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魔法使いと王女の時空飛行〜女子高生メリウスと王女ルシア〜大魔法で異世界を駆け抜ける〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)


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第76話 緑色の靄に霞む景色

次話の77話の下書きを終えました。

「第76話 緑色の靄に霞む景色」を公開します。

みかづきみらい

 ドメーヌ城の地下通路は外部からの侵入防止用に設計されいる。

複雑な迷路の通行方法を部外者は知らない。


 日本からの滞在者を先導している特別班のメイドたち。

鮮やかな濃い水色に白いストライプの背中を小金崎隼人は目で追いかけていた。


 夢月雫は小金崎の挙動が気になって仕方ない。

妹の零と同じように好奇心が旺盛な性格の女子高生だ。


「小金崎さん、さっきからメイドさんのお尻ばかり見ていない」


「雫さん、それは誤解だよ。あの綺麗な大きなリボンを見ていただけ」


「いいわ、そういうことして置いてあげるわ」


 小金崎は不快な表情を浮かべた。


隣を歩いていた女優の早乙女沙織を見て尋ねた。


「沙織さんは、ああいうリボンをどう思う」


「そうね。脚本の設定次第ね」


「というと、どんな脚本ならいい」


「そうね。サスペンスとかミステリーとか」


「それで」


「あのリボンに犯人の毒針が仕込まれてたりしたら、面白いと思わない」


 前を歩いていたメイドが急に足を止め振り返る。

気付くと赤色のメイド服の数人が沙織を囲んだ。


「あのリボンのお話、どこかで聞きましたか」


「いいえ、女優の職業柄の直感です」


「そうですか。でもね、城内では鳳蝶のようなリボンのお話はタブーなの」


「分かりました」


 赤色のメイド服の数人は列の最後尾に戻って歩き出した。


 ルシア第2王女が双子王子と護衛を引き連れてドメーヌ城を出ようとした時、社交部本部から数人が駆け寄って近付く。


「ルシア様、今日の外出届けがありませんが」


「あら、おかしいわね。出ていなかったの」


「はい、届けがありません」


 ランティス王子が社交部の男に言った。


「王女も忙しいから書類が埋もれてしまったのじゃないかな」


 男は額の汗を拭いながらランティスに臨時の外出許可証を手渡す。

ランティスは、確認して兄のティラミスに渡した。


 ティラミスが男に向かって礼を言った。


 男はティラミスの身分に気付き後退りして敬礼する。


「じゃあ、僕たちは出て行くね」


 ルシア、ランティス、ティラミスの後方に、シルバーグレーのスーツの私服兵の男女30人が続いた。


⬜︎⬜︎⬜︎


 社交部の男達数人は静かに見送り、あとで上司に報告した。


「厄介な相手には、注意することだよ」


 上司は、筆頭執事スペードの部下のハーツだった。


 ハーツはスペードに伝えようか躊躇う。

社交部の廊下でスペードに遭遇した。


 ハーツは挨拶しながら口を滑らせてしまった。


「ーー はい、以上です」


 スペードはルシアの仕業かと察して笑うしか無かった。


 ドメーヌ城でルシア第2王女に逆らえるのはルーク・ドメーヌ国王か、シルク・ドメーヌ妃くらい。

 双子の姉コットン第1王女ですらルシアの敵では無い。


⬜︎⬜︎⬜︎


「それだけの大所帯の馬車の御者はどうなった」


「はい、クローバーの管理下なので分かりません」


「そうだった、今はクローバーが管理している。

ーー ダイヤを呼んでくれ。

ーー 中央棟にいる」


 筆頭執事スペードは白いタキシードに着替えて中央棟に向かった。


⬜︎⬜︎⬜︎


 ルシア達はクローバーから馬車を受け取り魔法省への裏街道を進んだ。


「ランティス王子、いつもと道が違うけど」


「ルシアはこの道、初めてだったね。此処は旧道なんです」


「ランティス、軍関係者以外、旧道は知らないよ。地図に存在しない道だから」


「ティラミス王子、そんな道があるのね」


「ルシアは知らないけど、この道は魔法省の魔法で隠されているんだよ」


「じゃあ、敵側の道じゃあない」


「だから、警戒が手薄なんじゃ無いかな」


「まあいいわ。早くメリウスと会いたい」


⬜︎⬜︎⬜︎


「クーニャ、フェリカ、一般人を転移させよう」


「メリウスさん、準備できました」


「フェリカ、パワーをお願い」


「メリウスさん、いつでも」


 上級魔法騎士のクーニャでも想像がつかないでいた。


 目の前の景色に薄い緑色の靄が掛かり霞んでいる。

次第に景色が薄れて行く。


「クーニャ、心配しないで、これから始まる」

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三日月未来(みかづきみらい)

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