてるのもそれはそれで問題なのだが。この男やはり手に負えない。
―――…もう無理だ!!
と思うけど、無理だとしても諦めてはいけない。
私がしっかりしていなかったらもうこの世の終わりだと思って頑張らなきゃ!!いや本当に冗談抜きで!!!
その時、覚えのある懐かしい感覚が私を内側からじわじわ攻めてきた。
気持ちが悪い。
とりあえず日向たちと別れて、早急に家に帰って休むとしよう。
*****
いつもの静かな一人暮らしの自宅。
当然のことながらピンクのカエルが勝手に改造していたり、ゲーム機で埋め尽くしているような事態は無い。
落ち着ける場所であり、同時にそれは現実逃避の場でもある。
学校の騒がしさから逃れていられるのもここにいる間だけ。そのせいで現在は自宅が好きだ。
とにかく今の私には休養も必用だろう。のど飴を取りに冷蔵庫へ向かう。
足取りは少々不安定、本調子とは言いがたい。月影園に行ったときと同じような状態だろう。
いや、同じじゃ無いんだ。もう気が付いた。
全く私は、自分の状況も分からないなんて。日向を笑ってもいられないな。
今度は冷蔵庫へ向かった足でそのまま止まらず箱を取りだし、中から体温計を掘り上げた。
結果はすぐに出た。
39.32。
私の平熱がちょうど36℃くらいだが、もはや平熱関係なくこれは高熱といえるだろう。こんなに出るのは六年ぶりくらいだろうか?
地下室に出来るだけ穏やかな足取りで向かう。焦っても良くない。
しかし、私の思考から一瞬追い出されていた学校のことが頭に浮かぶ。こうなると私の脳内は学校のことばかりなのだと気付かされるな、やれやれ
そうだ、学校。私がいないとどうなってしまうんだろうか?危険人物・佐倉水玉と愉快な愉快な仲間たちは。
例えるなら水玉たちは過剰なくらい好奇心旺盛な動物。象ということにしとく。そして私はそれを閉じ込めるための檻の、もろい鍵。
鍵のかかっていない檻など石ころ同然だ。野放しの水玉たちは教室を飛び出て街を荒らすことだろう。
どうしよう。世界とまで言わなくても、地区の危機だ!
[次の日和はとてつもない不安を抱えて休むことになる。どうなるZ組~(笑)by花子]




