第2話 雨と再会
精霊さんは、いつからか季節を問わず雨の降る日に私の前だけに現れる様になった。
私の覚えている限りでは高校生になってから間もなく。
その日はやっぱり雨の日だった。
この様子だと折角咲いた桜が散ってしまうなぁ……なんて思いながら窓の外を眺め、残念に思いながら学校の廊下を一人で歩いていた放課後。
『久しぶり、僕らの愛し子
相変わらず、雨の事は好きでいてくれてるかな』
穏やかで柔らかい声が私を呼んでいるのだと気付いたのは、私の名前を呼ばれた事と、精霊さんが目の前に立っていたからだったのをよく覚えてる。
精霊さんの日本人とは違う顔立ちや身長が、サラリと流れる白銀からグラデーションの様に紺色に変わる美しい髪や、柔らかな雰囲気を作り出す垂れ気味な紺色の瞳が、ほんの少し懐かしさを呼ぶ。
精霊さんの「久しぶり」と言う言葉から、以前どこかで会ったかな……と、最近の記憶を掘り返したけど思い出せなかった。
一度会えば忘れなさそうな程に綺麗な顔だったのに……
私はナンパと断定した。
「雨?今降ってる雨ですか?
こんな厄介な物、嫌いに決まってるじゃないですか
それに、放課後とはいえ学校で堂々とナンパですか?」
その時の私は雨なんて大嫌いだった。
一度、幼い頃に見た夢の中で雨について誰かと話して虹を見せて貰ったけど、私にとってそれは結局は夢の様な出来事に等しかった。
その後、私は精霊さんに私の名前を何故知っているのかと、精霊さんの名前を聞いた。
『愛し子は以前僕と会っていて、その時に名前を教えて貰ったんだ
改めまして、僕の名前はエルレイン
以前の様に、レインって呼んで』
この時、精霊さんがほんの少し悲しげだったのをよく覚えてる。
これが、私が覚えてる精霊さんとの出会いだった。




