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魔法使いと王女の時空飛行〜女子高生メリウスと王女ルシア〜大魔法で異世界を駆け抜ける〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)


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第74話 クーニャとザードの再会

 闇の中から息を潜める女の息遣いが聞こえた。

鼻腔から漏れ出る微かな呼吸音。


「クーニャさん、メリウスです」


「どうして」


「迷路を抜けたら此処でした」


「困ったわね。ザード隊長と落ち合う約束です」


「クーニャさん、此処でですか?」


 メリウスの使い魔のフェリカが横で呆れている。


「ええ、そのつもりでした」


⬜︎⬜︎⬜︎


「さっきさ、田舎者の貴族が数人、役所の周りを彷徨いてたよ」


「それで追い払ったのか」


「貴族に不敬があったら首になるだろう」


「それでどうした」


「臨時通行証を貸して上げた」


「なるほど、無難だな」


 メリウス、フェリカ、クーニャの3人は、薄暗い地下通路の中で息を殺して警備の声に耳を傾けた。


⬜︎⬜︎⬜︎


 髪と瞳と同じ緑色のスカートスーツ姿の秘書セーラ。

第2王女のルシアの部屋前でノックを躊躇った。


 それを見掛けたピンク髪の秘書ニーナが気遣って声を掛ける。

ニーナも髪と同じ色のスーツを着ている。


「どうしたのセーラ、悩みでもあるの」


「いいえ、ルシア様の心情を考えると」


「そうね、メリウスから連絡が途絶えて久しいわね」


「メリウスは大丈夫。でもルシア様は普通の王女様」


「そうね、コットン様の双子の王女ですものね」


「2人とも私の噂しているなら、ちょっと付き合いなさいよ」


 秘書の後ろで姉の第1王女コットンが微笑んでいた。


⬜︎⬜︎⬜︎


 ザード大隊長の部隊の殆どは魔法省の外で待機している。


「隊長、見学に行きましょう」


 ザードの家族役のツインテールの女がザードの腕を引っ張る。


「通行証をお願いします」


 ザードは貸し出された白い通行証を提示した。

白いカードを機会の上に置いた。


 ランプが青く光る。


「お通りください」


 ザード隊長は同行者を従えて、見学者の最後尾の列に加わる。


 中高年の婦人がザードに声を掛けた。


「あなたたちも初めて、今日はトラブルで混雑しているみたいよ」


「そうですか。何かあったのですか」


「噂では大きな音が聞こえたそうよ。最近、物騒で怖いわね」


「そうですね」


 婦人のお喋りが止まらない。

呆れたツインテールの娘役が婦人を遮る。


「叔父さんと私は、楽しみにして来たの。静かにお願い出来ますか」


「あら、ごめんなさい」


 婦人は軽く会釈して背中を向け、別の男性に話し掛けた。


 ザードは表情を変えずに苦笑するだけだった。


⬜︎⬜︎⬜︎


 飾り棚の隠し扉の部屋に戻ったメリウス、フェリカはクーニャを連れていた。


「クーニャ、此処からさっきの地下通路に出たのよ」


 メリウスの話を聞いていると、急に部屋の扉が開いた。

警備服の役人が入って来た。


「この部屋で何している」


 メリウスは巨大猫に変身した。

役人が驚きのあまり後退りした。


役人はメリウスの猫パンチで倒れた。


 メリウスは元の女子高生姿に戻り使い魔のフェリカを見た。


「メリウスさん、記憶消して置いたわ」


 クーニャは突然の出来事に笑うしかなかった。


⬜︎⬜︎⬜︎


 ザードは聞き覚えのある笑い声の先を見た。


「クーニャ、やっと会えた。良かった良かった」


「ザードね、まだ終わってないわ」

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三日月未来(みかづきみらい)

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