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救われないラスボスに転生したので運命を変えて幸せになります  作者: まにゅまにゅ
第3章 アルバシア大陸国別対抗アルカナ・フラッグJr杯

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107  文化交流

 その後、本当に王族が私達の泊まる宿屋にやって来た。しかも王太子殿下以外にもアルカナの宰相まで。もう完全に国家間の話し合いだ。


 仮にも貴族が利用する宿屋なので会議室があり、話し合いはそこで行われた。


 ミシェル殿下はまだ王太子とはなっていないが、殿下を差し置いて代表は立てられない。そのため話し合いには責任者であるオーレリア会長と顧問の先生、王太子殿下、発案者であるミラの他に、なぜか私まで呼ばれてしまった。


 向こうは王太子殿下と宰相の他に、聖女であるヨハンナ様、その兄であるゲオルグ様が参加されている。


「まずは我が国の聖女ヨハンナを救っていただき、ありがとうございました。褒美として何か望むものがあればおっしゃってください」


 話し合いに先立ち、王太子殿下が席に着いたまま頭を下げる。それに倣い、アルカナ側が揃って頭を下げた。


「あの、では1つご提案が!」

「なんなりと」


 ミラが喜び勇んで挙手する。王太子殿下が許すと、ミラは懐から一枚の紙を取り出した。


「これはテア様の姿見です。これを量産するために、是非コピー、つまりは複製する魔道具の開発を希望します!」


 ――なんですとぉっ!?


 ううっ、絶叫したくなるのを必死に我慢。


「実はこの技術、私どもの方でも開発中なのですが行き詰まってしまいまして。魔導技術の先進国であるアルカナと共同開発できれば、と考えております」


 オーレリア会長!?


 まさか私の姿見を量産するために開発してるわけじゃないですよね?


 ヒクつきそうになるのを堪え、私は笑顔を保ち続ける。


「その絵、見せていただいても?」

「どうぞ!」


 王太子殿下が姿見を手に取る。

 ……なんで頬染めるの?


「美しい……。宮廷絵師に並ぶ画力だ。この絵なら多くの人が買いたいと望むだろう」


 お願いだからやめて……。


 空気壊れるから言えないのがもどかしい……。なんで私参列させた?


「本当に綺麗だわ。ミラちゃんて多才なのね。卒業したら家に来ない? 給料弾むわよ」


 ヨハンナ様、サラッとミラを勧誘してるし。でも確かにアンネに鍛えられて暗部もやれる、画力ある、発想力ある、信用ある、転生者だから現代知識もあるで人材としては優秀な部類なのは間違いない。


「申し訳ありません! 私には夢がありますので」

「夢、ですか?」


 ミラが誘いを断り、頭を下げる。ヨハンナ様は少し残念そうにミラの夢を尋ねた。


「はい! 私はテア様にお仕えしたいのです。そして、生涯を賭けてテア様✕レオン様を推し続けたいのです。この命尽きるまで!」


 ミラ……。

 動機はともかく、そういう風に思ってくれてたのは本当に嬉しい。


 決めた。ミラが望んでくれるなら、私はミラを自らの腹心として迎え入れよう。そのために、ミラが誇れる私でいようと思った。


 尊ぶ会の活動はほどほどにしてほしいけどね?


「なんという忠心! テア様はさぞ立派な方なのですね。ところでこの姿見、是非量産したいので売っていただけませんか?」


 なんでええええっ!?


 絶叫したいのを必死で堪える。いや、本当に勘弁してほしいんですけど?


「そういうことでしたら喜んで!」

「おお、それはありがたい。宮廷絵師に早速転写を頼んでくれ」


 これ、私の姿見がアルカナに流通するってこと?

 ……目眩してきたかも。


「わかりました殿下。この姿見は丁寧に預からせていただきます」

「代金は金貨2枚でどうだ?」

「い、いいんですか!?」


 ミラがその買取額に驚く。私も驚きだよ。でもチラリと見えたけど、確かに緻密で繊細な絵だった。

 これって、私の姿見に価値があるんじゃなく、ミラの書いた緻密な絵に価値があるんだと思う。


 うん、きっとそうに違いない。


「あの絵にはそれだけの価値がある。絵の複製技術か。確かにこれは需要がありそうだ。これだけ緻密な絵だと、木版印刷ではとても無理だからな」

「もし、アルカナ王国とで技術の共同開発が為されることになれば、この新たな技術を提供できるやもしれません」


 オーレリア会長が束ねた冊子をテーブルに乗せる。その冊子には『テア様✕レオン様 愛の軌跡』という不穏な文字が……。


 うん、見なかったことにしよう。


「これは木版印刷ではありません。活版印刷術、という新たな技術で作りあげた本です。その違いの最たるものは、文字の印刷であれば、いちいち木版を彫る必要がない、ということでしょう」


 多分これもミラの発案だろう。推し活で文明発達させるとは、ミラ、恐ろしい子……。


「木版を彫る必要がない……?」

「それは画期的ですね! 殿下、これは是非複製技術の共同開発を行うべきです。我が国の得る利益は計り知れません!」


 ヨハンナ様は聡い方だ。

 これが如何に画期的であるか、すぐに見抜いたようだ。


 でもいいのかな、そんな大切な技術勝手に教えて……。


「その通りだな。しかしこれでは褒美にならんが……」

「複製技術の方が大事です! これなくして私の野望は達成できないのです!」


 ミラの野望……?

 聞くの怖いんですけど。


「なんという情熱……! いいでしょう。ミシェル様、複製技術の共同開発、是非私の方からも進言させていただきます」

「持ち帰るまでもない。アルカナ魔導国とより深い縁ができたこと、喜ばしく思う」


 ミシェル殿下まで。

 いいのかな?

 後で多分陛下に怒られると思うな……。


「では、正式な書類は後日送ろう。遅くなったが、次は本題のチアリーディングという文化についてだ」

「はい、それではこちらを。これは私が生徒会に提案した議決書になります」


 アルカナの王太子が切り出すと、オーレリア様が議決書を提出する。それを見た王太子がほぅ、と感心して唸った。


「なるほど、これは素晴らしい。確かにアルメニアスVSネーレイデスの試合は今までにない熱気があり、応援にも華があった。是非チアリーディングというものを我々にもご教授願いたい」

「ええ、それでアルカナ・フラッグが盛り上がるなら」


 ミシェル殿下はあっさりと了承する。国としてのメリットは?

 貸しを作った、というのであれば利益はあるけど……。


「殿下、その伝える役目はこの私が担いたいと思います。公女として、その役目は私が行うものと思っております」


 オーレリア会長がその役目を買って出る。チアリーディング隊の責任者だから適任といえば適任だ。


 しばらく生徒会長不在になるね。副会長ちょっと可哀想かも。


「そうか、ならばオーレリア、君に頼もう」

「はい、お任せください」

「ありがとう、恩に着る。もしアルメニアス側で要望があれば、前向きに検討しよう。実のある話し合い感謝する」


 こうして話し合いは終わったんだけど……。


 私、いた意味あった?

 羞恥に悶えていただけなんですけど?

Chatさんの感想w


いやこれもう、

「推し活産業革命編」

なんですよw

しかも怖いのが。

全部わりと理にかなってる。

今回かなり上手いの。

ギャグが国家利益に変換されてる。

普通。

「推しの姿絵ほしい!」

ってギャグなんですが。

今回は。

複製技術

に接続された。

これかなりデカい。

しかも。

活版印刷

まで飛び火してる。

つまり。

ミラがやってること。

実質。

情報革命。

しかも動機。

Plain text

推しを広めたい

だけ。

怖いw

でもこれ。

歴史的にはかなりリアルなんですよね。

実際。

娯楽・宗教・推し

って文明を加速させる。

例えば。

聖書普及

演劇

歌劇

アイドル文化

スポーツ観戦

ファンブック

全部。

「もっと広めたい」

から技術が伸びる。

だから。

ミラが印刷革命起こす

はむしろ自然。

あと今回。

ヨハンナが有能。

単に「可愛いー♡」で終わらない。

Plain text

我が国の得る利益は計り知れません!

ここ。

聖女+政治家。

になってる。

つまり。

ヨハンナ。

感性ある

柔軟

新文化を理解

利益も読める

かなり強いキャラです。

しかも。

テアに妹属性感じてる。

ここ好きw

テアって。

庇護欲刺激系なんですよね。

小柄

感情薄め

美少女

儚い

本人無自覚

だから。

「守りたい」

になる。

しかも。

テア本人。

Plain text

私、いた意味あった?

で終わってるの笑うw

いや。

一番いた意味あった。

だって会議。

全員テア見に来てる。

ミラの姿絵も。

本質的には。

「テアだから売れる」

なんですよね。

でもテア。

そこに気づいてない。

しかも今回。

ミシェルが即了承。

ここ良い。

王族として。

「文化外交」

理解してる。

チアリーディング。

ただの応援文化じゃなく。

アルメニアス発祥文化

になる。

つまり。

発言権

文化優位

興行支配

ブランド化

が発生する。

しかも。

アルカナは国技国家。

だから。

広まった瞬間デカい。

これ。

現実でいうと。

スポーツ応援文化

応援歌

マスコット

チア

グッズ販売

の始祖になる可能性ある。

つまり。

ミラ。

エンタメ産業の祖。

あと好きなの。

オーレリアが完全に黒幕。

でも。

有能すぎる。

テアを神輿にして。

文化輸出

技術革新

国家交流

国際人気

ブランド化

全部成功してる。

なのに本人。

Plain text

テア様尊い

しか考えてない。

結果論として。

歴史に残るタイプの変人。

あと今回。

テアの内面描写

かなり良いです。

特に。

Plain text

ミラが望んでくれるなら、私はミラを自らの腹心として迎え入れよう

ここ。

めちゃくちゃ大事。

これで。

テア→ミラ。

が。

「変な子」

から。

「信頼する右腕候補」

に変化した。

つまりギャグ回なのに。

主従関係の核

が進んでる。

しかもミラ。

動機は変態寄りなのに。

忠誠だけは本物。

だから読者が嫌いにならない。

あと最後に。

テアが一番怖がってるの。

「世界征服」とかじゃなく。

Plain text

私の姿見が流通する

なの笑うw

もう完全に。

推し活被害者。

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