第73話 金色の飾り棚
停滞していたエピソードを連日更新しました。
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みかづきみらい
大隊長のルイ・ザードは、ドメーヌ城内の痕跡を確認した後、私服兵を連れて魔法省の死角で待機した。
「隊長、この付近は安全ですが長い時間は」
「クーニャが、私たちの到着を待っている。検問をなんとか抜けよう」
「さっき、見学客の一般人見かけました」
「うーむ、それもありかな」
ザードは耳を疑った。
「今、何かの破裂音が聞こえなかったか」
私服兵は魔法省の建物を指差しながら言った。
「あそこです」
指差す先黒煙が上がっている。
「トラブルのようだな。最悪だ」
ザードは最悪のシナリオを瞬時に考えた。
「どうやら正攻法は難しい。第2案で行こう」
ザードは潜入特殊部隊を3人組みにした。
10組の部隊が法務省を取り囲み分散する。
ザード本隊だけ5人組みになった。
ザードは他の4人から離れている。
クーニャが待つ、地下通路は目前だった。
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法務省の警備員が2人、ザードのいる歩道に近付いてくる。
「すみません、此処は制限区域です。身分証をご提示ください」
ザード部隊は事前に準備された身分証を警備員に提示した。
「失礼しました。貴族の方々とは存じませんでした。不敬をお許しください」
ザードは、気分良く謝罪を受け入れた。
「君、身内の者が折角近くまで来たのだから見学したいと言っている」
「先程の謝罪を含めて、この臨時通行証をお貸しします。帰りに返却ください」
「これは、どうするのかな」
「制限区域以外なら、提示するだけで通行できます」
「分かった。有り難くお借りしておくよ」
警備員は通行証を渡し元の道を戻って行った。
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ザード隊長の横にいるツインテールの女が微笑んでいる。
「隊長、家族に見れて良かったですね」
「それも予定通りだよ」
ザードは苦笑いを浮かべ咳払いした。
「あら、隊長の癖は分かりやすいですよ」
ツインテールの女が隊長の袖を引く。
「行きますよ。隊長」
ザードの頬がりんごのように紅潮している。
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「フェリカ、此処です」
「メリウスさん、此処は」
「破裂音が聞こえた扉です」
「フェリカ、能力で覗いてみて」
妖精フェリカは変身して中覗き込む。
「メリウスさん、何もありませんが」
「ーー 何もない部屋から破裂音ね。間違いなく、何かあるよ」
メリウスとフェリカは、扉をこじ開け室内に潜入した。
殺風景な部屋にはワークデスクと部屋に不釣り合いな金色の飾り棚があった。
メリウスが飾り棚下の埃に気付き、フェリカに目配せする。
「変じゃない」
「擦れていますね」
メリウスが大きな飾り棚を魔法の力で押す。
地下に続く薄暗い階段が足元に現れた。
「フェリカ、灯できるかな」
「メリウスさん、こんな感じでいいですか」
メリウスとフェリカは地下に続く長い階段を降りた。
記憶に残る体臭が闇の奥から微かに匂う。
「フェリカ、何か匂わないか」
「ええ、この匂いは彼女の匂いです」
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三日月未来




