第83話 時空魔法の赤い九頭龍
第84話の下書きが完了しました。
「第83話 時空魔法の赤い九頭龍」を公開します。
次話が準備出来次第、順次公開します。
みかづきみらい
ドメーヌ城の黄金避難室にいるスペードが魔法通信を受信した。
「メリウスさん、今、何処ですか」
「ちょっと、それはあとで」
「分かりましたが、今日は」
「フェリカが人間仕分フィルターを実施しました」
「ということは、再教育棟へですか」
「まもなく、役人たちが大量に瞬間転移します」
「では、予定通りに手配して対応します」
筆頭執事スペードは笑顔を浮かべ国王陛下秘書に連絡を入れた。
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「ターニャ、うまく行っているようだな」
「はい、陛下」
「メリウスはなんと」
国王秘書ターニャは陛下の横に立ち説明を繰り返した。
「スペードさまのお話はここまでです」
「スペードを今すぐ呼んでくれるか」
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筆頭執事のスペードはターニャと変わらない説明を繰り返し額の汗を拭う。
「陛下、メリウス様はそれだけでした」
ルーク・ドメーヌ国王陛下は、表情を曇らせる。
紫髪のコットン第1王女がターニャとスペードの間に立った。
陛下にお辞儀をした後、珍しく喋り出す。
「お父様、ルシアに聞いてみたいと思います」
コットンはその刹那、魔法通信でルシアに確認した。
「ルシアに尋ねたところ、今はメリウスを待っているそうです」
「じゃあ、大掃除はこれからか」
「多分、そうかと」
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ルシア第2王女は、ランティス王子、ティラミス王子、クーニャ最上級魔法騎士、ザード大隊長に囲まれて待機していた。
水色髪のルシアの隣には緑色髪のフェリカがいる。
メリウスの使い魔の妖精フェリカはルシアを傍で護衛していた。
「フェリカ、メリウスはまだなの」
「再教育棟で確認を終えたら戻られる筈です」
「どのくらい」
「もうすぐです」
「分かったわ。メリウスを待つわ」
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ルシアの前に金色の光が溢れた。
その中から朝霧女学園の制服の女子高生が現れる。
「メリウス、その制服、いつもと同じなの」
ルシアはメリウスに駆け寄った。
「ルシアさま、どうしましたか」
「何でもないわよ。ちょっと心配しただけ」
「私をですか」
「メリウスを心配しちゃいけないの。私は王女さまよ」
「ルシアさま、そんなに泣かないでください」
妖精フェリカがルシアを宥めた。
ドメーヌ国の紋章が刺繍された水色のハンカチをアイテムボックスから取り出す。
フェリカはルシアの濡れた頬をそっと拭った。
「メリウス、メリウス、傍にいてよ」
「ルシアさま、メリウスはいつも一緒ですから」
「メリウスの嘘つき」
ルシアが静かになってメリウスが言った。
いつになく厳しい表情に変わったメリウス。
「フェリカ、準備はいいですか」
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法務省港の沖合に停泊していた客船。
偽装した兵士が法務省の岸壁に次々に上陸している。
ドックはドメーヌ兵で溢れた。
魔法省の役人は瞬間転移していない。
省内にいる残党は気付いていない筈だった。
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フェリカがメリウスに魔法エネルギーを注ぐ。
「フェリカ、もう十分です」
「じゃあ、メリウスさん、いつでも」
メリウスが大きな黒猫に変身する。
最大魔法を強制実施するために女子高生の変身を解除した。
「ニャー」
巨大猫の鳴き声が法務省の上空に響く。
魔法省の建物全体が濃い靄に包み込まれた。
靄は生き物のようになって渦を巻き血のように赤く染まる。
赤い渦の先端に九頭龍の頭が現れる。
魔法省の建物は真っ赤な靄で見えなくなった。
靄が晴れた。
九頭龍は消え、魔法省港も消えた。
ドメーヌの白い客船は停留している。
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「フェリカ、メリウスがいないわよ」
「ルシアさま、目の前にいるじゃないですか」
ルシアは、足元にいる黒猫を抱きしめた。
「フェリカ、魔法省は何処」
「メリウスさんの時空魔法の中です」
「さっきの赤い龍も」
「あれは幻影ですね」
ルシアの腕から黒猫が消えた。
朝霧女学園の新しい制服姿の女子高生が笑顔で立っている。
「ルシアさま、お待たせしました。メリウスです」
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三日月未来




