第92話 ドMじゃあないわ
ダイヤ執事がスペードの部屋に見習いのキャンニャを連れ現れた。
キャンニャがスペードに調査内容を報告する。
「あの女性ですが、書類上は部屋付きメイドになっています」
「男は、どうなっている」
「それが見当たらないのです」
ダイヤがキャンニャを補足する。
「スペードさま、推測ですがーー 男が女の住まいに転がり込んでいると思われます」
スペードは狭い執事室の書斎窓を開けてカフェの方向を眺め咳払いする。
「ダイヤ君、私も君の推測に賛成したい。ただ、確証が欲しい」
「スペードさま、言いにくいのですが、メリウスさまなら」
「ーー それ以外に方法はなさそうだ」
「じゃあ、私がメリウスにお願いして置こう」
「スペードさま、女はどうしますか」
「何もせずに泳がすのがいいだろう。動けば警戒するだけだからね」
「了解致しました」
「ダイヤ君、この件は内密で」
「もちろんです。スペードさま」
ダイヤとキャンニャが出て行ったあと、スペードはメリウスに連絡を入れた。
「ーー という訳で、女はメイド、男が分からない」
「じゃあ、私とフェリカが男を調べるのですね」
「方法はメリウスさんとフェリカが決めてください」
「分かりました。優しく締め上げて見せます」
さらりと流した魔法使いの冗談に、スペードの背筋が寒くなった。
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怪しげな男女がカフェを出て関係者宿舎に向かう道。
メリウスとフェリカは周囲を確認した。
珍しく人通りがない。
メリウスとフェリカが男の後ろに回り込む。
フェリカが男の口を抑えた。
メリウスが瞬間転移魔法を発動する。
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男と一緒に歩いていた女が異変に気付き振り返った。
そこにはいる筈の男の姿がない。
次の刹那、妖精フェリカは女の記憶に封印魔法を掛けた。
短期記憶を消失した女は違和感を覚え乍ら宿舎に帰って行く。
女の赤色のメイド服が部屋付き係であることを暗黙に知らせている。
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ドメーヌ城地下の尋問室で覚醒した男は、突然の出来事に顔面が蒼白になった。
瞬間転移など、御伽噺の中のお話。
「ーー まさか、この俺が」
男の虚しい呟きが尋問室の白い壁に響く。
男の前に愛らしい顔立ちの女子高生が現れた。
「お目覚めになりましたか。夢でも見ていましたか」
「おまえ、俺に何をした」
「まだ何もしていませんよ」
「何をするつもりだ」
「あなたには選択肢はありません」
「ーー 」
「あなたは、私の質問に答えるだけです」
「嫌だと言ったら」
「じゃあ適正テストをしましょう」
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メリウスが言った瞬間に男の身体がみるみる小さくなった。
メリウスが男の身体を掌の上に載せて指で遊ぶ。
着せ替え人形を遊ぶ女の子のように服を剥ぎ取る。
「メリウスさま、猫が必要ですね」
「フェリカ、分かった。猫になろう」
メリウスは大きな黒猫になって半裸の男を咥えた。
「メリウスさん、気絶しています」
メリウスは女子高生に戻って男を元の大きさに戻した。
今度はフェリカが鷹に変身した。
半裸の男を嘴で突いた。
再び男が気絶する。
失禁した男の体液が異臭を放っている。
妖精フェリカも元の姿に戻った。
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「フェリカ、あとで続きを楽しみませんか」
「メリウスさんって、もしかしてドSですか」
「ーー うう、ドMじゃあないわね」
「メリウスさん、エスですよ」
「とりあえず、起きるまで寝かせて置こう」
メリウスとフェリカは、失禁した男を残して尋問室から姿を消した。
尋問室の警備が異臭に気付いた。
「あゝああ、また犠牲者が出た・・・・・・」
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次話エピソードは、
「第93話 籠の鳥」
「魔法使いと王女の時空飛行〜女子高生メリウスと王女ルシア
〜大魔法で異世界を駆け抜ける〜」
次話が準備出来次第、
順次公開しています。
三日月未来
(みかづきみらい)




