第84話 フェリカ、知恵借ります
第85話の下書きが完了しました。
「第84話 フェリカ、知恵借ります」を公開します。
次話が準備出来次第、順次公開します。
みかづきみらい
魔法省に出現した九頭龍の赤い靄は消えた。
すべてが終わる筈だった。
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メリウスが首を傾げてフェリカに尋ねる。
「フェリカ、あの九頭龍はフェリカの召喚術」
「メリウスさん、そんな魔法術は私にありませんよ」
「あの時、建物に時空魔法を掛けるまでは覚えている」
「メリウスさん、覚えてないのですか」
「フェリカのパワーに背中を押されていたわよ」
「何か起きたんですか」
「意識が急に遠退き、眠くなって」
「分かります。あの時、フェリカも凄く眠かった」
「身体が急に軽くなって空間に浮いていたらしいーー 」
「メリウスさん、あの九頭龍はメリウスさんの使い魔ですか」
「フェリカ、龍を使い魔にしたことないわよ」
フェリカの緑色の瞳がメリウスを見つめて笑っている。
「メリウスさんは眠くなって、小さな黒猫に戻って、新しい制服になったんですよね」
「フェリカ、ちょっと休もう」
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ドメーヌ城地下避難室でスペードはザード大隊長に魔法通信をした。
「ーー はい、スペード執事」
「メリウスは大丈夫ですか」
「ーー 私の近くでルシア王女さまとご一緒です」
「魔法省はどうなりましたか」
「ーー 跡形も無く消えています」
「じゃあザード大隊長、陛下に伝えておきますね」
「執事、まだ待ってもらえませんか」
「大隊長、意味が分かりませんがーー 」
「メリウスの最終確認が終わってないそうで」
「メリウスはどうしている」
「少しだけ休みたいそうです」
「ーー 大隊長、メリウスに伝えてください。ゆっくり休んでくださいと」
「ありがとうございます。スペード執事」
スペードは連絡内容をルーク・ドメーヌ国王陛下に報告した。
「ーー 陛下、という訳でメリウスさんの最終確認待ちと聞いております」
「メリウスは、どうしている」
「今は休んでいるそうです」
「スペード、ゆっくり休んでもらってください」
「陛下、ありがとうございます」
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メリウスは数時間ぶりに目覚めフェリカに尋ねた。
「フェリカーー 何時間くらい眠っていたかな」
「数時間でしょうか」
横にいるルシア第2王女がくすくす笑っている。
「フェリカ、妖精って嘘も1流なのね」
フェリカは照れ乍ら答えた。
「人間時間って苦手なんです」
「そうなんだ、フェリカはね」
メリウスがルシア王女に尋ねた。
「じゃあ、何時間ですか」
「そうね、24時間くらい」
「じゃあ、まる1日じゃあないですか」
「メリウス、いいじゃあない」
「ルシアさま、良くないのです」
「何がーー 」
「最終確認が未完了じゃあ」
「意味が分かりませんよ」
「転移魔法は発動しても確認しないといけないんです」
「それで再教育棟の時は確認に出向いたのね」
「はい」
「じゃあ、まさか時空間で確認するの」
「いいえ、そんな危ないことはしません」
「じゃあ、どうするの」
「そうですね。フェリカの知恵を借ります」
ルシア第2王女はメリウスを見つめて満面の笑みを浮かべた。
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魔法省の岸壁に降り立ったドメーヌ国の兵士は白い客船に戻って行く。
魔法省の建物が無い港を、浦風が優しく波を揺らしている。
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三日月未来




