第77話 陽が沈む前に
第77話 陽が沈む前に
まえがき
この小説は次話完成後に順次公開しています。
78話の下書き準備が出来ましたので77話を公開します。
メリウス、ルシアとお楽しみください。
三日月未来
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魔法省の見学コースは婦人会の女性達で賑わっている。
魔法省図書館の前には長い列が出来ていた。
「此処の何処かに魔法入門書があるそうよ」
「聞いたことあるわ。でも目次みたいと誰かが言っていたわ」
「目次でも興味が湧きそう」
「あなた、禁書でも探しているの」
「ーー ええええ、そんな大それた」
「ちょっと見て、建物を」
「あゝあゝ、幻覚」
見学者たちの視界から建物が遠ざかって行く。
「錯覚、錯覚」
「あの薄い緑色の靄、変よ」
「ねえねえ、目の前にあるの母校の正門じゃあない」
「本当、朝霧女学園と書いてあるわ」
「あなたたち、なに言っているの、今日は同窓会で待ち合わせしたじゃない」
婦人会の女性たちはすっきりしない頭に手を当てながら言った。
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「フェリカありがとう」
「メリウスさんのお願いで記憶を塗り替えただけです」
クーニャは、2人の会話を理解出来ずザード大隊長を見た。
「クーニャ、そんな顔されても世の中には分からないことが山ほどあるんじゃないか」
「そうね。異世界の日本が存在するんだから」
「クーニャさん、ザード大隊長、一般人の瞬間転移は終わりました」
「何処にですか」
「朝霧女学園の正門前です」
「メリウス、ありがとう。動きやすくなった」
ルイ・ザードは魔法省周辺に展開させた私服兵に命令を送った。
「メリウスさん、クーニャ、そろそろ」
「いつでも大丈夫ですね」
メリウスの使い魔のフェリカの表情が曇る。
「フェリカ、何か」
「気の性でしょうか。ルシア王女の波動を」
「ああああ、忘れてた」
ルシアの性格を知るメリウスは厄介な相手の対応を想定していなかった。
「クーニャさん、ザード大隊長、ルシア王女の対応、お任せ出来ますか」
「メリウス、ルシアは此処にはいないわよ」
「いいえ、直ぐそこまで来ています」
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「ランティス王子、ザード大隊長の部隊は」
「聞いているだけで隊長を入れて35人です」
「じゃあ、此処の私服兵と合わせれば何人に」
「ルシア王女、ざっと70人近い人数です」
「ふむ、少ないわね。でもメリウスがいるから千人力よ」
ランティス王子はルシア第2王女のどんぶり勘定に頭を抱え、兄のティラミス王子を見た。
ティラミス王子は口元で人差し指を立てた。
「シー」
そして、首を小さく振った。
「ランティス、ティラミス、なにしてるのよ。行くわよ」
ルシアは馬車の御者に命令した。
「急いで」
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「メリウス、土埃が見えるけど」
クーニャが呟く。
「ああああ、本当に来た」
「フェリカ、どうする」
女子高生姿の妖精フェリカはルイ・ザード大隊長を見上げた。
「フェリカさん、この先で何が起こるのか教えくれない」
「隊長、ルシア王女の御機嫌次第です」
「あゝ、御機嫌次第か。想定外」
「メリウス、最悪事態になればアレがあるわ」
「忘れていたわ。アレね。
ーー でもルシア王女は何したいのかしら」
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魔法省の裏側では、船から積荷が降ろされていた。
時より吹く浦風がルシア王女の襟元をくすぐる。
「嫌な風ね。早くしないと陽が沈むわ」
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三日月未来




