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第二章 乱流 10
緑の惑星、アルノー大公国領メール・ダルブル恒星系公星フォレ。
公都ボアにあるアーブル宮殿。
その一室。
贅を尽くされたその部屋に、背の低いテーブルを挟んで二人の男が対面していた。
一人は緑を基調とした豪奢な戦闘礼装を纏った、金髪をショートカットにした青い瞳の温雅な人柄が姿形に表れたアルノー大公オリビエ。もう一人は、黒を基調とした実用に重点を置いた戦闘礼装を纏った人物。
朗々と、アルノー大公オリビエが美声を響かせる。
「して、事の次第はどうか? アポストルスよりの使者よ」
堂々として誠実そうなオリビエは、大公として何気ない態度を装っているが、鬢に一筋汗が流れたことから緊張が窺えた。
結社アポストルスの使者という黒服の男は、一つ頭を下げると厳かに答える。
「あの方がいらっしゃいます」
短く、ただそれだけを答えた。
それを聞いたオリビエの表情は、それまでが余程気を張っていたと分かるほど表情が和らぐ。
「そうか、そうか。それは何より」




