第74話 クーニャとザードの再会
闇の中から息を潜める女の息遣いが聞こえた。
鼻腔から漏れ出る微かな呼吸音。
「クーニャさん、メリウスです」
「どうして」
「迷路を抜けたら此処でした」
「困ったわね。ザード隊長と落ち合う約束です」
「クーニャさん、此処でですか?」
メリウスの使い魔のフェリカが横で呆れている。
「ええ、そのつもりでした」
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「さっきさ、田舎者の貴族が数人、役所の周りを彷徨いてたよ」
「それで追い払ったのか」
「貴族に不敬があったら首になるだろう」
「それでどうした」
「臨時通行証を貸して上げた」
「なるほど、無難だな」
メリウス、フェリカ、クーニャの3人は、薄暗い地下通路の中で息を殺して警備の声に耳を傾けた。
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髪と瞳と同じ緑色のスカートスーツ姿の秘書セーラ。
第2王女のルシアの部屋前でノックを躊躇った。
それを見掛けたピンク髪の秘書ニーナが気遣って声を掛ける。
ニーナも髪と同じ色のスーツを着ている。
「どうしたのセーラ、悩みでもあるの」
「いいえ、ルシア様の心情を考えると」
「そうね、メリウスから連絡が途絶えて久しいわね」
「メリウスは大丈夫。でもルシア様は普通の王女様」
「そうね、コットン様の双子の王女ですものね」
「2人とも私の噂しているなら、ちょっと付き合いなさいよ」
秘書の後ろで姉の第1王女コットンが微笑んでいた。
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ザード大隊長の部隊の殆どは魔法省の外で待機している。
「隊長、見学に行きましょう」
ザードの家族役のツインテールの女がザードの腕を引っ張る。
「通行証をお願いします」
ザードは貸し出された白い通行証を提示した。
白いカードを機会の上に置いた。
ランプが青く光る。
「お通りください」
ザード隊長は同行者を従えて、見学者の最後尾の列に加わる。
中高年の婦人がザードに声を掛けた。
「あなたたちも初めて、今日はトラブルで混雑しているみたいよ」
「そうですか。何かあったのですか」
「噂では大きな音が聞こえたそうよ。最近、物騒で怖いわね」
「そうですね」
婦人のお喋りが止まらない。
呆れたツインテールの娘役が婦人を遮る。
「叔父さんと私は、楽しみにして来たの。静かにお願い出来ますか」
「あら、ごめんなさい」
婦人は軽く会釈して背中を向け、別の男性に話し掛けた。
ザードは表情を変えずに苦笑するだけだった。
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飾り棚の隠し扉の部屋に戻ったメリウス、フェリカはクーニャを連れていた。
「クーニャ、此処からさっきの地下通路に出たのよ」
メリウスの話を聞いていると、急に部屋の扉が開いた。
警備服の役人が入って来た。
「この部屋で何している」
メリウスは巨大猫に変身した。
役人が驚きのあまり後退りした。
役人はメリウスの猫パンチで倒れた。
メリウスは元の女子高生姿に戻り使い魔のフェリカを見た。
「メリウスさん、記憶消して置いたわ」
クーニャは突然の出来事に笑うしかなかった。
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ザードは聞き覚えのある笑い声の先を見た。
「クーニャ、やっと会えた。良かった良かった」
「ザードね、まだ終わってないわ」
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三日月未来




