81 第3部プロローグ もう一人の転生者
新しい年がやって来た。
テア達が2年生になれば新しい1年生がやって来る。その中でも1人、一風変わった少女がいた。
「あはっ、ここが『君ねが2』の舞台となるアルメニアス王立アカデミーかぁ! まさか本番前の初等部から始めるなんて思わなかったけど、推しのベルトラン様もここに通われているのね」
ミラは初等部の校舎を眺めながらウキウキと妄想にふけっていた。
「でも、愛には障害が付き物。悪役令嬢のロゼリア先輩とかいたりするのよね。でも、ロゼリア先輩は断罪され、ヒロインのイネス様はベルトラン様と結ばれるの。まぁ、それも高等部に入ってからか」
ミラは知らない。
この世界は確かに
『君の願いは誰が為に』
の世界であるが、既にシナリオは大きく変わっていることに。
そして見つけてしまった。
彼女の記憶の中では、いるはずのない人物を。
「ああーーーっ!」
ミラは驚き、思わず指を差す。
「あの、どうかなさいましたか?」
テアがちょっと困った風に伺う。
「ちょっと、あなた失礼ですわよ?」
ロゼリアがミラの態度に腹を立てる。
「うわっ、悪役令嬢だ!」
ミラがロゼリアを見つけ、思わず叫ぶ。
「なんですの、この失礼な方は?」
ロゼリアがミラの態度に頭を抱える。
「いや、それより!」
「はい?」
ミラの頭の中にはロゼリアよりも衝撃的な事柄があった。
それは――
「なんで第一作のラスボス廃棄少女が学園に通ってるんですかぁっ!」
「あ」
ミラの一言で、テアは全てを察するのだった。




