第3話 呼び名とハプニング
あれから一年、相変わらず精霊さんは雨の日に何故かいつも私の前だけに現れる。
そしてこう言う。
「やぁ、今日も可愛いらしいね、僕らの愛し子」
いつも通りの湿度と気温差の激しい朝。
いつも通り唐突に降る雨。
いつも通り気温の高い昼。
いつも通りの日常。
いつも通りに友人と別れる放課後。
一年経って私の変わった所と言えば、精霊さんへの恋愛感情が芽生えた事ぐらいかな。
それから、私は精霊さんの事をもっと知りたいと思う様になった。
そしてそう思ってる内に気になる事が出来た。
「ねぇ、そう言えば私最近精霊さん以外の精霊さんに会ってないんだけど、精霊さんは普段他の精霊さんとどういう風に接してるの?」
『あぁ、僕はほら見ての通り、雨の精霊だからね
雨の降って無い日なんかはよく――――
『エル!
愛し子!
そろそろ大きな風が来るよ!』
レインが何かを言いかけた所で、小さな風の精霊さんが楽しげに声をかけてきた。
そして風の精霊さんに言われてから数秒後、大きな突風が来た。
『ひゃっほーい!』
「きゃあっ!」
『っっ!?』
風の勢いに乗って風の精霊さんはやはり楽しげに流されて行った。
その拍子に私の持っていた傘が勢い余って飛んだ。
多分、この時に私の着ていた制服のスカートも……
「レイン……見た?」
『…………』
レインは頬や耳の先をほんのり赤色に染めて目を逸らした。
いわゆる、突風によって起きたパンチラ……。
精霊さんでも恥ずかしいんだ……と思うのと同時に、私自身も凄く恥ずかしかった。
後でレインから他の精霊さんからは『エル』と呼ばれていると聞く事が出来た。




