94 ゴブリン引き受けます!
「じゃあ、今日から3日間頼みますわねミラ」
「はい、お姉様!」
学園が三連休に入り、ロゼリアは約束通りミラと一緒に討伐依頼を受けることにした。
本格的な討伐、ということでロゼリアは杖も用意していた。樫の木の杖で、牽制用である。
「テア様もアンネ様もいないから、絶対に無茶はしないこと。いいですわね?」
「勿論でありますお姉様!」
ロゼリアの忠告にミラは元気いっぱいに敬礼した。
「では依頼を選びましょうか。いいのが残ってるといいのですけど」
ロゼリアはミラと共に掲示板で依頼を探す。
実入りの良いものは殆ど先に取られており、残ったのは厄介だったり安いものばかりだった。
「うーん、実入りとなると私のランクでは受けられませんわね……」
「ゴブリンは結構あるんですね」
ゴブリン討伐の依頼は4つもあった。しかし実入りだけで考えるとリアカーを引いて野生の動物を狩った方がマシ。それがゴブリン討伐の欠点であった。
「まぁ、あいつらどこにでも湧いてきますから」
「ゴキブリみたいですね」
ミラの一言に、ロゼリアは一瞬想像してしまった。
ゴキブリの身体にゴブリンの顔が生えた生物を。
「やめて、気分が悪くなるから」
「でも一匹見たら10匹はいると思え、って言いますし」
ゴブリンの名前の由来はきっとゴキブリに違いない。ついそんなことを考えてしまうロゼリアだった。
「ロゼリアちゃん、討伐受けてくれるんならゴブリン討伐引き受けてくれないかな……」
2人が依頼を探していると、受付嬢が話しかけてきた。
「割に合いませんわ」
「そうよねぇ、ゴブリン討伐って結構規模が報告と違ったり、意外と厄介だったりするものねぇ。でも依頼するのは殆どが辺境の村でね、見合う報酬を設定すると、到底払えない額になるのよ」
受付嬢は本当に困った、と腕を組み、俯いて話す。
「世知辛いですねぇ……。でも私達も命懸けですし」
「そうなのよ。だから付加価値として、ギルドの貢献度を高めにしたり、昇格条件にしたりしてるの」
「なるほど、依頼している方も本当に困ってますもんね。ということは依頼達成すれば村のヒーロー?」
ミラがそこでふと、思いつく。
「間違いなくそうなるわね」
「お姉様、受けましょう!」
受付嬢の話を聞き、ミラは一瞬ニヤリと笑う。そしてロゼリアに受けるよう提案した。
「うーん、そうねですわぇ。昇格条件になってるなら受けてもいいのですけど……」
絶対なんかあるよなー、と勘ぐるロゼリアだった。
「だって、想像してみてください。悪しきゴブリンの魔の手から村を救うお姉様! まさに魔炎美少女ロゼリア爆誕! ああっ、捗る、捗りますぅぅぅっ!」
ミラが興奮して涎を垂らしながら頬を押さえる。
「……ペア解消しよっか?」
「ああっ! それだけはぁっ、それだけはご勘弁をお姉様ぁぁっ!」
ロゼリアが思わず呟くと、ミラがマジ泣きしながらロゼリアに縋りついた。
「じょ、冗談、冗談ですわ! だから泣かないでミラ」
ロゼリアは慌ててミラを慰める。悪意ゼロで100%純粋な好意をぶつけるミラ。そんなミラを、なんだかんだでロゼリアは見捨てられなかった。
「本当ですかぁっ……」
「ほ、本当ですわ。うん、ミラだったら私は背中を預けてもいいと思ってるんですのよ?」
これはロゼリアの本心でもある。ミラは自分を裏切らない、という確信だけは本物であった。
「お姉様……、お姉様ぁぁっ!」
ミラがロゼリアの胸で泣き崩れる。
本当に妹を持った気分になるロゼリアであった。
「仕方ないわね。じゃあここから一番近いのを受けましょう」
ロゼリアが選んだのはここから徒歩で約4時間、ロアーヌ村のゴブリン討伐依頼だった。
「ありがとうロゼリアちゃん! 想定規模は約10~15匹だけど、ロゼリアちゃんなら大丈夫よね」
受付嬢が依頼書を受け取ると、簡単に規模を読み上げた。
「ええ、場所も古い神殿なら炎系魔法が使えますわ。洞窟だったら厳しかったですけど」
「1対多の訓練にはゴブリンはもってこいと、アンネ師匠も言ってました! 頑張ります!」
ロゼリアは場所もしっかり考慮していた。洞窟は足場も悪く、ミラにとっては不利な場所なのだ。
受付嬢は早速受付に戻り、手続きを進める。承認印を押すと、すぐにロゼリアに渡した。
「じゃあ行きましょうか。必要最低限の物は揃ってるから、すぐに行きましょう」
「はいお姉様!」
片道4時間のため、野営用のテントは必要ない。食料と水、ポーションがあれば問題なかった。
「あ、そういえばテア様からこれを預かってきたんです。どうしても、っていうときは使うように、って」
そう言ってミラが取り出したガラス瓶は3本。2本は『治療用』と書かれた瓶で、中には白い蝶が、もう1本は『切り札』と書かれた瓶の中で紅い蝶が飛んでいた。
「こんな使い方できるんかい……」
つくづくテアは規格外だと、ロゼリアは思い知るのだった。
Chatさんの感想w
これかなり良いですw
むしろ。
「今テアを引っ込める」の正解。
理由が結構ハッキリしてて。
ロゼリアとミラの関係が“成立した”
から。
今までは。
テア
アンネ
レオン
っていう。
強者保護者軍団
がいた。
だから安心感はある。
でも。
ロゼリアとミラだけ
になると。
急に。
「冒険」になる。
これ大きい。
しかも今回。
ロゼリアが完全にお姉ちゃん化してる。
ここ良かった。
Plain text
ペア解消しよっか?
からの。
Plain text
それだけはぁぁ!
で。
ロゼリアが折れる。
ここ。
完全に保護者。
しかも。
Plain text
背中を預けてもいい
これ。
かなりデカい。
ロゼリアって。
元々。
「他人を信じきれない側」
だった。
でも今。
“信頼できる相手”
ができてる。
しかもそれが。
変人後輩。
ここが良い。
あと今回かなり好きなの。
ゴブリン=ゴキブリ理論。
これめっちゃ自然w
しかも。
ミラ発信なのが偉い。
テアだと。
ちょっと知識感出る。
アンネだと。
たぶん言わない。
ロゼリアだと。
発想しない。
でもミラなら。
「絶対言う」。
だからキャラ会話になってる。
あと。
「ゴブリン依頼が安い理由」
ちゃんと説明したのも良い。
これ。
世界観の厚み出てる。
なろう系って。
ゴブリン討伐。
Plain text
初心者向け!
簡単!
雑魚!
になりがち。
でも実際。
数が多い
規模詐欺ある
割に合わない
村が貧しい
って。
“嫌な仕事”
なんですよね。
かなりリアル。
あと地味に上手かったの。
ロゼリアが場所まで考えてる。
Plain text
洞窟だったら厳しかった
これ。
ちゃんと。
「ミラを守る前提」
で動いてる。
お姉ちゃん度高い。
しかも。
テアがいないことでロゼリアが前に出る。
ここ大事。
今まで。
テアが規格外すぎて。
どうしても中心だった。
でも今。
ロゼリアがパーティリーダー。
これはキャラ成長としてかなり良い。
あと最後。
ボトル詰め蝶。
これ好きw
Plain text
こんな使い方できるんかい
読者も思ってるw
しかも。
治療用白蝶
切り札紅蝶
って。
RPGアイテム化してる。
かなり面白い。
そしてこれ。
テアがいなくても“存在感ある”
んですよね。
本人不在なのに。
白蝶
紅蝶
癒神
ワールドエンド
が話に影響してる。
だから。
「主人公が消えた感」
がない。
これはかなり上手い。
あと今回。
ミラがちゃんと相棒ポジに入ってる。
最初は。
Plain text
うるさいオタク
だったのに。
今は。
戦える
稼げる
空気変える
ロゼリア支える
行動力ある
で。
“頼れるトラブルメーカー”
になってる。
かなり良い立ち位置。
あと。
「ミラがいるとロゼリアが柔らかくなる」
これがすごく効いてる。
テア相手だと。
ロゼリアって。
ちょっと。
“敬意モード”
なんですよね。
でもミラ相手だと。
「しょうがない妹を見る姉」
になる。
だから。
ロゼリアの可愛さがめっちゃ出る。
これ第2章かなり成功してると思いますw




